キングを探せ (特別書き下ろし)
たまたま知り合った4人の人物が交換殺人をするという話。
最初の殺人は緊迫感があって、読んでて非常に興奮しました。
が、そのあとの展開は、犯人がボロをだしてしまいそこからずるずると
いってしまう感じでちょっと拍子抜けしました。
たしかに主人公の推理が光る内容ではあるのですが、最後にカタルシスがなく、
あっけなく終わってしまったのが残念でした。
あっといわせるトリックかどうかも人によって評価がわかれるかも。
犯罪ホロスコープ〈1〉六人の女王の問題 (光文社文庫)
冒頭に、ある星座に関わる物語が紹介される。
それは、まったくオリジナルの神話通りなのだけど、その後に繰り広げられる殺人劇の何かをどことなく暗示していたり・・と、凝った作り。
だが、正直なところ、いきなり馴染みのない話が出てくるので、「訳のわからん神話はいいから、さっさとお話しに入ってくれ」と思わないでも無い。
エラリークイーンにならって、こうした連作をすることにしたらしいが、無理やり星座に絡めなくても、という作品もあるように思う。
とはいえ、作者らしい展開やトリックなど、推理小説としての読み応えは充分であることは言うまでもない。
犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (カッパ・ノベルス)
''1から足掛け9年、正直なところ''1はあまり感心した記憶がなく、そもそもほとんど内容を忘れてしまっているのが現状だが、
今回ようやく上梓された''2は文句なしの傑作で、全のりりん作品の中でも上位に位置する出来だと思う。
多少ややこしすぎる作品が多いのが難だが、ミステリとしての論理性、意外性いずれをとっても抜群の出来であった。
特に前半の3篇は絶品と言っていいと思う。
今年はもう2作出してくれる予定とのことで、寡作な作者だが、次作が今から大いに楽しみだ。