さよならは 言わない
とても切なく、深く、広がりのあるバラードです。
どうして、こんなに小田さんの歌は心に入っていくのでしょう。
私が思うに“小田和正という人間は決してぶれない”からだと思います。
誇りを持って信念を貫き続ける生き方が、彼の歌の中に凝縮されているから
聴く人達の心を打つんだと、そう思います。
“さよならは 言わない”というタイトルは、61歳の小田さんの言葉だからこそ
重みがあり、心にズシッときます。
“ずっと楽しかったね”というフレーズには、「人生は、けっこう悪くないよ!」という
小田さん流のメッセージが込められているようで、温かさを感じます。
ジャケットには、ちょっと舌をだして、にこやかに笑っている小田さんがいます。
でも、その笑顔の裏には、大きな荷物を一生懸命背負って、ずっと歩き続けている
小田さんの姿が隠されているようで、切なくもあり、拍手を送りたい気持ちで一杯です。
ツレがうつになりまして。 スタンダード・エディション [DVD]
原作は読んでいませんが、私は妻と劇場へ見に行きました。
出演者の怪演が面白く、脇役も存在感のある方々で良いバランスです。
脚本も演出も良かった。
心因性の鬱病の症状は省略が有りつつもリアルです。
鬱病を真面目に描きつつも、少しオーバーアクション気味な「ウツあるあるコント」っぽい
演出がされている部分も良いバランスで散りばめられているし、ついもらい泣きしてしまう
部分も有り、エンタメとしても充分楽しめます。
そして、宮崎あおい演じる主人公が「いわゆる自由人」で、それがこの物語のスパイスと
なり面白くしてくれています。
その自由人の妻と鬱病の夫のお話という部分が、一般の鬱病の方にとって症状回復の
参考にはならなさそうではありますが、夫婦の絆の描かれ方が心地よいので、そこが
治療への糧になってくれれば良いのだけど、と思いました。
あと、鬱病の方が観るよりも、支えている立場の方がグサリと来る部分が多くあるのでは
ないでしょうか。
物語の終盤になっての、社会復帰(仕事を始める)のプロセスだけは、一般の鬱病の方
には真似が出来ない事なので、私は少々シラケ始めました。
しかし、夫婦や隣人とまた違った人達との関わりの中で、最後の最後に小さなサプライズ
があり、まるで第三者の代弁を聴いたかのような気持ちになり、胸が熱くなりました。
私も世の中の様々な方々に幅広く観てもらい、鬱病に対する理解が少しだけでも良いから
深まって、偏見が無くなっていってくれればと願っています。
津軽百年食堂(初回限定生産・DVD2枚組)
一見変哲のない大衆食堂にエピソードを拾ったお話だ。オリエンタルラジオの二人の好演が光っただけでなく、三代目大森哲夫を演じた伊武雅刀が素晴らしい。東北人の土性っ骨を、男親のからりとした息子への愛情を、そして自分が誇りとする蕎麦へのこだわりを、主役級の活躍で魅せる。哲夫の息子で東京に出たものの、定職につけない陽一が哲夫の交通事故をきっかけに弘前に帰ってくる。祖母の願いを入れて蕎麦屋を再開する陽一。短期のつもりで始めた蕎麦屋だったが、故郷弘前での暮らしの中で陽一は都会で磨り減らした何かを取り戻していく。そしてもう一人。カメラマンを目指しながらまだ迷いのある筒井七海、偶然陽一と知り合った彼女もある事件をきっかけに弘前に帰ってくる。郷土を愛し、郷土に誇りを持つ社会に回帰した二人は馴染みの景色、馴染みの顔と出会いながら、生きるエネルギーを取り戻し、それまで曖昧だった自分の立ち位置を踏み固めていく。東北青森の「地縁」の底力、続いてきたものを守ってゆこうという意気込みが、我々が心の奥に仕舞いこんでしまった古い魂を震わせる。この作品、幕間もうまい。作品に挟み込んだ岩木山の映像がとても印象的、原風景の意味と重さが味わいを補強する。ありふれた暮らしをありのまま撮ったような作品だが、見終わったとき、満足感がじわり湧き上がる好作品だ。
ツレがうつになりまして。 プレミアム・エディション [DVD]
発売前ですが書き込みます。
私はこの映画を劇場で2回観ました。
それくらいおもしろいし、いい映画です。
ちょっと脳天気で明るい妻の宮崎あおいと
うつになってしまう几帳面な夫の堺雅人が
じつに好演技でまるで本当の夫婦のようです。
また劇中で描かれるうつ病の描写も
私の知り合いの精神科医がお墨付きを出すほど正確です。
さらに原作ではもっぱら夫婦間のやりとりのみだったのが、
夫(堺雅人)以外のうつ病患者も登場して
うつにはいろんなタイプがあることも描写されてます。
宮崎あおい・堺雅人ファンにはもちろん
「うつってなんだろう?」という疑問をもった方にもおすすめの1本です。
ライフ オン ザ ロングボード [DVD]
この作品はまずタイトルに目を惹かれ、ストーリーと大杉漣主演の映画ということで迷わず予約、購入しました。何より種子島での波乗りシーンもふんだんに盛り込まれているのも魅力の1つでした。劇場公開版を見逃していたので一気に通して観てしまいました。笑って、涙して、大いに考えさせられました。主人公の米倉一雄と自分が多少オーバーラップして見えたからです。自分も早期退職で会社を辞めたばかりで今は大好きなサーフィンに没頭しています。主人公の一雄ちゃんと違うところは年齢はまだ50歳。妻は健在。サーフィン歴は25年になるが種子島にはまだ行ったことがない・・・。(行ってみたい!) ストーリーは定年退職したフツーのさえないオヤジがなぜ種子島でサーフィンにハマるのか?が回想シーンで明らかになり、分かりやすい展開になっていてぐいぐい引き込まれる。サーフショップ・オリジンや民宿美春荘など実在のお店や登場人物が興味深い。島の人達の温かさが伝わってくるようです。ただ少々難を言えば、サーフシーンはリアリティーはあるがもう少しこだわって欲しい部分とか・・・もうひと工夫欲しいと思う反面、水中でのカメラワークなど撮影にはかなり苦労したんだろうな〜などと余計な心配などもしてしまいました。ここでは書ききれないほどのいろんな思いも総合して☆☆☆☆☆(星5つ)です。
団塊の世代の退職問題なども控えていますがそんなオヤジたちには勿論のことですが年齢、性別を超えて観て欲しい作品です。単なるサーフィン映画ではありませんよ!オススメです!!