『黒いオルフェ』を探して-ブラジル音楽をめぐる旅- [DVD]
ヌーベル・バーグの隆盛に際し、黒いブラジルを革新的に描いた傑作!
なんてことは全く知らずに観た「黒いオルフェ」・・・。
上品で誠実な悲恋になんだかとてもやられました。
そんな映画撮影地を関係者が振り返り、当時と今を描き出す試みのドキュメント。
期待しすぎの反面、がっかりするかと恐れていましたが、とても良い映画でした。
民衆のヒーロー「オルフェ」はいつの時代にも現れるというコメントに対比されたセウ・ジョルジ・・・。
改めてますます好きになりました。
Clube Da Esquina
まず、ジャケットがそそる。有刺鉄線の下に座る二人の少年。黒人と白人。粗末な身なり。聴いてみたくなる。
白人の両親のもとで養子として育てられた。そんな背景も意味があるのか。
1972年作。3作目。Jazz、Rock、Folk、Bluesを消化して、ブラジル風味で見事に昇華した。何とも豊穣な実り豊かな音楽。
アコースティックな肌触りが印象に残るが、アルバム後半はかなりRock色も強い。なんと言っても、この声。透明感あり、そして力強く、説得力大。
繊細かつおおらかなアレンジ。計算づくではなく、感性の鋭さ。そして音楽に向かう姿勢。自然で、真摯。音楽とは神聖なものである、そしてそれを生み出す才能は神から預かったものである。分かち合いたい。そんな気持ちが伝わってくる。名盤。