小春日和(インディアン・サマー) (河出文庫―文芸コレクション)
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快適生活研究 (朝日文庫)
「文章教室」「道化師の恋」の桜子や「小春日和」「彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄」の桃子たちにまた会えるなんて!すごいサプライズ。ファンとしては、今年一番の大収穫だ。“目白四部作”とその周辺については、あまり好きだったものだから、もう登場人物と、現実の友人知人の実話エピソードが混乱するほどで、その「続き」が読めるなんて!「タマや」の夏之さんとアレックスが登場した時には、涙が出そうに。かつて夏之さんのつくった帆立缶とコーンとキュウリのマヨあえ手抜きサラダはタマサラダという名で、今やうちの定番だよ。
……と、何度も本棚に駆け寄りつつ読んだ。脳内がマッチョなキモいオヤジたちのリアルさは相変わらずで、作中の建築家が知人に配る印刷物「よゆう通信」の“しゃれた”文章を読みながら、つい何度も「ここ読んで!いるよねーこういう人」と家人を呼びつけてしまうものだから、なかなか読み終わらず、でも、一分でも一秒でも長く読んでいたい。もう、めろめろ。
この小説の中心人物となっている、手紙魔の老嬢アキコさんは、これもまた、いるいる、こういう人はいるよねー、という自己オールオッケーな言動に満ちていて、桃子のおばさんなんかからすると、げっ……という感じの女性なんだけど、読み進むうちに、なんだかかわいいような気がしてくるから不思議。(実際にいたら困った人だと思うが)女は特?それとも多少なりとも自分も似たようなことをしていて、点が甘くなるのか?
中野勉が他人の文章を自分の文章と間違えられて逡巡するラストは、これもファンにはたまらない。桜子と恋人・善彦の“惨めな別れ方”(もらった手紙や当時の日記はシュレッターにかけられて「ピーコック・ストア」のレジ袋に入れて捨てられる!)についても知りたいし、近い将来、桜子が書くであろう「knock,knock!」という小説もぜひ読みたい。ファン魂に火が点いたわ。
目白雑録 3 (朝日文庫)
現在生きておられる作家さんの中でももちろんダントツで1番「言葉」を使用する技術の高い、そしてもっとも質の高い文章を紡ぎだす方、私が個人的感想に纏めるのも非常に恐れ多く感じてしまう作家、金井さんの雑誌「一冊の本」2006年7月〜2009年1月までの連載エッセイをまとめたものです。 とびきり鋭くも、言葉になかなか出来なかった当たり前な事を言葉にしてくれる金井さんの文章は非常に中毒性が高く、止められません。
今回も当然ながらとても鋭くも面白い話しばかりなのです。とくに「ヒデ」の話しは本当に楽しくも頷かされます。またお祭り騒ぎ(ワールドカップだの、オリンピックだの)に対しての普通で冷静な話しは本当に当たり前過ぎて当然なのですが、文字として私個人の目に留まる範囲に(もちろんその狭さに原因があるのでしょうけれど)は金井さんの文章くらいしかまっとうなものが無いので、より重きを感じます。本当はこの人こそ、隔週で何冊か出ているヨーロッパサッカー雑誌(ワールドサッカーマガジン、ワールドサッカーキングだの)に連載を持って欲しいくらいです。本当に「ヒデ」絡みの文章は面白いです。とくにフットボールに興味がある方は是非。
また中原昌也の芥川賞落選についての顛末といいますか騒動をネタに文芸誌が特集しているものについての話しもとても面白く金井さんくらいしか、その土俵(芥川賞の候補者としての立場を受け入れたわけで)にあがったことを指摘するのは至極まともで見逃せない当然のことだと私は感じているので、その辺も公平さというかフェアな部分と辛辣さが気持ちよいです。所詮はニッパチの対策であった「芥川賞・直木賞の創設」事実も変らないし、選考委員の人選についても特に決まりが無いのですから。だからこそ「メッタ斬り」に価値があったのだと思います。
ただ、今回は今までと違って心配なことがあり、それはまず何をおいても金井さんご自身の健康に関することで、網膜剥離からの完治は難しいにしろ、日常生活及び好きな映画やフットボールを気兼ねなく見られる視力を取り戻されますことを祈らずにはいられません。もうひとつは愛猫トラーの死で、こちらは言葉も無いです、ただ、ご冥福を祈ります。
金井さんが引用しながらその文章について様々な批評というか思いを書き綴るこのスタイルのエッセイは是非ずっと続けてもらいたいです。この手法を小説で行った『文章教室』金井 美恵子著を読みたくなる、あるいは『彼女(たち)について知っている二、三の事柄』のボツ原稿のくだりを読み返したくなる洗練された文章、日本語を扱う人にオススメ致します。私は個人的に大好きです。
ちなみに村上 春樹さんへの文章への批評をこれほど短くも的確に表現されると、スゴイです。
引用
いつもの、弱い立場にいる自分に読者の共感が集まるようなタッチの文章
鋭すぎる!!!!
