ボッサ好きな母親です。我が子(3歳)にも色々とボサノバを聞かせていますが、いまひとつ食いつきが悪かったのです。ですが、このCDをかけたところ、キャッキャと喜びはじめました。イージーリスニングには不向きだと思いますが、子供と車でお出かけの時には持っていきたい1枚です。ボッサ好きな方にはたまらないと思います。コピーにもありましたが、「とんでもなく素晴らしいアルバム」です。
小学校の時のコーラス部は、コンクールのため先生が指名した子だけが集められた。私は、音楽教室の窓の外でサッカーをしいた。そこは、校庭といっても中庭でサッカーには不向きな場所だったのに。 コーラスは、憧れだ、36年たった今でも。 人の声がハモった瞬間の空気の変化、突如として現れた美しい緊張、それは堪らない魅力だ。 デビュー40年、今だ現役のブラジルのコーラス・グループ「クァルテート・エン・シー」。その36年前の名作「エン・シー・マイヨール」(68年)。当時29歳から21歳の姉妹3+1の彼女達、その瑞々しく溌剌としたハーモニーが、素朴で豊かな喜びを与えてくれる。 コーラスでサンバ、ハーモニーでボサも素晴らしいが、4曲目のようなバラードでは、「彼女達、女子高校生?」と聞こえてしまう清らかすぎる美声に「心が洗われる」って本当にあるんだなって実感。 そしてチューバがベースのブラスバンドを従えた1番目の曲。向田邦子のTVドラマのタイトルバックにぴったりと思うのは、私だけか。あの「あうん」のトルコマーチに匹敵する「掴み」が、バッチリです。
1989年制作のコンピレーション・アルバムだが、決して安易な既存曲の寄せ集めではない。 10組のアーティストが、それぞれテーマを持って2〜4曲をメドレーで歌っている。つまり、このアルバムのために録音されたようだ。 全アーティストが実力者揃いで、選曲も良く考えられておりバラエティに富んでいる。 音源もこのCDでしか聴けないと思う。単なるコンピに見えて、実は非常に贅沢な企画盤。 どれも素晴らしいが、あえて書けばクァルテート・エン・シーのメドレー(ジョアン・ジルベルトのレパートリーを意識していると思われる)の緩急自在のコーラスには戦慄すら覚える。 プロデューサーはホベルト・メネスカル
(参考までにアーティストと曲を記しておきます)
1 エミリオ・サンチアゴ (Vivo Sonhando / Triste / Meditacao) 2 ナラ・レオン (Corcovado / Insesatez) 3 ジョアン・ボスコ (A Felicidade / O Nosso Amor) 4 クァルテート・エン・シー (De Comversa em Comversa / Tim-Tim por Tim-Tim / Samba de uma Nota So / Falsa Baiana) 5 モライス・モレイラ (Pais Tropical / Chove Chuva) 6 ギリェルミ・アランチス (Nos e Mar / Wave) 7 レニ・アンドラージ (Garota de Ipanema / Rio / Ele e Carioca) 8 ネイ・マットネグロッソ (Vagamente / Manha de Carnaval) 9 MPB4 (Chega de Saudade / Tem Do) 10 カルロス・リラ (Voce e Eu / Se e Tarde Me Perdoa / Saudade Fez um Samba)
ゆるやかな曲、元気な曲など、変化に富んでいながら、やはり名曲だけあって、とにかくすべてが心地よい。 かといって、メジャーすぎる方向で固めているわけでもなく、選曲はかなり良いと思います。 新しいオムニバスやコンピレーションが出てくる中、非常にプレーンに見えるこのアルバムですが、なかなか楽しめますよ。
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