盲導犬クイールの一生
ドラマをみて、なんて素敵なBGMだろうと思っていました。ドラマのシーンがよみがえりました。ピアノが本当に素敵なんです。美しいのです。届いてから何度も何度も聞いて美しいメロディーに浸ってます。ぜひ皆さんにきいていただきたいです。おすすめです。
盲導犬クイールの一生
モノクロの写真は、カラ-写真よりも心の内面を描写するのにむいている、とよく言われます。この本の、クイ-ルの多くを語る瞳に惹かれない人はいないでしょう。私は特に犬好きというわけではないので、犬好きの友人にあげようと思って買ったのに、一気に読んでしまい、とっておくことにしてしまいました。絵本、「ずっとずっとだいすきだよ」もずっと大好きなのですが、この本も、ずっと大好きになりそうです。盲導犬になるために訓練を受けても、全ての犬がなれるわけでないことや、訓練を受けるようになる前にも、個性や血統によって選ばれていることや、一頭の盲導犬を育てるのに、いくつかの家庭がかかわり、それぞれの人々も犬もいろいろな気持ち、生活を分かち合っている様子など、簡潔に描かれているところがとてもすばらしい。小学生が読めるようにルビをふやしてくれたのもうれしい配慮です。
クイール [DVD]
京都府亀岡市を舞台に盲導犬のクイール君が大活躍するお話ですが、崔洋一監督の演出はクールと言うか、さっぱり燃えないというか、観客が期待するお涙頂戴のペット感動物語に走らないところが、妙に印象に残りました。
彼がスポットライトを当てているのは主人公のラブラドール・レトリバーよりも、彼がケアする渡辺という中年の盲人で、このあまり好きに慣れない人物を小林薫が苦労しながら演じています。
渡辺氏はこの地域の盲人協会の会長をしているらしいのですが、無類の頑固者で性狷介にして固陋頑迷、一筋縄ではいかない孤高の人物です。こういう人は健常者にもいますがもちろん障碍者に世界にも存在していて、みずからのハンディキャップにひるむことなく、それをかえって社会的な優位性や武器と捉え直して、規制の秩序や権威にはげしく挑むのです。
健常者を中心に高くそびえたつ民官産からなる行政や医学、教育界コンツエルンの巨塔は、ある範囲まではかれら障碍者を敬して遠ざけるためのスペースを準備してかれらの抗議や要求に柔軟に対応しますから、このあらかじめ許容された領域をば、なにを勘違いしたのかわがもの顔で振舞う哀れな障碍者リーダーもあら悲しや往々にして登場するのです。
この映画では、渡辺某氏が日課にしている役所への陳情シーンにそれが如実に表現されており、この障碍を持つリーダーの怒りと悲しみ、そして第三者から眺めれば嗤うべき思い上りが見てとれるのですが、その重複する複雑怪奇な心理の綾を知ってか知らずか、氏の生涯に亘って一意専心献身の実を尽くす一頭の忠犬のいきようが、氏のそれとだぶってこれまた哀れでした。
盲導犬クイールの一生 / グーッド グーッド [DVD]
私は書籍版の「盲導犬クイールの一生」も購入して既に読んだ後
このDVDを見たのですが、やはり泣けました。
子犬の時の犯罪的なかわいらしさ、訓練中やお仕事中の
きりりとした姿、ハーネスを外されたあと甘える様子など
書籍を読んだ人も読んでいない人も楽しめると思います。
同時収録されている「グーッド グーッド」は10年以上前の
作品ということもありどうしても古い感じが否めず、内容も
非常に教育的です。しかし、「盲導犬クイールの一生」は
写真だけで構成されているので、90分にわたる動画で盲導犬の
訓練などを見ることができるのは大変いいと思います。
値段も比較的安価なのでいぬ好きなら買って損はないと思います。