ニール・ヤング/ハート・オブ・ゴールド ~孤独の旅路~ [DVD]
アルバム「プレイリーウィンド」発売後にナッシュビルのライマンオーディトリアムというホールで2日間に渡って収録されたコンサートを映画化したもので監督は「羊達の沈黙」のジョナサンデミです。カントリーの殿堂と言われているその劇場でニールは「プレーリーウィンド」から全曲、「ハーベスト」「カムズアタイム」「ハーベストムーン」から名曲をバランス良く演奏してくれています。内容はすこぶるよく曲を追うごとにその美しい音楽に引き込まれてしまい、ニールが涙ぐみながら歌う「ONE OF THESE DAYS」にもらい泣きです。エミルーハリスも加わる大所帯バンドを従えている姿はかって「カムズアタイム」に合わせたツアーで「GONE WITH THE WIND」なる大所帯バンドと演奏したコンサートを目の当たりにした錯覚すら覚えます。ボーナスで1971年のジョニーキャッシュショーに出演した際のTVライブ「ダメージダン」も付いています。残念ながらリージョン1の為、通常の国産DVDプレイヤーでは見れません。
ニール・ヤング自伝I
「音楽の音質の置かれている現状が、わたしには気に入らない。深みやフィーリングはほぼ消え失せ、聴いても必要なものが得られなくなったせいで、音楽は滅びつつある」(第1章)
「わざわざ吹聴するようなことじゃないが、最近、ハッパと酒を止めた」(第2章)
「あのバンド(クレイジー・ホース)はわたしにとって、ほかでは行けない宇宙的な場所に連れていってくれる乗り物だ」(第2章)
「スティーブン(スティルス)は天才だ」(第8章)
「ステージに立つのは孤独な仕事だ。・・・(中略)クレイジー・ホースとの次のツアーでは、新曲をやらないかぎり、自分が歴史の遺物になった気がしてしまうだろう」(第11章)
「それ(音楽)は、五感を襲う嵐、魂に吹きつける風雨であり、深い上にも深く、広い上にも広い。見たり聞いたりする以上に、感じるべきものなのだ」(第19章)
「アメリカ政府はまだ、オハイオで斃れた4人の遺族に謝罪していない」(第33章)
今までまともにインタビューも読んだ記憶がない、ニール・ヤングの長編自伝。
とても語り口が良く読みやすいし、長大なキャリアを持ち計り知れない紆余曲折を経験しながら、あくまでその姿勢は前向きだ。
しかも現代と過去を自在に行き来するから、読み飽きない構成になっていると思う。
あなたはニール・ヤングが好きか?YES.OK!!!(これ読まなくてどうする)
あなたはロック・ファンか?YES.OK!!(ロックの伝説が語られているよ)
あなたは読書が好きか?YES.OK!(70年代前後のアメリカの空気をロックを通じて感じ取れるだろう)
2巻がとても楽しみだ!
アルバム「プレイリーウィンド」発売後にナッシュビルのライマンオーディトリアムというホールで2日間に渡って収録されたコンサートを映画化したもので監督は「羊達の沈黙」のジョナサンデミです。カントリーの殿堂と言われているその劇場でニールは「プレーリーウィンド」から全曲、「ハーベスト」「カムズアタイム」「ハーベストムーン」から名曲をバランス良く演奏してくれています。内容はすこぶるよく曲を追うごとにその美しい音楽に引き込まれてしまい、ニールが涙ぐみながら歌う「ONE OF THESE DAYS」にもらい泣きです。エミルーハリスも加わる大所帯バンドを従えている姿はかって「カムズアタイム」に合わせたツアーで「GONE WITH THE WIND」なる大所帯バンドと演奏したコンサートを目の当たりにした錯覚すら覚えます。ボーナスで1971年のジョニーキャッシュショーに出演した際のTVライブ「ダメージダン」も付いています。残念ながらリージョン1の為、通常の国産DVDプレイヤーでは見れません。
サイケデリック・ピル
「音楽は最も抽象的な表現である。宇宙へ優れた音楽家を連れて行って、作った曲を聴けば宇宙を一瞬で理解できる」という小松左京の話を聴いた事がある。大好きな話だ。
巨大なキャリアを持つが、大御所的なもったいぶり感は微塵も無く、新作を発表し続けるニール・ヤングである。
素晴らしい「アメリカーナ」に続く今作はクレイジー・ホースとの新曲ばかりの2枚組みで、こちらもとんでもなく素晴らしい!!
詩は、自伝的なものが多い(本との関連だろうか)が、そのサウンドは上手く言えないが、なにかバイブレーションが透明な幸福感を持っている・・・。
クレイジー・ホースの音はライトな録音のためヘビィで重苦しいことはなく、サウンドもニールの声も若々しい。
そして、歪んで饒舌でストレンジなそのギターは、私に何かを一瞬で理解させてくれるのだ・・・。
個人的には、ディスク2がお気に入りで、特にD2「シーズ・オールウェイズ・ダンシング」(8分33秒)が良い!
マイナー・コードを使った流れるようなコード・ストロークが美しいメロディアスなロックンロール。
そしてD4「ウォーク・ライク・ア・ジャイアント」(16分29秒)のニールのギター!!!
どうやって録音しているのか、スタジオ・ライブ的とよく言われるクレイジー・ホースとの緒作だが、とんでもなくプログレッシブでストレンジなギター・サウンドであり、ぶっ飛んだ。
長尺な曲が多く、ディスク1のD1が27分37秒!(ニール最長記録、関係ないけど昔BUILT TO SPILLのライブで「コルテス・ザ・キラー」20分というのもあったな・・)、同じくディスク1−D3が16分51秒である。
アルバム表題作「サイケデリック・ピル」(幻覚剤)は、フランジャーされたギターが鳴るアルバム・バージョンと思いっきり歪ませたオルタネイト・ミックス(ディスク2−5)が収録されている。
心を開放して、ニール・ヤングと共に旅路に出よう・・・。
ニール自身による曲ごとの短いメッセージがあり、解説、訳詩の付いた日本盤をおすすめする。
以下蛇足。
個人的に、チャン・シュエンの「神的遊戯」と並ぶ、2012年のベスト・アルバム。
Psychedelic Pill
ニールヤングはやはりクレイジーホースが最高!という私のようなファンにはたまらないアルバムではないでしょうか。相変わらず上手いとは言い難い演奏はもはや批評不能な域に達していて(?)、好きか嫌いか、のどちらかでしょうか。一曲目の27分は、さすがに長いような気がしましたがクレイジーホースだからしょうがないかと諦めました(笑)WALK LIKE A GIANT も16分越えますが、これが長いと感じない素晴らしさ、激しくノイズ撒き散らして歩き去っていく余韻が圧巻。ライヴの新たな定番曲になるかも? なお、仕様はお馴染みの紙ジャケです。ブックレットはアメリカーナ同様に小さいので、中年には読みにくいです(汗)Driftin'Backの中でWhen you hear my song now, you only get 5% ,you used to get it all now ,you used to feel it all と歌っているのは、おそらくダウンロードして聴く音楽の音質の悪さを皮肉っていると思われます。最近のインタビューで同じようにMP3は音質が悪いと語っていたのをネットで読みました。(私はダウンロードしないので、良く分かりませんが)一方でニールヤングはyoutubeに関しては、かつてのラジオの役割を果たしている、と寛大な態度です。
(追記)音質低下への怒りについては発売されたばかりの自伝にも書いてありました。