UN-GO 第2巻 初回限定生産版Blu-ray
UN-GO第二巻、収録されるのは3話・4話・5話の三編です。
個人的に3話「覆面屋敷」は、UN-GOの舞台設定は近未来なのに作劇が殆ど明治・大正ちっくな屋敷の中で行われ、住人が奇怪な覆面を被り、それがトリックのキモになる、など犬神家を彷彿とさせる(実際犬神家より安吾の復員殺人が先だそうですが)造りで気に入ってます。
4話目ではこのアニメの見所の一つである超高性能AI佐々風守が参戦。彼女の便利機能で新十郎の捜査は円滑に!加えてコメディも萌えも電気ショックも何でもござれ!(笑)と、かなり今後の物語にアクセントが加わります。
5話は新十郎まさかの空振り。先入観で犯人を決め付け見事大失敗。世話焼きなお嬢様からは(物理的にも)手厳しい発破がかかり、早速風守に励まして(?)貰ったりと本当に女性運に恵まれてますよね、新十郎。本心で言ってますよ?
この巻では、
「人は正しいことを愛する生き物なんだ!」
「戦争に美談なんてない!」
など、新十郎の思想、というか根幹に触れる描写があり、彼のあまりに純粋な心が物語を更に深くしていっていると思います。
ちなみに、3、4話は続き物。殺された覆面男と殺した犯人は誰なのか!?
5話は一話完結。銅像に押し込められた二人の他殺体の謎を解け! といった感じです。
例によって、ですが、本格的なトリックには期待せず、犯人の悲しい動機と世間にあてがわれる「美しい結末」に想いをはせましょう。本作は人間と見分けがつかないロボットがいる世界観です。
今回新十郎の台詞に引用されてる安吾作品は、「デカダン文学論」「戦争論」「特攻隊に捧ぐ」です。安吾ファンの方は探してみると更にお楽しみ頂けるかも。
特典サウンドドラマは一話に引き続き、頭がおかしい(誉め言葉)ギャグストーリーが展開します。世界観崩壊とか気になる方は若干ご注意を。
小川の辺 【初回限定版】 [DVD]
「脱藩した佐久間を討て」、お上の命令は妹の夫を討つことであった。非情な上意に悩む戌井家。剣術の手錬の使い手であったがゆえに妹田鶴の夫を討たねばならなくなった兄朔之助。そしてその宿命の家中に仕える奉公人新蔵、幼年期を一緒に暮らした三人がどういった行動をとるのか。赤の他人ではない、それも三人という不安定な数が物語への期待を膨らませる。自分で撒いた騒動の種を家中の人間に皺寄せすることでしか解決できない藩中枢への批判をさらりと描き、どこか理不尽にも思える藩命にしぶしぶ応ぜざるを得ない戌井家の状況は現代社会となんら変わることがない。観客はいつのまにか作品と同じ時間軸、環境に自分がいることに気づくことだろう。朔之助を演じる東山紀之は時代劇を堂々演じられる俳優が少なくなってきた中安心して見ていられる一人。いたずらに感情を外に出さない抑えた演技が嫡男の重みと抱えた苦悩の重さを物語る。彼が吐く「ゆっくり参ろう」という言葉はその裏に隠れたあらゆるものをイメージさせる名文句、名シーンだ。距離的にも時間的にも長い旅を続ける朔之助は、途中川で遊ぶ子供らに自分が子供の頃、田鶴や新蔵らとで経験したあるエピソードを記憶に蘇らせる。小川の辺、作品の題はこんなあたりに由来するのだが、これ以後をここで語ってしまうのは無粋。残念だが内緒にしておこう。
カリギュラ [DVD]
昨年シアターコクーンでの「カリギュラ」は、
観ることができなかったので、WOWOWでの
放映を観ました。3時間という長い上演時間
でしたが、登場する場面から、カリギュラ(小
栗旬)は、大きな存在感を放っていました。
繊細かつ大胆な演技。今までの舞台もDVD
で観ましたが、舞台を重ねる度に、演技が「進
化」しているなあと思いました。残虐な行為
を繰り返すカリギュラのふと見える「孤独」が
悲しくて、思わず涙・・・カリギュラの役に
かなり入り込んでいて、とりつかれているか
ようなその演技は、カリギュラそのもので、
舞台人としての小栗旬さんが、すばらしかっ
たです。脇を固める横田さん・若村さん・勝地
さん・長谷川さんのすばらしい演技にも支えら
れ、このようにすばらしい舞台になったと思い
ます。
本当に生の舞台が観たかった・・・・・
もっと何度もじっくり観たくて、DVDを予約しま
した。特典映像も含めて、届くのが待ち遠しいです。