ショパン春夏秋冬
特に遠藤郁子の演奏に限ったことではないが、ショパンの前奏曲は全曲通して聴くと、まるでひとつの長い曲であるかのような気がしてくる。少なからず、前奏曲を演奏しているピアニストの方々は、そんな気持ちで弾いているのではなかろうか。もちろん、全ての前奏曲を美しく弾いてくれることが前提だが。遠藤郁子はそれができている。
無限のファンタジア・リプレイ 七色の風をあつめて (Role&Roll Books)
RPGといえば最後に大ボスがいて、それをみんなでどうやって倒すか?というのがパっと思い浮かぶのではないでしょうか。これはそうじゃないのです。ゲームマスターやキャラクター(プレイヤー)が一緒になって楽しんでいる。そしてボスとのラストシーンも……。
天然ボケな団長代理エスプ、ほんわり癖ありの美少女ユウラ、マスコットキャラのピヨール、気は優しくて力持ちなジェイガン。この4人+ゲームマスターの楽しさが伝わってきたあとに、何か暖かい気持ちになれるリプレイです。
イエメンで鮭釣りを (エクス・リブリス)
コミカライズされたなキャラクターによる喜劇という点がウッドハウス的か。
それをやや堅い文章(新聞の引用や事情聴取)で書くあたりに国民性を感じる。
そんななかでも、作者の中東文化に対する感情は、シャリフを神秘的に描くことであらわされる。
憧れといっていい。
中盤の、老釣り師の閃光のような一撃が最高! このシーンを人に伝えたい。身振り手振りを交えて熱演してみせよう。
おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2 ~里奈は見た!いや、見てない~ 特典 宇宙ふりかけ(焼鮭)付き
探偵・推理もののゲームは登場人物の話をよく聞き、証拠集めをすることが中心となりますが、このゲームもそうです。しかし意味合いが全く異なります。というのも、キャラクターの発言や価値観が100パーの勢いでおかしく、そういう意味で一言も聞き逃せません(笑)。アイテムも(常識的に考えて)かなり間違った使い方をすることが多いので、推理力よりも、発想力とこのゲームの世界観を受け入れるだけの柔軟性、寛容さが必要です。
ゲームシステムや世界観は前作とほとんど変わっておらず、新鮮さはあまりありませんが、その分安心してプレイできました。まなみやちとせっち、じいなどのおなじみキャラクターのおかしさは健在です。特に新キャラの警部はかなりぶっ飛んでてスキです。良識あるプレイヤーをどん底までつきはなす変なキャラクターがつくりあげる世界観と、それに対して見事なツッコミを(心の中で)入れる主人公とのやり取りがこのゲームの醍醐味です。