古畑任三郎 すべて閣下の仕業 [DVD]
古畑任三郎シリーズの最新作です。今泉や西園寺がいなくてつまんな~い!というご意見もあるかも知れませんが、そこは八嶋智人演ずる花田が十分に穴を埋めています。彼らがいない分古畑の台詞が増えるので、田村ファンには美味しいでしょう。それよりも田村正和と松本幸四郎の豪華競演なんて滅多に見られるものじゃありません。テレビ史に残る競演だと私は思っています。画面が恐れ多い(笑)!
そこに着目すると、海外ロケが中途半端なのが気になりますね。お正月スペシャルとして放映された割にはゴージャス感がイマイチなんですよ。この超大物二人を配するのだったら、もっとエキゾチックな臨場感を演出すべく、オールロケくらい敢行してほしかった、というのは贅沢な希望でしょうか?1st seasonで陣内孝則が出演した「笑うカンガルー」のオーストラリアロケと比べてはいけませんかね・・・。また、シリーズを通して鑑賞していると、3rd seasonで作家役だった津川雅彦が、どうしてここにいるの?という違和感もあったりしますが、そこは木村多江のそこはかとない色気でカバー?みたいな(笑)、色んなことを思い巡らしながら鑑賞すると面白いですよ。
古畑任三郎(3)
ドラマの中で使われる緊迫したシーンや、犯人との対決シーンなどに流れるこのサントラはすばらしいです。ドラマを思い出すもよし、また1つのミュージックとして聞いても飽きないです。ドラマにはまった方には特にお勧めします。
古畑任三郎〈1〉 (扶桑社文庫)
ご存じ古畑のノベライズ。
一話ずつの長さが適度で、ちょっと空いた時間に
軽い気持ちで読むのに最適。
ドラマのテイストを存分に残しつつ、
話によってはちょっとしたアレンジも施されて、
内容を知っている人でも楽しめる。
特に犯人の心理がより分かりやすくなってます。
もちろん筋を知らなくても十分楽しめますよ。
市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究
かなり面白くて一気に読みました。
基本的にはマニアックな内容なので、普段から書体やタイポグラフィに親しんでないと難しいかもしれません。また、市川崑の映画を有る程度見たことがないと、ピンと来ない部分もあります。
タイポグラフィに関わる本はたくさんありますが、教科書みたいな内容の本が多いように思います。しかしこの本は、とても興味深く読めました。推理映画ばりの謎解きがあったり、さりげなく日本の活字の歴史も学べたり、値段がちょっと高いけど、意外にお得な一冊です。
今まで読んだタイポグラフィ本で「面白さ」だけで言えば、一番です。
古畑任三郎 3rd season DVD-BOX
キャスト自体は豪華になり、演出にも派手さが見えるが、パート1,2に比べると薄っぺらな印象はぬぐえない。
これは内外問わずシリーズ物の映画にもいえることだが、よりパワーアップを図るあまり、余計な装飾が増え、
肝心のストーリーの魅力が薄れてしまうことにある。
この場合、相棒となる今泉刑事のアホさがひどくなっている。
不快に感じるほど目障りなのである。
古畑も彼に対し、イジメに近い扱いとなっており、哀れに見えてしまう。
日本人の笑いの原点であるボケとツッコミ感覚のつもりなのだろうか、、。
後半に至っては後輩の西園寺にまで相手にされていない。
これではいっそのこと古畑、西園寺のコンビだけでよかったような感がある。
しかし豪華ゲストの犯人ぶりは見事である。
特に終盤の彼等と古畑との駆け引きはワクワクさせられる。
そして毎回、いつのまにか古畑より犯人を応援している自分自身がいるのである。
この感覚は第1シリーズから感じていたことだが、勧善懲悪が絶対のメディアの中で
悪人であるはずの犯人よりに立って見てしまうようなドラマは
後にも先にもこの「古畑任三郎」だけでは無いだろうか。
前シリーズに比べてマイナス点の多い第3部とはいえ、
このドラマは、やはり歴史に残る名作である。