東京夜空 (ワニマガジンコミックス)
カテゴリとしては、そういう方面になってしまうのだろうと思うが、読んでみると
決してそうではないことに気付かされる。
男の子がいて、女の子がいて。
どちらかといえば主眼は女の子の方に向けられていて、その心の中を少しずつ紐解く
ような、繊細ながらも結構大胆なひとときの記憶、といったような心を感じる。
女の子の本当の心、そして、確信への妙な自信。少し甘い印象と心の中身。
その世代の女の子が持つ、男の子への思いを写し取ってみた、そんな感じである。
そして、それを映し出すかのような繊細な絵のタッチと間。余韻のある風景と心象風景。
これこそ作者の力量のなせる業である。