ウルトラマンSTORY 0(5) (マガジンZコミックス)
早いものでウルトラマンSTORY0も五冊目を数えました
今回はゾフィーVSアントラー、タロウ&カラレスVSザンボラーが描かれ、M78星雲光の国とは別銀河であるL77星の序章が語られています。
内容については実際に読んでいただきたいのであまり触れませんが、力の意味を見つけるタロウと、何もわからないまま戦いに巻き込まれてゆくレオとアストラの兄弟が印象的でした。
ゾフィーはもう安定して希望をもたらす光として活躍しているので安心してみていられました。
毎回思うのですが次の巻への繋ぎ方がめちゃめちゃにうまいです。
早く次の巻を読ませろ!!と叫びたくなりました(苦笑
火宅の人 (上巻) (新潮文庫)
『リツ子・その愛-その死』と並ぶ檀一雄の傑作私小説である。障害のある子供すらいるのに、女優の愛人と遊び暮らす男、それが檀一雄である。ダメ男のはずなのに、そこに不思議な爽快感が漂い続ける。それは檀一雄という男の魅力なのだろうか。
暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 (岩波文庫)
妻に暴力をふるう
→妻「の」元から逃げる
→友人の妻に元妻がなる
といった日本私小説の王道を行く作者の元に,のんきめがねをかけたすっとんきょうな若い妻がやってくる。
作者は戦慄する。
また自分はこの女をいじめてしまうのか
と。
そんな短編小説でこの本は始まります。
深刻なボケとボケの夫婦漫才,軍配は若い妻にあがったようです。
ひどい話がなんでこんなにユーモラスなのか,よく分かりませんが,
あれもあい これもあいですね。
単線の駅 (講談社文芸文庫)
本書は尾崎一雄の随想集(昭和51年刊)である。尾崎一雄の文庫本はもはや講談社文芸文庫にしか望めなくなったのかもしれない。値段はやはり高いが、散財とは思わない。
構成は、自然への敬慕、文壇や文学関係、自伝『あの日この日』のこぼれ話、家族関係の逸話の4章立てとなっている。その中から面白いものをいくつか拾ってみる。吉田茂・健一親子をチクリと批判する「日本の言葉・文章」は痛快。浅見淵(「ふかし」と読むことを本書で知った!)への追慕が込められた「贈呈署名本の処置」は味わい深い。そして、石川達三の奢りを痛烈に批判する「寄せ鍋式に」は感動的である。その末尾の一節を引いてみたい。
石川達三は、自分の書くものを「これこそが小説だ」と思っているらしい。私などは自分のものを「これも小説」と思っている方なので、他人の作品は、どれもそれぞれに面白いと思っている。この世にはいろんな花があり、木があり、眺めがあり、人があり、作品がある。それぞれに面白い、と、どうして石川達三には思えないのだろうか。石川が気の毒に見えるわけはその辺にある。
私もこのような価値観に共感を覚える者のひとりである。細心の注意を払って権威主義的にならないようにしようという慎み深さには敬服する。『古本暮らし』の荻原魚雷氏がこの作家に傾倒しているのもうなずけた。