クラフトワーク ロボット時代
~暴露本ですな。これ。メンバー間の確執はどのバンドでもあることだが、ちょっと素直に書き過ぎ? まあ、メインの二人が本気で機械に傾倒している様子はおもしろいし、ステージ上の彼らは、何やっているかわからない感があった、というか本当に演奏しているか不明だったが、意外と生ライブバンドだっったんだなあ、という気がします。彼らが機械だと思って崇~~拝している人は辛いかも...個人的にはバンドの内情もあわせて面白かったです。~
クラフトワーク―「マン・マシーン」とミュージック
アルバム『THE MIX』発表までのクラフトワークの足跡を、彼らの数少ないインタビュー記事や、周囲の人々へのインタビュー等を集め、丹念に描き出した好著である。
曲の解説だけでなく、発表当時の時代背景や当時の音楽界の状況、アルバム製作時に彼らが掲げたコンセプトや製作状況などについても簡潔に解りやすくまとめられており、ディープなファンのみならず、クラフトワーク初心者の方にもお薦めの「ガイドブック」となっている。
またアルバムごとに章が分かれているので、自分の好きなアルバムから順に拾い読みして行くのも面白い。
自分たちのスタジオにこもり、流行やマスコミ、外部のミュージシャン達とも距離を置きつつ独自の音楽を生み出してきた彼らのスタイルやコンセプトは、とても興味深く考えさせられるものがある。ビジネス書的読みも許す懐深い評伝でもある。
訳も簡潔で読みやすい。
本書を読まれる方にはクラフトワークのCDも併せて聴かれることをお薦めする。
Minimum Maximum [DVD] [Import]
自分の手元に届いたものは、NTSCのリージョンフリーでした。普通のDVDプレーヤで視聴可能です。
ただし、これは他の方のレビューにもありましたが、DISK1とDISK2の内容があべこべでした。輸入盤だからまあ仕方ないやという広い心で受け止めましたが、そういうのが気になる方は要注意です。
内容は素晴らしいの一語に尽きます。
貴重なライブ盤との呼び声が高いですが、もうシーケンサを回して同期をとる時代じゃないし、彼らのスタイルではスタジオ録音もライブ演奏も大きな違いがないといえるため、僕にとってこの作品は00年代型リアレンジ・ベスト盤です。KRAFTWERKを聴いたことがない人には「THE MIX」が一番のお勧めだと思っているのですが、「MINIMUM-MAXIMUM」はそれと同じ意味でお勧めです。「THE MIX」を好意的に受け止められる人には最高のパフォーマンスでしょう。
国内盤よりぐっと安く入手できるし、ファンならこれは持っていてもいいものじゃないかと思いますよ。
Kraftwerk: The Catalogue Box Set
アナウンスから5年。忘れた頃にやって来た感のあるクラフトワークのデジタル・リマスターは想像を上回るものになった。心地よい音域の広さと、こんな音入ってたかなと思わせる解像度が兼ね備わった驚異の出来映えは、どこか感触的にビートルズの2009リマスターに似ている。(ビートルズも4年かかってるし、関係あるのかな?)
今回のリマスターで何よりも特筆すべきはS/N比の高さだろう。70年代中期に録音された「アウトバーン」や「放射能」でさえ全くと言って良いほどテープノイズが聴こえない。そのためか音に異様なほど鮮度があり、作品そのものの普遍性をも浮き彫りにしているようだ。その他のアルバムもまさに磨き上げられたといった感じに生まれ変わっているが、意外なことに最新録音であるはずの「ツール・ド・フランス」は中でも際立ってリマスター効果をあげている(リミックスかと思うほどに)。〈90年代テクノ風な感じ〉は払拭され、むしろ「コンピューター・ワールド」の音に近づいたような気がする。若干柔らかくなったとでも言おうか。そして音がクリアになったことで、細部にわたり(空間処理も含めて)一分の隙もなく綿密に曲が構築されていることがはっきりと分るようになった。発表当時はまさかの驚きばかりが先行し、リリースされたことに意義があるように感じられたこの復活作ではあるが、6年後にこのようにじっくりと本腰を入れて聴き入ることになるとはよもや思いもよらなかった。マスタリング技術の飛躍的進歩には驚くばかりだ。
絶対にライブの方がかっこいい。1977年初来日の初公演、中野サンプラザの時も、1998年赤坂BLITZでの突然の来日公演の時も。自らの曲をセルフミックスしてあのコントロールルームのようなステージで繰り広げられる唯一無二のライブ。とにかく「かっこいい」のだが、なにせ音源や映像が全くない為(ブートレック除く。もちろん音は×)パンフや雑誌を読み返し僅かな写真で我慢していた(涙)。そんな中、念願叶ってやっと出たKRAFTWERKのライブDVDがこれだ。VAIO4台がメインで以前の機材に囲まれたステージングでは無いものの、選曲はベストと言えるものだし、背景に写し出される映像も堪能できる。更にマニアにはたまらない映像として手元のアップがある!何をしているのかが客席からは殆ど分からなかったが、VAIOをメインに各メンバーがMIDIキーボードやコントローラーを操作しているショットは思わず感動してしまった(但しフローリアンは最後まで何をやっているか分からないです)。そして、本人達よりロボットの方が動いています(笑)。ファンの方々ならずともテクノポップの王道を脇目も振らずひたすら進んで来た彼等の集大成を御覧下さい。
更に願いが叶うなら、赤坂BLITZの時のライブ映像が見てみたい。幕が締まり「MUSIC NON STOP」とディレイのかかった声が響く中、会場の明かりがついても殆どのお客が残ってアンコールを叫び、公演終了のアナウンスが流れると、歓喜の拍手が沸き上がった、みんながKRAFTWERKを求めていたあの感動的なライブを…。是非とも昔の映像もリリースして下さい。