天空聖龍〜イノセント・ドラゴン〜 9 (花とゆめCOMICS)
遂に完結で、この機に最初から読み直し一気に読んでしまいました。
改めて、多くのシーンが胸にこみ上げてきています。
この9巻を最初に読んだ時はあっさりした印象を持ちましたが、しっかりと読み込むと散りばめられた様々な布石が凝縮され迫って来て、なんてすばらしい終わり方なのだろうとしみじみ思います。
壮大なファンタジィに付きものの、散々な苦境の中で主人公たちは生きてきました。
カナンはそれを覆す為にあれだけ行動したのですから、これで悔いは無い筈です。
幸せの形は、前向き全開ラブラブでハッピーだけではありません。
物語の核の部分である「地上に降りた聖龍(と聖龍の末裔)」に課せられていた過酷過ぎる運命と照らし合わせたら、よくぞここまで乗り越えてくれました!と私は讃えてあげたいです。
(もしかしたらもっと悲しい結末かも、という予測もあったので)
負の要素もありますけれど、カナンは自分で選んで幸せを手にできて、本当に良かったです。
そして最終シーン、淡々と状況を語る引きの描写だから、入りにくいせいかもしれません。
けれど、それはとても上品で無駄が無く、或は読者に「あとは任せた」という投げかけなのかもしれません。
しかも、ここは過去の投影(伏線)が入っているので今更多くを語る必要はありません。
私は、ここの意味が解った時に涙が止まりませんでした。
この上なく、山口先生らしい愛のつまったものだと。
表層を見たら悲劇でも、潜んだ意味合いは散ってしまった命さえも救い上げた解放なのだと思います。
テーマ性もとても重くこの巻で明かされた真相を知った時には衝撃でしたが、でもそういう問題提起は置いておいても、アジアの昔話のようなテイスト「聖龍伝説」の世界、ラムカやカナンの物語に浸ったらいいのではないでしょうか?
今はじわじわと感動が来ています。
極上のファンタジィを紡いで下さった山口先生に、心より「お疲れ様です、ありがとうございました!!!」と申し上げます。
天空聖龍 7―イノセント・ドラゴン (花とゆめCOMICS)
カナンが龍になったりラムカが死にかけたりした前巻から平穏無事に続くわけはないと思ってたんですが。
カナンの力の不安定さと、カナンがやっぱり冷たく見れないサニンとの差にやけくそっぽくなってるラムカが危ういです。
闇を選んだサニンはともかく、光でも闇でもない「カナン」という存在がどういう風に動いていくのか、多分次巻がターニングポイントかな……。
山口先生のファンタジーはどっちか言うと優しくてここまで厳しいのはなかったので、色々痛いですが、サニンの作っている「毒」を今の世界に当てはめたりすれば、結構来るものがあります。サニンは闇ではあっても、彼自身が悪いわけではないので。
でも、最後には、満身創痍でも、毒を消してしまって欲しい。
そう願います。
山口実由紀のPILATES LIVE LESSON VOL.1 ベーシック編 [DVD]
とにかくわかりやすいです。
今までのdvdブック等より解説がていねいでlivelessonをみると
全体の流れでどのような部分に気をつければよいかなどがわかります。
explanationではよりていねいな解説と注意点がわかります。
さすがストットピラテス公認のインストラクターだと思います。
パラダイス パイレーツ 1 (花とゆめCOMICS)
相当年季の入っている、山口先生のファンです。
今作は、読んでいる最中から「・・・???」という感覚が
ぬぐえませんでした。
話の展開が強引すぎるというか、早すぎるというか。
あわててとにかく、プチ山場まで持っていったような印象です。
山口作品ののんびりした雰囲気が好きなのですが、
のんびりする暇もないという感じでしょうか。
2巻以降で、ゆっくりになるといいのですが。
絵の美しさは健在で、その意味では安心して読めます。
演技者。(6)(初回限定版) [DVD]
映像化不可能と言われた松尾スズキの同名舞台のテレビドラマ化。テレビの表現の限界に挑戦した制作サイドの意欲が強く伝わって来る作品です。森田剛・松田美由紀・山口紗弥加・塚本晋也の緊張感溢れる芝居がダークだけど笑える松尾ワールドへ誘います。舞台好きも必見な完成度で、「演技者。」の中でも1・2を争う傑作だと思います。