霊の発見 (角川文庫)
五木先生が関わっておられる対談なので、そんなにいかがわしい怪しいものにはならないだろうと思って手に取った。
目次を見ると結構怪しげな項目が多く、大丈夫かな、と思って読んだが、それほどではなくて安心した。鎌田先生のお名前は不勉強で初めて知ったのだが、大学の先生としてはやや異端と言えるのだろうか。波動がどうの…という話にはいささかついて行けない部分もあったのが正直なところだったが、サブカルチャー的視点から見ると面白い対談だった。そのあたりは愉しみながら気楽に読むのがいいかもしれない。
全体的には、まじめな仏教、神道の歴史について語り、それらと庶民との関わり、国家との関わりについて論じられている部分も多かった。
駿台式!本当の勉強力 (講談社現代新書)
個人的には、
英国数の教科についての内容が良かったです。
「勉強はスポーツである」
といったことが書かれているのですが、
その通りだと思いました。
スポーツの様に楽しみながら勉強に挑戦していきたいものです。
高校生はもちろん、
大人の方にも是非読んでいただきたい内容でした。
評価は星5つです。
霊の発見
霊といえば、圧倒的にポピュラーなのが仏教。また、守護霊などがでてくるイギリスの心霊なども人気があります。科学的なところでは、ニューエイジやトランスパーソナルという切り口もあります。
それに対してこの本のベースはどうやら日本神道のようで、用語などはわかりづらいところがあります。空海なども、修験道から語られたりしていますね。野人としていの聖徳太子の話なども興味深いものがありました。
しかし、日本人でいながら、神道に違和感を覚えるのは困ったものでもあります。考えてみれば、色々な意味でゆがめられてきた神道ですが、本の内容に今ひとつ入り込めないとか、わかりづらいというのはこの神道への理解度が問題なのだと思います。都合の悪いことは外国語で表現したり、外圧を利用して政治を行うとかいうこの国独特のやり方は「霊」にも例外ではないようです。日本人が「霊」に向き合うには、神道の理解が必要なのかもしれません。そういうふうに、この本を読みながら考えたりしました。
また、五木氏の対談の進行についてですが、小説家らしく、筋を組み立てていくという手腕が発揮されているのですが、そのような手法が果たしてこの本に適切だったのかどうか、すこし疑問が残りました。
全体的には評価できる本だとは思いますが、出版社のコピーが噴飯もの。
「背後霊の背後に何があるのか? 衝撃の霊的ドキュメント。霊ブームの歴史的背景を徹底解剖し、日本的霊性の謎に迫る神と仏の対決。気鋭の神道家と霊界を旅する驚愕の書! 」とは全く的外れ。というよりも、あまりの程度の低さにはあきれかえってしまいました。 週刊誌の見出しじゃないんだから、神と仏を対決させたり、霊界を旅させたりするなよ。ましてや「背後霊の背後」なんてシャレをどうして使うわけ?
しっかりしろよ「平凡社」!!
里見八犬伝 [DVD]
人気絶頂期の薬師丸ひろ子が主演した大ヒット映画。薬師丸静姫を千葉八犬士が守る…。今後、これ以上の里見八犬伝は実現不可能である。断言!
やや「やり過ぎ?」とも思える深作欣二の監督手腕は賛否の分かれるところだろうが、私は大好き。この「楽しき暴走」こそが深作映画の真骨頂である。そして魅力的な俳優陣は当に「豪華」。その中にあって特筆すべきは犬坂毛野役の志穂美悦子と玉梓(敵の大ボス)役の夏木マリの二人だろう。まず志穂美悦子…犬坂毛野は八犬士の紅一点だが、里見八犬伝を映像化する以上、毛野役には「美貌」「豪快さ」「殺陣技術」などが要求される。しかし、現在(2007年)の芸能界において、この三要素を満たす女優は存在しない。これは非常に残念な事だ。だが、あの時代には志穂美悦子がいたのだ。必見! しかし、その後長渕剛と結婚した事で事実上女優業引退…あぁ、勿体無い! そして夏木マリ。毛野同様、今、玉梓役を違和感無く演じる事が出来る女優がいるのだろうか? 当時、まだ小学生だった私は本作の影響からか夏木マリが怖くて仕方が無かった。そう、夏木玉梓にはそれだけの説得力があったのだ。オマケにオッパイも披露。脱いでも凄い。
今、改めて本作を鑑賞すると、ムカデや大蛇の玩具っぽさや、ビデオ素材丸出しの合成部分など、古さゆえの「ツラさ」は確かにある。だが、それらを補って余りある魅力が本作にはある。寺田農が千葉真一や京本政樹と共に暴れまくる映画が他にあるだろうか? そんな常識度外視で楽しめる世界が本作にはある。日本映画よ、この絶妙な世界観を今だからこそ取り戻して欲しい。