天国への階段〈上〉
上巻の半ばあたりから、グイグイと引き込まれるように一気に読んでしまいました。絶望の淵でなお一条の光を見出したいと願う登場人物の感情がひしひしと伝わってきました。魂の底から揺さぶられるような経験をさせてくれる小説、読んだ後は自分を取り巻く日常の世界がやや霞んで見えるような、そんな読み応えのある小説に、久しぶりに出会えました。
しかし・・・最後のエピローグの部分だけは不要なのでは・・・?
せっかくこれだけ説得力のある展開で描ききったのだから、その後の審判は読者の想像に委ねてもよかったのではと、少々残念。
ソロギターのしらべ 官能のスタンダード篇(CD付)
譜面をほしくて買ってみたのですが、付属CDに30曲以上も譜面の演奏が入っており、今ではCDばかり聞いて楽しんでます。譜面解説はポイント解説があってコピーし易いですね。同曲で良いので著者のまた違ったアレンジも聞いてみたいと思いました。という事でまた今度は「至高のスタンダード篇」と「至上のジャズ・アレンジ篇」を手に入れたいと思います。
バニラビーンズ II
アイドルPOP、歌謡曲寄り、衣装だスチールがなんだかんだでオシャレ路線
そして何よりも10代じゃないゆえの洗練が魅力的なバニラ・ビーンズが好きだ
若すぎて楽曲のセンス良さを消化しきれてないアイドルには全く興味がない人達でも
渋谷系アキシブ系に反応する私と同じ30代にはおすすめしたい作品
2009年のデビュー作からおとなしそうなしかしながら
しっかりとパフォーマンスをする女の子たちだなと実感
前作はきっと途中までは2ndを出す気満々で制作されたであろうアルバムでありながら
ベスト盤名義でアルバム向け新曲のない無念な感じでリリースとなり
このまま契約切れて彼女たちの新作は聴けないのかなーと心配していたら
レーベル変わって「そう!この感じが聴きたかった!」という待ってた分
期待以上のきらきら感を増した今作を聴いて嬉しくて仕方ありません
M-2エルスカディの歌詞にはそんな待望論をにじませていてこちらが泣きそうだよというくらい
前作でもMGMT「KIDS」のカバーをしれっと入れ込むセンスの良さがあり
東京は夜の7時の実直なカバーよりもバニビらしさが出ている気がして好きだった
今作ではスピッツの「おっぱい」のカバーが秀逸
脳内でとろけて表情筋を緩ます威力のバニビらしい劇的センスのカバー
天国の階段 オリジナルサウンドトラック
CDが届いて早速聴いてみたら、もうあのドラマそのもの!!
ひとつひとつの曲を聴きながら、それぞれの場面を思い起こしました。
ドラマの感動に並んでサウンドトラックの曲のクオリティも高く、CDだけでも十分満足できる内容だと思います。
「ワーーッ」とチョンソとソンジュが走り回っている場面などが曲を
聴いていて想いだされたりしました。
個人的には「レテ」という曲が特に好きです。
天国への階段〈中〉 (幻冬舎文庫)
父親と牧場、そして最愛の恋人をも奪われ、失意の元に北海道を後にし、上京した柏木圭一郎。26年の歳月がたち、実業家として財をなした柏木は、彼からすべてを奪った江成への復讐劇を開始する。しかし、財をなすために犯した罪が、思わぬ形で追求をうけることになり、柏木自身も追いつめられていく。
中巻では、家のために自分を捨てた亜木子を26年たっても恨みきれない柏木と、26年間柏木への罪の意識を持ち続けた亜木子が、絵笛で劇的に再会する。一方桑田らによる捜査が徐々に柏木の元に迫る。
2001年はじめに出版された本作品、話題を呼びベストセラーとなり、日本テレビ系列でドラマ化もされたが、年末のこのミスで15位、文春で20位と、評価は今ひとつであった。
しかしながら、私個人にとっては、「模倣犯」「邪魔」に続くベスト3であった。
なにぶんにも量が多く、一気に読むというわけにはいかないが、復讐劇に恋愛劇も絡まり、ページをめくる手が止められなくなる。
本作品のポイントは「血のつながり」と「タイミング」である。ほんの小さなタイミングのずれが、いくつか重なると、人生は周りの人をも引き込んで、予想し得ない方向に進んでいく。そして、天国への階段を誰と上ることになるのだろうか?