前作が質で勝負だったのに比べ、今回は量で勝負。それも体がイボイノシシみたいになったうえ1匹が2匹、2匹が4匹ってな感じに増殖するからハンパじゃない!因みに前回主人公を演じたケヴィン・ベーコンは女性地質学者との新婚生活を満喫しているからという設定で出演しない。 その代わり、前作で登場した武器マニアのバート(マイケル・グロス)がまたもやこれでもかと武器を引っ下げ再登場してくれるのはファンにとっては嬉しい限り。
そしてアール(フレッド・ウォード)が渋くて良い!続編物は大概面白くなくなる物ですがこれに限っては例外です。
岩と大地が広がるネヴァダ州の寂れた小さな町”Perfection”。ヴァル(ケヴィ
ン・ベーコン)とアール(フレッド・ウォード)のコンビは、そこで便利屋を営んで
いるが、毎日に嫌気がさして、町を出ようと考えている。そんな折、町の人
間が変死する事件が多発し、ヴァルたちは、謎の巨大生物たちによるもの
だということを突き止める。何とか、警察に連絡を取り、助けを求めようとす
るが、すでに外部との連絡は遮断されていた。やがて、怪物たちは、町の
人間を求めて襲いかかって来る…。
子ども向け教育映画を製作していたロン・アンダーウッド監督によるハリウッ
ド・メジャー長編デビュー作。ユーモアを交えたタッチが素晴らしいモンスタ
ー作品の快作だ。ハリウッドの辣腕女性プロデューサー、ゲイル・アン・ハー
ドの肝煎で、ユニバーサルに本作の企画が売れたとのこと。“Tremors”とは
「震動」の意。
50年代から連綿と引き継がれている、典型的なB級巨大モンスター映画の
設定を借りつつ、ダイナミックでスピーディーな現代的な演出で、息つく暇
もない面白い一編に仕上げたアンダーウッド監督に脱帽だ。B級の予算(と
はいえ、50年代の本当のB級作に比べれば、ずっと潤沢な予算だろうが)の
様々な制約の中でも、創意と心意気と才気があれば、これだけの作品が出
来るということをアンダーウッド監督は高らかに宣言し、証明している。個人
的には、ゴードン・ダグラスの『放射能X [DVD]』と並んで、もはや、このジャ
ンルのクラシックと言って差し支えないと思う。
この手の作品では、人間側の描写がほとんどされないことも多いが、本作で
は、ケヴィン・ベーコンとフレッド・ウォードという逸材を得て、ユーモア溢れる
かけあい演技で、作品に絶妙なおかし味を添えている。そういう意味では、
モンスター作品であると同時に、優れた「バディもの」でもあるだろう。
本Blu-rayは、既発売のDVDとは違い、新たにHDテレシネ、レストアされたマ
スターを使用。埃っぽい大地と岩肌、澄み切った空の質感が素直に(そして、
細やかに)表現された素晴らしい画質だ。4:3レターボックス仕様という、同梱
のDVDを観れば、その画質の向上ぶりは歴然。もうDVDで本作を観る気が失
せるはずだ。特典には、DVDにも収録されていたものが、すべて再録(すべて
SD画質)。
あのアールが帰ってきた。今度のグラボイズは地を這うだけではなく、
地上を走る!この進化を遂げたモンスターに立ち向かうのはアール、
バートの2人組とアールのファンの若者(名前忘れた)、元モデルの女
達だ!舞台はネバダ州からメキシコへ移されたが、あの緊迫感は変わらない。ただ今回のトレマーズは前作でひるまなかったアールが諦める場面があったので少し残念。でもその部分をなんと前作で脇役だったバートがカバーしてくれています。ラストの方でのバートの作戦には意表を
突かれました。しかも、このDVDには吹き替えが付いています。
F・ウォードの声を内海賢二さん、M・グロスの声を小林清志さんが
やっています。僕としては嬉しかったですね。ラオウと次元の共演みたいで。『1』より面白さは劣りますが、アールとバートの”二大最強オヤジ”が活躍するのでまあいいでしょう。
ブルーレイは超絶なハイクオリティとまでは言わないまでも、 スクイーズにもなっておらず、まるでVHSのような 低画質だったDVDに比べ、飛躍的にアップしています。
大半がロケ撮影によるデイシーンなので、山や岩、草といった 自然描写は解像度の高さも手伝ってクリアになり、 岩のゴツゴツ感や草木1本までより際立ってます。
ただ、縁取り補正がキツすぎる。 遠景の山々など一部のシーンではその補正によって 逆にノイズになってしまっている箇所も目立ちます。
画質の良さは人肌などでより顕著になって表われます。 ケビン・ベーコンのサラサラヘアーやフレッド・ウォードのヒゲが クッキリしてて、フィン・カーターのソバカスまでもが鮮明に(笑)。 でも、グラボイズがより作り物っぽく見えてしまうのが難点か。 (CG普及前の作品なので元々作り物っぽいですが)
音源マスターは従来のものと同じですが、 dts-HDによりサラウンドの幅が広くなり、セリフも明瞭化。 さらにDVDには入ってなかったVHS版の日本語吹替を収録。
「レディの前で失礼!」など、内海賢二の名調子が楽しめます。 できればTV用吹き替え(井上和彦&田中信夫版)も収録してほしかった。
レターボックス仕様のDVDの字幕は2行になると1行だけが 画面外に出てしまい、ワイドTVでも扱いにくい劣悪仕様でしたが、 BDではそんな不満も解消。書体も丸ゴシック体で読みやすくなってます。
特典の53分のメイキングはDVDと同じもの。 バルとロンダがキスをしないオリジナルのエンディングも収録。
加えてBDには以下の特典を追加収録。
・『トレマーズ』宣伝用映像 ・ケビン・ベーコン インタビュー ・マイケル・グロス インタビュー ・リバ・マッケンタイア インタビュー
いずれも公開時のPR用映像みたいなもので注目すべきほどの 面白い特典ではないけど、ファンにとっては貴重映像かも。 といっても、これらの特典はLD「スペシャル・コレクション」に 収録されていたものと同じで、BDで新規収録したものではないです。
ただLD版にあった 未公開シーンや膨大なフォト・ギャラリーとかも入れてほしかった。
もっと欲張るならこれほどファンの多い作品なんだから 『グーニーズ』の特典みたいに、監督や俳優を集めて 同窓会的なコメンタリー映像とか入れてくれれば面白かったと思う。 すでに引退したフィン・カーターやアリアナ・リチャーズは 今なにをやってるんでしょうね?
ところでBDのジャケットはなぜ“夜”に変わってるんだろう? 全編昼間の映画だし、これまでのキーアートの方が ずっと『トレマーズ』っぽいのですが・・・・。
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