Shantaram
この本について、コメントがないのが不思議な気がします。この本は、インドボンベイの町を舞台に、オーストラリアからの逃亡者が生きぬく姿が克明に描かれています。私が過去一年間に読んだ英語の本でも1-2位と思っています。著者は、実際の脱獄犯ということですが、インドマフィアの犯罪組織についてもリアリティーがあり、つまらない女性推理小説作家とは一線を隔します。文体も詩情あふれ、私たちが日常見る世界、社会、人々、風景も逃亡者から見る世界観とはまったく異なることがわかます。生きることの意味づけみたいなことが何度も語られます。哲学的な話題も豊富であり、マフィアのドンと語り合う哲学談義は興味深いです。そして、スラムに住む人に対するあたたかい視線、また忠実なインドのまずしい友人たちとの交流は心を打たれます。私は個人的には天使のような友人、プロバーカが大好きになりました。難点をいえば、本当の犯罪者の持つ迫力、暴力が一般人の倫理観とは異なると思うし、私たちがこのような暴力は見ないし、しないと思いますが。まあやくざの世界の抗争は同じようなものでしょうが、暴力シーンには辟易とさせられる場面も多くあります。また少し長すぎる嫌いもあります。このようなマイナス面をおいても、この本の持つ今日的な意味は多くあり、生きるべき指標として、教育図書としても、広く読まれるべき本と思います。最後の場面はなんども読みました。そして生きることの素晴らしさを描いています。映画化もされとの噂もありますが?
Flaws
イギリスインディーの超新星ボンベイバイシクルクラブの2ndアルバムです。
これから買おうとしている人に警告します。
このアルバムは完全な「アコースティックアルバム」です。
1stアルバムにあるような、
足し引き絶妙なバンドグルーヴはここでは鳴っていません。
ただメンバー四人がアコースティック楽器に持ち替え、
気持ち良さそうに演奏しているだけです。
ドラムスが入っている曲も11曲中、5曲程度です。
買うときは必ず試聴をお勧めします。
2ndから買おうとしている人はまず1stアイ・ハド・ザ・ブルーズ・バット・アイ・シュック・ゼム・ルースから聞いてみてください。
このアルバムの内容自体はとても良いです。
全楽器をアコースティックに持ちかえることによって
彼らの非凡なソングライティング力が剥きだしになっていて
一度気に入ってしまえば、なかなか飽きないです。