ミーン・マシーン
発表は1981年。ドイツ屈指の実力派バンドの、後期代表作です。何でもできる器用なバンドだがここではプログレやポップは封印して、何のてらいもない王道HM/HRをプレイしています。ブリティッシュハードのわかりやすいカッコ良さだけを抽出したような会心の出来。
キーボードを効果的に配した、絶妙なアンサンブルを聴かせます。Uriah Heepから出戻った、名ボーカリストと名高いジョン・ロートンの歌は、言うまでもなく最高。方向性はあくまで楽曲重視で、キャッチーでコンパクトな曲が並びます。
1.One Way Street to Heartbreakはオープニングにふさわしい力強い曲。2.Hey Driverはドライヴ感抜群。3.Fire and Rainはミディアムテンポの堂々たるハードロック。
ギターによる短いインスト4.Mean Machineと、ハードなリフで引っ張る次曲の5.Cool Hand Killerは、2つ合わせて完成するって感じの組曲風の構成になっています。
アナログでいうB面部分も失速するどころか、硬質でドラマティックな曲が続き、ますますエネルギッシュに熱を帯びていくのが素晴らしい。ラストの10.Bye Bye Sadieは爽快な後味を残すロックンロール。
同郷のスーパースターSCORPIONSが洗練した音を確立したのがBlack Out/82年だから、このバンドがいかに先進的だったかよくわかります。こんな名盤を最後に一旦解散に追い込まれるなんて、本当にやり切れない思いがする。
Lucifer's Friend
と、誰が言ったか知らないが、名ボーカリスト ジョン=ロートンが在籍していたプログレ風味も含むハードロックバンドの1st。多分正当なレビューは、”スコーピオンズ以前のジャーマンロック史を語るうえで欠かせない〜”といった、歴史的、分析的側面から解説するのが正しいのだろうけど、あえて邪道的レビューをすると(笑)”ユーライアヒープ等、ジョン=ロートン参加作品数ある中で、最もR.J.ディオっぽく聞こえる作品”となる。もっとも、ディオが世界的に注目されるのはこの作品発表より後なので、”ディオっぽい”という表現自体おかしいし、曲によっては”マイルドなグラハム=ボネット”(ヒープ時代もそう)なのだけど、単純に彼の声だけで凡作が名作一歩前に仕上がっている。歌が上手いのはもちろんだが、彼の参加作品に駄作は無い(スピード命の人にはキツイ作品もあるけど、所謂歌モノが聴ける人ならかなりの確率なはず)ので、一度聴いてみては?何度か再結成してるけど、ハードロックファンにはそちらの方がオススメ。