Black Swans & Wormhole Wizards
久々の新作ですね。「クリスタルプラネット」以来の傑作ではないでしょうか?勿論他の作品も素晴らしかったですが彼のレベルとしてという意味です。これはサミー・ヘイガー、チャド、マイケル・アンソニーと組んだチキンフットなるバンドでの活動が刺激をしたのかもしれません、従来の(上手く書けませんが)機械的な、メカニカルな曲に情熱的なソロを弾いていくというスタイルは残しつつも、まるでラリー・カールトンが弾いているかのような豊潤な楽曲があって楽しめました。
定番のオリエンタルなフレーズもありますがブルージィでジャジィなサトリアーニの演奏も中々のもので、やはりこの人は現存するギタリストのトップを走る人ですね。ジェフ・ベックと比較するのは無意味でしょうが、僕はサトリアーニだなぁ。表紙ジャケット、中ジャケットもシンプルですが格好良いサトリアーニが観られます。赤のアイバニーズ欲しいねぇ。
同時期、業界大物(サンタナ、クラプトンetc)の新作が発表されていますが、はっきり言ってステージが違う印象を受けた。遥か彼方の高レベルな製作意欲でしょう、これが「現役」というものですわ。
エレメンタル・ジャーニー
彼の演奏が思い切り聴ける。
どれもこれも溜息が出る。
彼は物語を歌う名手だが歌詞がなくてもいいんだな。
スライドギターがこんなに複雑で美しい情景を描けることを
見事に証明した。
ギターはまるで解き放たれたように歌っているよ。
いつもながらゲストの起用と成果が見事だ。
Joe Satoriani、Eric Johnson、Robert Greenidge、
過去に地元の演奏会で共演もしているアケイディアナ交響楽団から
バイオリン、ビオラ、チェロが参加。
指揮者のMariusz Smolij氏もアドバイザーとしてクレジットされている。
ストリングスのアレンジはSam Broussard。
この人も、できるギタリストってだけじゃないんだ。
探求心の旺盛な人だ。
ブルーズさえ置いて新しい冒険に出ていく。
ストリングス、スチール・ドラム、ナイロン弦の音。
けれど地元のファンをライブで踊らせる曲も忘れない。
きっともう次の構想があるんだろうな。
そして必ず作り上げる。
彼の道のりを振り返るといつもそうだ。すごいことだ。
Megan Barraのデザインはいつも素敵だ。
わずかなスペースでこのレコードをよく表していると思う。
しかし本家はあのちょっと大きい三つ折り紙ジャケット、
日本盤はプラケースの標準サイズ。
これはどうかなあ、雰囲気変わるわ。
風景の写真は一枚多いけど。
でも細川真平による解説は、
インタビューをして本人の言葉をはさんでいるのがとてもいい。
余談だが私は他のギタリストのスライドギターはほとんど苦手だ。
“スライド酔い”してしまって聞いていられない。
しかし彼の場合、大きなビブラートやグリッサンドを使っても
芯の音を外さないのでそれがまったくない。
同じような症状でスライドギターを敬遠して、
彼を知らないでいる人がいたら是非聴いていただきたい。
ギターの新しい魅力に出会える。保証します。
サッチュレイテッド-ライヴ・イン・モントリオール- [DVD]
アメリカではIMAX-3Dで上映されたもので、このBDも驚くべき高画質が堪能できます。若干左右に黒帯が出るので、画面アスペクト比は1.77:1ではなく、1.60:1くらいかな?
Crystal Planet
一時期、考えすぎたのか分かりませんが「低迷期」に入ったと思われたジョー・サトリアーニが「完全復活」した記念すべきアルバムです。2002年発売。
鮮烈なデビューを飾って以来、快進撃を続けてきたジョー・サトリアーニですが、音作りに迷いがあるのか、奇を衒い過ぎたのかわかりませんが、最初に感じられた豪快さ、伸びやかさが薄れてしまい、次第に輝きを失っていく姿にヤキモキしていたファンも多かったのではないでしょう。
しかし、覚悟のスキンヘッドをバシッと決め、彼の原点に戻ったこの作品でやっと本来の輝きを取り戻してくれました。従来、歌心がありすぎるほどフレーズが豊かなギタリストですが、1曲、1曲を聴いているとそれぞれに強烈な個性が感じられ、また音の一つ一つに彼なりのこだわりが感じられるのです。加えて、彼の魅力である「疾走感」を取り戻しただけに、まさに「鬼に金棒」状態です。これからもこのままでいてほしいと切に望みます。
それにしてもアルバム中で唯一ライブ録音である、ラストの「Zz's song」で泣き叫ぶギターは感涙ものです。ふだんヴォーカル入りのロックを聴いている方にとって「オール・インストゥルメンタル」というのは冒険かもしれません。でも、彼のギターを聴けば「ヴォーカルなんて邪魔だな」と思うに違いません。それだけ、彼のギターは雄弁に我々の魂を揺り動かすのです。
The Extremist
オープニングのFriends。
曲質はまさに【友達】です。
卒業シーズンに聞いてしまい,感動と切なさが雪崩れ込んできたのを覚えています。
そしてタイトルチューンですが,これは素晴らしいです。
サトリアーニ流ハードロックが堪能できます。
パワー満点のハープもマッチしています。
その他,サトリアーニライブに行く場合
必須となる曲“summer song”や,
雰囲気満点のバラード“Cryin'”など,
一枚に素晴らしい世界が凝縮されてます。
それと,個人的に気になったのは“War”。
【戦争】というテーマを掲げると,どうしても
「速いかっこいいハードロック」に偏ってしまいがちですが,
彼の場合そうではないな と感じました。
激しく,そして戦争の無意味さ,憎さを聴き取った気がします。