すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)
テレビに出演しても、おおよそAV女優らしからぬ雰囲気の森下くるみさん。なんというか、タレントにありがちな自分を売り込もうというしたたかさが全くもって感じられない。それが彼女の魅力でもあるのだが。
そんな彼女の処女作がこの本である。父親とのこと、恋愛のこと、AVのことなどが、淡々と綴られている。恐らく、彼女はとても頭が切れる人である。世の中や人間の実存への洞察は、なかなか鋭い。文章には拙い部分もあるが、それさえもしかしたら彼女なりのセルフプロデュースなのかもしれないと思わせる力が、彼女には秘められている。現在は小説も執筆中とのこと。彼女の本領は、この小説で発揮されるのかもしれない。
恋の罪 [DVD]
面白い場面は多々あります
色々笑わせていただきました
特に上品に口汚いおばあちゃんが最高です
僕が女優賞をあげるとしたら
主役三人よりこのおばあちゃん
ただこの映画
長過ぎです
内容がたいしてないわりに
どうでもいい長い場面も多くて
前半、特にダレます
監督さんはカットできない性分なんでしょうか
必要最小限にカットして90分ぐらいにまめてあったら
評価はぐんと上がったと思います
残念
絵ロ本。
元AV女優の立花里子(リコピン)の書いた。処女エッセイ本『絵ロ本』これは面白いです。ブログで掲載されていた頃から見ていたのですが、キュートな絵ごころ、面白い話展開といい、才能を感じさせる作品となっております。
すべては「裸になる」から始まって
現役AV女優による初の長編書き下ろし。ポルノ小説でもなければ、赤裸々な実生活を綴った衝撃本の類でもない。敢えて言えば、自伝風なのだが、ゴーストライター氏による手際のよい内幕暴露モノでもない。
ジャンルを特定するのは難しい。
「森下くるみ」は、今もWeb上でブログを公開している。「絵日記」という名称で2002年6月から2005年12月まで、その後「くるみの間」といる名称で現在に現在に至る。閲覧できるだけでざっと5年近く。数日毎に、わずか数行から、十数行程度の短い日記風の書き物を継続している。その内容は多岐にわたり、文体も、単なる叫び声から、メモ、時には旅行記、音楽紹介、映画紹介、散文詩と多彩、且つ不可解。
独り善がりな独白かと思いきや、ある間合いを取って、明らかに読者を意識して書かれているのだ。「森下くるみ」というブランドを、裏で誰かか操作しているという感覚に捕らわれさえする。我知らず、奇妙なゲームに引き込まれているような感覚にとらわれるのだ。選ばれた言葉、行間、書体、間合いから、「森下くるみ」とは何者か、今何を考え、何を言わんとしているのかを推理する。これは、メーカーの販売戦略なのか。そんな、一種独特の感覚を持ったブログが5年分。一筋縄ではいかない。
この本はそういうおたくな人の為のガイド、いわば攻略本である。一応自伝であるがほんの粗筋でしかない。AVファンには向かないだろう。「くるみファン」であれば納得のいく一冊だと思う。
名前のない女たち最終章~セックスと自殺のあいだで (宝島SUGOI文庫)
私は、AVには出演したことのない一般女性ですが、彼女たちと何が違うの?と言われると、
分からない、と思います。
いつ、「そちら側」にいくか分からない。あるいは、境界線すらない、と思います。
現代社会のひずみの中で、私たちは皆、疲れています。自分を守ることに必死で、
お金を稼ぐことに必死です。
自分の親族や、夫や、子供、そんな、世間から見たらとても狭い範囲の人間を、
守るために、あるいはそれらから受けたトラウマから逃れるために、
さまざまな悲痛さ、残酷さ、異常さを放つ彼女たち。
とても、人間らしいルポルタージュだと思います。
多少、雑誌掲載時のなごりで、読者の興味を引きたいだけの派手な感じの題名や
デザインの下品さもありますが、私が本書から受けたのはとても静かな印象です。
著者の目には、度を越した同情も、嫌悪も、好感情もなく、
淡淡としています。
AV女優の特集だからと言って、裸の写真や卑猥な表現は一切ありません。
あるのは、私たちと変わらない、人間の赤裸々な姿。
作者の前で暴かれた彼女たちの素顔は、とても人間臭いです。