ワイルドカード
壊れそうで頑丈で、乱暴そうで繊細で、閉塞感と開放感を感じさせる矛盾に満ちて美しい作品。
「これが俺の出したい音なんだ」「これが俺の歌いたい歌なんだ」という信念がにじみ出る。(サウンド・ボーカルの個性はまったく違うものの、ディアンジェロの「Voo Doo」に勝るとも劣らない強烈な信念・意志を感じさせる)
あきれるほどパーソナルでありながらカッコいいサウンドに、自分自身の魂と聴くあなたの魂とに直接語りかけているようなボーカル。
この途方も無い自由を手に入れる方法は、たぶんたったひとつ。それは、他のすべてを犠牲にして、一つに賭けること、「ワイルドカード」を切ること。
そうする人間だけがこの自由を手に入れることができる。
僕らが(アメリカ生まれの黒人ではないのに)ブラックミュージックに揺さぶられているのは、たぶん、ブラックミュージックの源が、サバイバルへの意志だから。生きながら、音楽と僕らとは何度もこうして生まれ変わる。
Greatest Hits
TTDの2枚組ベスト盤。時々無性に聴きたくなるんだよねぇ。Disc1は、サナンダ・マイトレーヤと改名する前の、デビュー作から4作目「バイブレーター」までのベスト盤。なんと19曲78分近くと、CD許容量目いっぱいの収録が嬉しい。まぁベスト盤なのであれがないこれがないを言い出すとキリがないが、まずは妥当な選曲。プラスしてこのベスト盤が価値が高いのは、コンピレーションやサントラ収録のアルバム未収録曲を5曲も収録していること。E・プレスリー(6)、B・ディラン(11)、S・クック(19)といったカバーが秀逸。本当に自分の色に染め切ってるもんねぇ…。
で、このベストの価値をさらに高めているのがDisc2。未発表曲やカバー曲(なんとあの「ワンダフル・ワールド」!)に、ストーンズのカバー2曲含む未発表ライブ、ヒット曲のリミックス(9分弱にも及ぶ、「ダンス・リトル・シスターPart1&2」がGJ!)など、ファン垂涎のナンバーが目白押し。いやぁどれもこれも素晴らしいトラックが満載です。
改めて彼はやはり、MJや殿下に匹敵する才能だったなぁということを実感するわけだが、一方で彼の作品は重たいんだよねぇ。これは暗いとかって意味ではなく、なんといいますか、こっちが元気でないと疲れる音楽って感じの重たさなんだよね。そう、彼にもう少し「軽さ」とか「しなやかさ」「愛嬌」みたいなもんがちょっとでもあれば、もっと楽に売れたんだろうが、“求道者”というか“殉教者”とでも言いますか、やはり彼は最後の最後まで頑なだった気がします(反面教師としたのがL・クラヴィッツだったのかも…)。それとやはり彼はアルバム・アーチストなんで、こういったコンピレーションにすると、統一感がなく“雑多”な印象になりますね。なので入門編にはちょいヘヴィーでして、初めて聴く方は会心作であるデビュー作を聴くことをお勧めします。
というか、そのデビュー作の“しなやかさ”を最後まで再現できなかったことが彼の最大の不幸。とはいえ、今の悠々自適でマイペースな活動ぶり(自身のサイトでのみ新曲を発表)をみていると、別に彼は今の状況を不幸だとは思っていないんだろうが、ね。
Introducing the Hardline According to Terence Trent D'Arby
まず、このアルバム聴いて。いいから。友達にこれ、貸しまくってる。何度聴いても飽きないよ。才能爆発って感じ。彼のアルバムで、これが一番好き。
音で遊んでる感じで余裕のある人ですね。いろんな国の音楽を感じられます。彼のパーソナルな部分が音楽に反映されているんでしょうか?やはり。
他のアルバムでもいい曲たくさんあるけど、アルバム全体でひとつの作品ということを強く感じられ、とてもマニア的でいいです。
バイブレイター
このアルバムが出た当時は、カッコイイけど?渋すぎて??
わからない!!!非常にとっつきにくい印象でしたが、
最近聞き返して、めちゃくちゃヘビーローテーションです。
真っ黒いファンクの塊にがつんとやられる。
声がマジに鬼気迫る。
ジャジーなM5、M6は複雑な美しさ。
以前から言われていましたがリリックは本当に繊細。
再評価してほしい人です!!
Introducing the Hardline...
まず、このアルバム聴いて。いいから。友達にこれ、貸しまくってる。何度聴いても飽きないよ。才能爆発って感じ。彼のアルバムで、これが一番好き。
音で遊んでる感じで余裕のある人ですね。いろんな国の音楽を感じられます。彼のパーソナルな部分が音楽に反映されているんでしょうか?やはり。
他のアルバムでもいい曲たくさんあるけど、アルバム全体でひとつの作品ということを強く感じられ、とてもマニア的でいいです。