アイガー・サンクション [DVD]
前半は退屈な場面が多くありましたが、後半のアイガー北壁登攀シーンでは、そのリアリティさに息を呑むばかりでした。アイススクリューをねじ込んで、雪壁をダブルアックスで登って行く。これほどリアルな山岳アクション映画は他に知りません。バーティカル・リミットなどがいかにまやかしであるかがよくわかります。
クリント・イーストウッドのアクションがいかに偉大であったかも、よくわかりました。彼が自分を「ボンド」とジョークで名乗るシーンは、007と比べてくれ、と自信を持って言っているようにも感じられ、同じく007を意識している『トリプルX』とも比べてしまいますが、『トリプルX』が007から抜けきれていないのに対し、『アイガー・サンクション』は、完全に振り切っていると言っていいでしょう。ただし、それはアクションのリアリティさに関してであり、娯楽性で『トリプルX』にかなわないのは、27年も前の映画ですから仕方ないでしょう。
アイガー・サンクション [DVD]
山登りがスポーツだったころの作品。山に登ってみたい、、という気にさせられました。
撮影も大変だったとおもいますが、ロッククライミングの過程を、これまで描写した映画は、他に無いとおもいます。
アイガー・サンクション 【ザ・ベスト・ライブラリー1500円:2009第1弾】 [DVD]
何と言っても、凄いのはイーストウッド本人がスタントなしで望んだ雪山での登山シーン。依頼されているサンクション=”制裁”の標的が誰だか分からないまま、行動を共にしなければならない焦りと不安。そんな中で次々と襲ってくる自然の猛威。見ていて、ハラハラ・ドキドキ、最後まで謎が明らかにならないストーリーは状況の理解が少々難しい感もありますが、1度目はまず真相を解明して、2度目でスリル満載の雪山シーンを手に汗握って楽しむ。これはそんな楽しみ方が十分できる作品です。
ただ、前半部分の展開がちょっと間延びしている感じもあるので、敢えて評価は落としめで・・・