シティボーイズ 10カウントショー(2/5)
平成13年(2001)2月深夜CX系で放送※画質あまり良くありません。 シティボーイズ 10カウントショー(1/5) jp.youtube.com シティボーイズ 10カウントショー(3/5) jp.youtube.com シティボーイズ 10カウントショー(4/5) jp.youtube.com シティボーイズ 10カウントショー(5/5) jp.youtube.com
ブルジョワ家庭にもらわれ甲斐甲斐しく働く孤児の少女飛鳥は、雪の札幌大通り公園で一人の青年と偶然に出会う。何とも耽美的な筆に乗って、少女の成長と恋、会社組織の闇に絡んだ殺人事件、切ない別れと恋の成就、それらが粉雪の舞う札幌を舞台に幻想的に展開する。
そして、12歳にして私は「ベーゼ」という耳慣れない言葉がKissを意味することを知ったのである!このことに大興奮した私は、それ以来本作品を禁断の「官能本」として、大人に隠れながらこっそりと読み重ねることになった。少女の視点からみると、登場人物はまさにオトナの男と若く清楚な女であり、彼らが様々な苦しみを乗り越え恋愛を実らせていくさまは、じっさい何ともいえずロマンチックで官能的だった。
そういうわけで、本作は個人的に思春期を揺るがす重大な本であり、大人になって読み返してみる今、本作がよくできたA級通俗小説であると同時に、思慮深く優しい女性像と人間の感情の襞を丁寧に描いた文学でもあること、それゆえ、私にとっての「禁断の書」が他のどの本でもなくこの本であったということに、不思議な安らぎを感じている。
それにしても、この作品で賞をお取りになった佐々木丸美先生、今頃どうなさっているんでしょう?単行本の廃刊は残念です。
彼女の作品、もっともっと読みたかったです。