日々のあれこれ 目白雑録4
今回も時事ネタを扱ったものが多い(雑録ですので当然ですね)のですが、言葉の扱いの正確さと上手さが、そして物事に対する考え方の鋭さが、真摯で良いと常々思ってます。金井さんのエッセイの帯にはいつも辛辣、とか辛口エッセイとか、意地悪な、という言葉で形容されているのですが、個人的にはただ単にストレートなだけではないか?と思います。まっとうな感覚の持ち主なのではないか?と感じるだけです。
サザエさんのとある一コマから堀口大學、矢作俊彦著「悲劇週間」を経て文芸時評や文学を取り巻く世界の鈍さについて語られ(この繋ぎが最高!)たり、現代アートの話しからイスラエル、そして村上春樹のスピーチ「壁と卵」をめぐる内田樹の慌てっぷりと結局のところどこか白けるスピーチ(陳腐)を扱う周辺について、ジャーナリスト(金井さん風にするならジャーナリストの上に点をいちいち打ちたい)鳥越俊太郎(を評して「どこの地方とも知れない抜けないナマリが誠実そう、というキャラ」という文章を差し込む!上手い!)のあざとさを指摘、などなど、まっとうな意見で心地よいです。言葉を正確に操ることの重要性に襟を正したくなります。もしくは整合性というここ日本では忘れ去られ易いものの重要性を改めて認識させられます。
文学と映画について、あるいはその周辺のことについて取り上げられることが多くて面白かったです。特に大岡昇平氏と藤枝静男氏の目にまつわる話しには考えさせられる部分が多かったですし、非常に面白く、また、この話しを春日武彦先生はどう思うのか?が気になったりしました。
のりピーの覚醒剤事件についての報道からヒロポン(はギリシャ語の「楽しい+仕事」をかけた造語です)を推奨していた時代を含んだ考察は至極ごもっともですし、その報道するアナウンサーに対しての形容がもう膝を打つもので素晴らしかったです。
そして、いろいろなモノが繋がる楽しさ、とも言うべきものがあって、金井さんが矢作俊彦氏や吉行淳之介氏(の作品や人柄)に対しての言及もかなりいろいろな意味で面白かったです、矢作さんの日記の話しは笑えます。いや、本当に凄い日記ですし、編集者の酷さと、それを文章にするテクニックが素晴らしく、尚且つ金井さんの指摘も笑えて最高でした。 文章の鋭さ、という意味においては矢作さんも金井さんと似ていると思いますし、素晴らしいです。
最後の方の『「W杯日本惜敗」でも「日本中が一体感」』は笑えます。私個人ははこういう『一体感』が気持ち悪く感じます。
金井 美恵子さんの文章が好きな方にオススメ致します。
文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)
金井美恵子は「頭が良くて意地悪」とは高橋源一郎の言葉だけれど、その評にふさわしく、彼女の作品は辛らつなユーモアにあふれている。
文章教室に通う主婦絵真、その娘桜子(サラ)を軸に描かれる人間模様は、掛け値なしで面白い。もしも文学や文芸批評を好きであればなおさらのこと、楽しめる仕掛けも隠されている。デイヴィッド・ロッジを楽しめるのだったら、日本の文学は金井美恵子で楽しんで見ると良いかもしれない。