ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 コレクターズ・エディション [DVD]
面白い映画は、早く終るように感じられる、というがこの映画は違う。 映画が面白いのは胸を張って言えるのだが、三時間どっぷりと映画に浸かっていられ、短く感じられず、映画終了時には物語との別れに寂寥感と、もちろんの満足感も得られる。 最高の映画だ。 ただし、後半の展開は速く、その速さに場面移行が雑に思われることが目立つ。 しかし、それがこちらを混乱させることが無ければ、上がり始めた熱を下げることも無い。 そして、万感のラストへ突っ走る。
三部作の三作目ということもあり、大団円。 それぞれが、それぞれの意思のために、闇の勢力との過酷であり、最後の戦いに身を投じることとなる。その戦いは絶望的ではあるが、絶望では無い。 それは皆が、サムと共に指輪を捨てるための旅を続けるフロドを信じており、隣で共に戦う者を信じているからだろう。
「世界のために」や「未来のために」などといった言葉が出てきそうな場面で、「フロドのために」と言って、敵と向かい合うアラゴルン。 死を覚悟するレゴラスとギムリ。 フロドが背負うもの、その一片でも背負おうとするサム。 何より、フロドが見せてくれた穏やかな笑み。
映画の作品のたいていは記憶に残り、大作は歴史や映画史に残る。 だが、この映画は人生に残っていきそうな、そんな映画だ。
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
日本語版も来年には発売されるとわかっていても、一日でも早く見たくて購入しました。
既に海外サイトなどで第3作の画像が流出していますが、微妙に角度が違ったりしていて面白いです。お気に入りはピピンとメリーvv二人は「ホビットの英雄」として書かれています。大好きなエオゥインの戦う姿、フロドとサムの変装姿も載っています。とても気になったのが最後のページ「フロドの選択」。辛く苦しそうなフロドの画像に・・・・・
最初に「指輪の冒険」で9人の仲間の写真とこれまでのあらすじ。ヘルム峡谷の戦いの画像の後、第3作へと移っていきます。
第1作、第2作の物と比べると人物よりも、国とその情勢や背景、それにまつわる道具などを多く書いている気がしました。(なので☆4つ)アメゴルンやレゴラスなどの写真は少ないです。エオメル・セオデンに関しては裏表紙のみ??ですので映画の場面集として見るには良いかもしれません。
個人的に感激したのが「白の木」!ゴンドールの兵士達の胸に描かれている木の画像がありました!これだけで私に取っては価値のある1冊です。
指輪物語 第3部 王の帰還
一気に一日で?少しずつ数ヶ月で?それぞれ過ごしてきた旅も、とうとう終わり。
『指輪物語』は、トールキンが作り出した3万年の(架空と言ってしまうには惜しい、有史以前の地球のパラレルワールド!?)の歴史の一部に過ぎません。しかし指輪戦争は、それまでの中つ国の歴史を象徴し、背負う、最大のハイライトです。
指輪戦争の終結は、中つ国の自由の再獲得と、指輪の破壊、人間の王国の統一、そして第三紀の終わり。「王の帰還」というタイトル通り、人間の王国が再統一され、我々人間の時代が始まる、という実に壮大な構想。
詳しくは書けませんが、私は指輪の破壊のあたりで、あまりに強烈さに数瞬の間呆然としてしまいました。
そして、トールキンが描きたかったことのかけらでも、ほんのちょっとだけ感じられた気がしました。 失うことを知らずして、人は本当に幸せになることはできないのかもしれません。あえて失う強さ、あえて運命を受け入れ、あえて犠牲を払う勇気。
今の時代、「得る」ことばかりが幸せだと考えがちです。しかし、「得る」ことばかりが幸せではないと、この物語を読んで感じました。失うことで得るものの大きさを。
そして、指輪所持者たちの運命には、彼ら自身がそれを幸せだと感じていてほしい、と祈るような気持ちになりました。何とも余韻ある、胸にしみる幕切れに、感動と同時に、寂しさが募りました。
物語の最後の最後まで知りたい人は、単行本版のみで出ている『追補編』の年表をどうぞ。指輪にかかわった仲間たちのその後が最後まで載っていて、これまた何ともしんみりとします。 物語の収束が、新たな感動とそして寂寥感と共に味わえます。
ページを開けば、またいつでも彼らに会える。 そして、どこかでまだ彼らの物語は続いている、そんな気がします。
新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (評論社文庫)
映画版を先に見てからこちらを読んだのですが、モルドールからホビット庄に戻る途中や戻ってからも様々な事件が起きることに驚きました。映画版ではそれらのエピソードの多くがカットされています。どちらが優れているか悩むところですが、これはどちらも正解だったのではないかと思います。
映画ではモルドールでの出来事をクライマックスに据えることによって大作映画らしいカタルシスを与えるのに成功していますし、原作では全ての登場人物になんらかの決着を与えなければ気が済まないというトールキンの生真面目さがよく表れており、いかにも学者が書いた物語という感じに仕上がっています。
普通は優れた小説の映画版に対する私の感想は「原作は良いが映画はダメ」か「原作を忠実に映像化した良い映画」のどちらかなのですが、本作については珍しく「原作を大幅にカットしているが、そのカットが成功」という感想を持ちました。映画版を見た人はぜひ原作も読んで比べてみて下さい。9冊読み通すのは大変ですが。
カラー新版 指輪物語 全3巻 ― 旅の仲間/二つの塔/王の帰還
全3巻。トールキン生誕100年を記念してアラン・リーの挿絵の入った豪華版。画集としても是非手元に置いておきたい美しい本ですが、持ち歩きにも手軽な参照にもちょっと不便です。持ち帰るのは大変重いので、オンラインで買うのが宜しいかと。