パンプキン・シザーズ Lady of Scissors編 Vol.3〈初回限定版〉 [DVD]
岩永亮太郎原作・月刊少年マガジン連載の
「パンプキン・シザーズ」TVアニメの第19〜21話までを収録したDVD7巻です。
アリス少尉の第十三貴族としての視点から、
帝国社会の理不尽さを今まで以上に掘り込んで描いています。
Episode:19「甘い罠」★★★★★
貴族達の舞踏会へアリスを放り込むことで、貧富の差とその価値観の認識の違いを
白黒、見事に描き出しています。食糧配給に頼る貧民だが心は温かく、懐は暖かい貴族だが心は寒い。
金銭感覚や育ちの違いによる人間性まできっちり隔てた描写に感心します。
他人のことをまず最初に考えられる彼女や、その彼女の真意を捉え成長する彼など
きめ細かな人間描写も冴え渡る見所の多い名エピソードです。
Episode:20「演者入場」★★★★★
舞踏会襲撃と横領の証拠を軸に、揺れる正義の命題を視聴者に投げ掛けています。
貧富の格差を黙認してしまう社会体制の堕落に加え、貴族と帝国軍の影に潜む
断ち切れぬ腐敗など闇に沈みきった戦災の時代背景が多角的に次々と展開され目が離せません。
それでも、最後に手袋を投げつけるアリス少尉の解りやすい正義のアナクロさに
スカっとさせられ、しこりを残さないのがいい感じです。
Episode:21「木偶(でく)と偶像」★★★★☆
正義の在り方に惑い怯えるオーランド伍長の矮小さと、正義の有様を愚直に貫かんとする
アリス少尉の意思の強さ、二人の対極の描写が唸ります。
突然の決闘の舞台もとい舞踏会内で苛立ち続ける平民の憤り、この惨事の引き金も
じわじわ描かれ、事態の混迷と緊張感を高めています。まぁそれはともかくアリスの
任侠役者っぷりがいい感じです。ドレスを着こなしても、その中身の勇ましさは微塵も曇らず。
憂鬱な展開に渇をいれるような格好良さに惚れました。
Pumpkin Scissors(13) (KCデラックス)
ストーリーが進んでいないようで進んでいる巻。
進んでいないように見えるのはキャラクターが増えすぎたせいだろう。
このキャラたちが群像劇的に一つの方向へまとまると確実に面白くなる。
ただあんまりにも膨らませすぎると畳むのに苦労するので、きちんと今のうちから整理しましょう(笑)
次巻以降期待しています。
パンプキン・シザーズ Men of Pumpkin 編 Vol.1 (初回限定生産) [DVD]
パンプキンシザーズという戦災復興部隊に焦点を当てた話。ぱっと見重たそうなテーマだけど見てみるとそんなにでもなくて、楽しく見られます。部隊を率いる貴族のお嬢様である主人公アリスのがんばる姿がすごくいい!
また、シリアスな感じの高橋洋子さんの歌うオープニングも作品にあってるし、キャストの歌っているエンディングもおもしろい曲で作品の重さをうまく緩和してていい感じ!
原作ファンもそうでない方も一見のかちありです。
Pumpkin Scissors(16) (KCデラックス)
「不可視の9番」「901ATT」「カウプラン機関」「ランタン」…
今まで断片的に語られてきた情報が有機的に結びつき、謎が解き明かされる巻です。
前半の見所は、ミュゼが語る「カウプランの狂気」。
・『「不可視の9番」は本当に戦争に勝つために作られた部隊なのか?』
・『カウプランはただの人間だった』
・『今は私がカウプランよ』
これまでの疑問や意味深なセリフに対する答えが語られます。
…ミュゼの教授に対する屈折した想いがおっかないと同時に切なくもあります。
後半は、パンプキンシザースを基点に反撃の狼煙が上がるところまで描かれています。
見所は、
・亡国の再興に取り付かれた侍女へレン
・ステッキンに嫉妬するカワユイ情報部長副官
・「戦車の父」を演じ続けなければならなかったコルトゥ博士
・「医療のカウプラン」ミュゼ
・「白薔薇」を装備したアリス
といったところでしょうか。
副官が男の子なのか女の子なのかでニヤニヤ度が変わるかも知れません(笑)
今巻は説明回が長かったので、物語的にはあまり動きがありませんでしたが、
次巻からは主人公サイドの反撃が始まりそうなので今から楽しみです。
願わくば刊行ペースがもう少し早いと嬉しいのですが…
パンプキン・シザーズ Men of Pumpkin 編 Vol.2 (初回限定生産) [DVD]
このシリーズ大好き人間の一人ですが、今作品も期待大ですね。今作品には三話「ヒビ割れた肖像」「あさはかな者達」「豊穣な時間」が収録されているそうです。前の二話は原作にも描かれています(もちろんアニメオリジナルの部分もあります)が、三話目はアニメオリジナルの話です。今回はアリスやオーランド伍長はもちろんですが、マーチスやオレルドが頑張ります。二人のファンは必見でしょう。他部署に「お気楽三課」と馬鹿にされながらも構うことなく己が道を突き進む彼らの、信念に満ちた歩みを是非味わって欲しいと思います。