Hippodrome (Paris 77)
「ラスト フォー ライフ」ツアー1977年、パリでの録音。
同じツアーからの音源で、ボウイのプロデュースした「TV アイ」があるが、そっちはボウイがオーバープロデュースで、なんだかニューヨークアバンギャルドなみに過激で暗く、お勧めできない。
このアルバムでは、最高のバンドを得て、いきいきと暴れまわるイギーが聞けて最高!
ストゥージズ時代のナンバーも、格段にスキルの高い演奏でよみがえり聞きどころ満載。
ハウリングが痛いが、音の離れもよく音質は悪くない。
1/72 ウォーバードコレクション WB-57 SU-27 B2 シーフランカー
全体的に雰囲気は良いです。形も良好ですしデカールも品質は最高です。
しかしSu-33として作ろうとすると苦労します。
まずテイルコーンは長さが違いますし、カナード翼の付け根も実物と形が違います。
IRSTはSu-33では右寄りに設置されているのですが、このキットでは真ん中にあります。
ハードポイントもSu-33では12箇所(Su-27は10箇所)なのに対してこのキットでは8箇所。
ほかのキットから流用したり自作したパイロンを設置するほかありません。
また主翼、尾翼の折りたたみ機構の再現がありませんので、折りたたんだ状態にするには
大幅な改造が必要ですし、翼展開状態でも主翼の折畳み部分のヒンジを作る必要があります。
テイルコーンは切り詰めれば良いだけですし、カナードはパテや瞬着を使えば修正可能です。
他のの欠点も大体は修正可能ですが、モールドは凸モールドなのでラインの引きなおしに
苦労します。しかし他のメーカーのSu-33もまともなカナードはついていませんし、また
値段が高い・この製品よりも形状が悪いなどの欠点がありますので、やはりSu-33を作るには
安くてSu-27としての形もきちんとしていているこの製品を修正するのが賢明です。
見えない傷痕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
デンマークのミステリー界に確固たる地歩を築く女流作家ブレーデルの人気シリーズ女刑事ルイース・リック初紹介作です。昨年の「特捜部Q」シリーズを皮切りに最近の早川書房は完全にデンマーク押しで秀作が次々に紹介されていますが、今回は初の女流作家が取り上げられたと言う事で興味を惹かれ大いに期待して読みました。
デンマークの首都コペンハーゲンで暴力的なレイプ犯罪が発生し、殺人捜査課所属の女刑事ルイース・リックに捜査が任された。心身共に深く傷ついた被害者女性スサンヌと接し心のケアをしながら聞き取りをした結果、ルイースはインターネットにより獲物を狙う常習レイプ犯の存在を疑い、やがてそれを裏付ける様に第二の痛ましい事件が起きるのだった。
デンマークのミステリーを読んで共通して感じる事はやはり現代社会で起きる犯罪事件を生々しく描くその強烈なリアリティーです。本書でも今まさに犯罪が行われている場面を挿入して、被害者女性の立場に立ったリアルタイムで感じる激しい苦痛の感情をありのままに伝えソシオパス常習レイプ犯の異常性を描き尽くしています。そしてフーダニットの真相としては大きな意外性はありませんが、何処にでもいそうな普通の男性像を人との関係性の面からショッキングに印象づけています。それから本シリーズの人気はやはりヒロインの女刑事ルイース・リックの魅力に負う部分が多いと言って良いでしょう。仕事中毒の気味があり私生活を投げ打ってでも事件捜査に没頭するタフな女性ですが、今回は思わぬ愛情面での破綻を経験して深く傷つき打ちのめされて悲しみに沈み込みます。でもそこからすぐに立ち直り新しい道に踏み出すのが彼女の良さで、上司達からの同情に反発し気丈にも犯罪現場に乗り込んで犯人と対峙し一触即発の緊迫した状況を見事にさばいて見せる活躍が素晴らしいです。けれども彼女が勇ましいだけではなく、動揺と震えを押し隠す心情や繊細で優しい内面を持つ女性である事が読者の共感を呼んでいるのでしょう。女性上司のハイルマンはしっかりした好人物で頼りになりますし、フレミング検屍官との仲が今後どう発展して行くのか気になる所で、また親友女性のカミラは新聞記者で普通は警察とは敵対関係で険悪になりそうに思えますがそうはならずに良好な関係を保っている事が心を静め穏やかな安らぎを感じさせてくれます。
シリーズが今後も紹介されるかどうかはまだ微妙な感じですが、精緻な心理描写が光る堅実な警察小説と魅力的なヒロインの活躍が読める日が再び来る事を祈って今から楽しみに待ちたいと思います。