よろづ情ノ字 薬種控
花村さん久々のおもしろお色気小説です・・・・
最近妙にくだらない本ばかり買わされていた花村ファンとしては
満足のできる物語でした。
今回の主人公は「情ノ字」っていう粋なお兄さん
生業がまた変わっていて女性に関するよろず屋さんで
避妊堕胎から女性の病に関する薬を扱うと思えば秘具性具まで
幅広く扱う大人の物語にぴったりの男です。
時代背景が五代将軍綱吉の時代で
殆どの時代物は悪者扱いの綱吉ですが、この小説では真逆に描かれてます
稀代の悪法生類憐みの令を逆手にとって動物愛護の観点から書いてます
主人公の情ノ字は何故か?犬好きで野良犬を集めては餌を与える
心優しいエロ事師なのですが、犬つながりで綱吉さんの登場に相成ります
お決まりのエロも満載で厭らしいだけでは無くて品が良いように
今回の小説では感じました。
皆月 デラックス版 [DVD]
吉本多香美がなんといっても素晴らしい。
まじめだけがとりえのような勤め人の男が、妻の蒸発から一気に落ちてゆく物語。
失意の男を義弟が世話を焼くのが面白い。義弟が男に女をあてがう。その女を吉本多香美が演じている。
XX ダブルエックス 美しき狩人 [DVD]
撮影が1979年の9月から11月ということだから、マックィーンが50歳で癌で亡くなる1年前。日本公開は死の1ヶ月後。まさに人生最後の瞬間に撮られた映画になる。マックィーンは、上昇志向が強く、完璧な"強いヒーロー”にとことんこだわった俳優であった。そのために数々のスタンドプレイや騒ぎも起こした。しかし、彼が人生の最後に選んだ"ヒーロー”、ラルフ・ソーソンはずいぶん人間味豊かでスローなヒーローである。冒頭の縦列駐車ができないところからおかしいが、ぼろぼろのレンタカーを返しに行くときのとぼけた風情や、バック・ロジャースのおもちゃを熱心に集めている様子など、妙に肩の力が抜けている。トラクターのカーチェイスやシカゴ地下鉄のアクションなど、強いヒーローぶりも健在ながら、余裕というか遊びというかいい意味での”ゆるさ”がある。また、家に帰ると臨月の恋人がいるのだが、結婚して父親になるということに踏ん切りが付いていない様子がおかしい。ラストカットはそういうソーソン/マックィーンの人間味を鮮やかに描き出して素晴らしい。マックィーン自身のファイナルカットとしてもふさわしいものだったと思う。
なで肩の狐 [DVD]
椎名桔平の格好良さが全編に渡りにじみ出ている作品だ。日本のアクション作品の中では異質な雰囲気がフィルム全体から出ている。椎名桔平が演じる「狐」がさらわれた女を助けに行く非常に単純なストーリーなのだが、冒頭の椎名桔平が放つ台詞、助けた女との会話、ラストシーンでの行動、全てにおいて見ている人間に感傷的に何かを語りかけてくる。私もこの作品の狐のような人生(単純に生き方、考え方が少しだけ似ていた)を送った記憶があるため、見終わって後に何とも言い難い不思議な感傷に浸っていた。だが決して大それた事を言っている訳ではなく、映像の中の枯れ果てた雰囲気やモノクロや淡い青の映像など、日本人が造り出す独特のフィルム・ノワール的造りが、この作品の全ての感情を叩き付けている。私はこの作品を見終わった時、何故か涙が流れてきた。何故なのかは私にも未だに分からない。きっと自分でも認識できない感情の何処かに訴えかける何かがあるのだろうか。これからもこの作品は私の感情の中で生き続ける作品になるだろう。
裂
花村さんの作品がすきでよく読んでいます。今回の作品は編集者と作家、作家になろうと作品を応募する才能ある作家の卵の物語です。
今回の作品では1冊の本ができあがるまでの過程やこだわり、それぞれの立場での譲れない一線などがよく判り、作家を目指す人には参考になる作品だと思います。