Thick As a Brick
多分この作品、「小難しそう」「面白そうなんだけど、ちょっとなあ…」と
手を出しかねているロック・ファンは少なくないと思います。無理もない話です。
CD一枚を通して全一曲という大作だし、8歳の少年が書いた詩に曲をつけたという伝説が
実はネタだったという人を食ったエピソードも普通じゃありませんから。
だけど少しでも興味がおありなら、騙されたと思って聴いてみて下さい。
英国フォークありハード・ロックありドラム・ソロあり、
フルートが大音量のギターと互角に渡り合うかと思えば
子守唄みたいに静かで叙情的なパートも飛び出して、一瞬の退屈も感じません。
「え?もう終わったの?」聴き終わった時には思わずそう呟いてしまうと思います。
イアン・アンダーソン(リーダー)のじじ臭いヴォーカルも慣れてしまえばかわいいものです。
もっともこの人、何から何までじじ臭いのですが。
何より凄いのは、アイデアとテクニックの展覧会のような凄まじい内容なのに
聴いている内になぜか「こいつらバカじゃねーか!?」と思わず吹き出しちゃうこと。
そうなんです。天才が力一杯バカなことをやると、こんな風になるんです。
バカがバカをやってもつまんないけど、天才がバカをやるとむちゃくちゃ面白いんです。
そもそも、これだけの力作でありながら冒頭でいきなり「これを終わりまで聞かなくても、いっこうにかまわない」
(対訳:イーリファー・コダマ/UNICUL)なんて歌っちゃうんですから人を食うにも程があります。
あ、念のためお断りを。私、ボーナス・トラックは基本的に無視しちゃうので
このレビューは本編のパート1・パート2にしか触れてません。
A New Day Yesterday 1969-1994 [DVD] [Import]
ファースト・アルバム「日曜日の印象」でプレーをやったミック・アブラハム、クライブ・バンカー、グレン・コーニックとの再会は素晴らしい!当時のビデオを見ながらインタヴューに答える映像は笑えます。また貴重な映像盛り沢山でタル・ファンには言う事なしです。もうちょっと見たいのにインタヴューに入ったりした映像はボーナストラックで再現してくれる心憎い演出も光る!名DVDです。勿論、日本のプレイヤーで見れます!
Aqualung: 40th Anniversary
やっと…マトモな音で聴ける。。。今までカセットみたいなモコモコでウニャウニャな音
だったのが、今回はやっと「普通」になった感じがあります。オルガンやリコーダーなど
今まで埋もれて聴こえなかった音がちゃんと聴こえる!すばらしいです!!!
Jack in the Green: Live in Germany [DVD] [Import]
国内盤が発売されましたが、あまりの価格差に驚き、輸入盤を購入してしまいました。
不安だったリージョンコードはALLだったので、通常のDVDプレーヤーにて再生可能でした。
日本語字幕はないですが、演奏シーンばかりないので問題ないです。
画質・音質についてもテレビ放送用のソースなので、特に不満はないです。
強いて不満を言えば、ジャケットデザインだけです。
Live at Madison Square Garden 1978 [DVD] [Import]
1978年と言えばパンクやニューウェイブの台頭でプログレが衰退した時期ですが、素晴らしいライブです。
テレビ放送用ということもあり、映像は当時のものとしては十分です。コンサートの一部(途中から途中まで)を放送用に収録したようなので、最初の3曲は収録前の音声のみで静止画像が出ています。4曲目から収録開始で、いかにもコンサートが始まったかのような、ある意味やらせのオープニングみたいです。
放送終了間近のLocomotive Breathで最高のノリになったところで、放送用のエンディングロールが出てきてどうなるか不安になります。ピアノソロの静かな展開になり、「GOOD NIGHT!!!」の字幕。再度盛り上がった演奏が始まり、いつまで続くか不安なうちに、画面が暗くなり静止画像に再度バトンタッチです。嬉しいような悔しいような複雑な気持ちで、素晴らしい演奏を聴き続けることができます。
DVDのメニューから、放送用の部分(Play Video Only)だけを選択することもできます。静止画なしでコンサート映像を見ることができるのですが、エンディングは画面が暗くなったと思ったら音声がブツリと途切れて終了になります。あまり意味のない選択で、フラストレーションが溜まります。
何故か、音声については異常に高いクオリティです。
まぁ、70年代の映像に飢えているので、総合的には☆5個にせざるを得ませんね。