AL 1―THE WHITE TRICERATOPS (少年チャンピオン・コミックス)
恐竜の生態と野生の厳しさを描いた作品。というのが、この作品をぴったり言い当てる言葉かといえば、違う気がする。実際物語だけなら人間に置き換えても通用する。真っ直ぐな少年漫画であり、人情モノであり、或いはヤクザモノの類だ。
とすればこの漫画のウリはやはり恐竜モノであることに帰結するのだが、それだけだといってしまえばそれだけなのだ。
いやそれだけでも魅力的な作品ではある。しかし最近、雷句誠が「どうぶつの国」で野生の弱肉強食と共存について深いテーマを描いているなか、この作品に関してはストーリーのヒキがもうひとつ弱い。なんというか、王道すぎる。要するに、結末へ向かうまでの展開も含めオチが読めてしまう。今後、劣性な個体だったアルが牙王を攻略へ通じるような特別な成長を遂げそうな気がしてならない。
設定こそ斬新でおもしろいが、その割には真新しさを感じなかった。嫌いな話じゃないが、やはり物語の浅さがネックだ。
ただ恐竜が関西弁でしゃべるのは意外だった。「ガンツ」か思たわ。
DーZOIC 1 (少年チャンピオン・コミックス)
前作「竜の国のユタ」からの続きなんですが、というか
途中からタイトルが変わったみたいです。
オーソドックスな英雄譚として、なかなかスケールの大きな
お話です。内容については他の方のレビューに詳しいので
割愛しますが、一つ残念な事があります。
この作者は、コマ割がワンパターンで各シーンの
アングルやカットがへたくそです。おまけに
鳥瞰や俯瞰といった描き方が、全然できません。
いつも、正面横面上面と同じカットしか出てきません。
ストーリー的に、感動的なシーンが出てくるのですが
いつも、画力がついてこなくて
読んでいるこっちが歯がゆくなるような描き方しか
できません。
物語が良くできているのに残念なことです。
マネキンをおいて、いろいろな角度からデッサンをしたり
映画を見てアングルやカットの勉強をされてはどうでしょうか?
てっとりばやく、描きたい方向からデジカメで取った写真を
下図にしてキャラクタを書き込んでもいいと思いますけど。
COMIC恐竜物語(1) アロサウルスのいた時代
小学生の頃、漢字に悩まされながらも、幾度と無く読み返した恐竜漫画「DINO2」。ある時、手違いで古本屋に売り飛ばしてしまい、深く、深く後悔していましたが……今回、なんと一部改訂され、帰ってきました!
ポプラ社からの刊行なので、作中のナレーションは全て「ですます調」で、内容も子供が理解できるように、やさしい内容になっています(全ての漢字にルビが振られているなど)。
一方で、各回の間に挟まれる解説は相変わらず、並みの図鑑の冒頭解説よりもやや詳細です。この辺りは真鍋先生のお仕事なのでしょうが、以前の「DINO2」における一つの楽しみであった、所先生ならではの考察ページが無くなってしまったのが、少し残念。初めて読まれる方は問題ないでしょう。
作画とストーリーにおいては、もう大満足の一言です!たかが恐竜、されど恐竜。やはりこの道の第一人者・所先生の情熱は本物でしょう。「恐竜男子」ならアツくなること間違い無し!
……とまあ、色々書きましたが、僕としては、大好きな「DINO2」シリーズが復刻してくれた時点で★5です(笑)
今回は三畳紀〜ジュラ紀の「逸話」が中心で、トリケラトプスのウマソー君やティラノサウルスのお嬢、スコミムスのサンちゃんといったキャラには再会できませんでした。2巻以降の発売も、首を長くして待つことにします。ラムフォリンクスの姫やディクラエオサウルスに会えるのも、楽しみにしております。