この「戦場のメリークリスマス」は私が中学生の時にみた記憶がある。当時は坂本龍一の音楽への関心から足を映画館に運んだのだが、熱帯の重たい空気感とフィルムの色彩、音楽の美しさが印象的であった。ほぼ20年経過した今、改めて観直してみたが、多分に今日的な主題を持つ映画であると感じた。
本作は太平洋戦争末期における熱帯の島の捕虜収容所という閉鎖的な環境が舞台だが、そこでは過酷な戦争という環境において異なる文化的価値観(例えば、西洋と日本、キリスト教と国家神道、それらを背景としたセリアズの「罪」の意識とヨノイの「恥」の意識)を持った人々との対峙と葛藤が描かれている。この映画が優れているのは、その音楽や映像の美しさに加え、悲しい結果にもかかわらず異文化への理解を予感させるエンディングとなっている点であり、それを男女の愛情という月並みな枠組みに落とし込むのでなく、「文化の異質さと受容そのもの」を純粋に浮上させんがために、逆説的に戦争という価値観がぶつかりあうリアルな場とホモセクシャルな同性同士の交流が選択されたのではないかとさえ思える。この互いが異なる文化に立脚していても、それでも理解と受容は可能なのだというテーマはまさに今日的だ。
現在、日本では太平洋戦争時の映画が数多く制作されるようになっているが、同様に戦時中が舞台となっている「戦場のメリークリスマス」との質や内容の隔たりはどうであろう。昨今の戦争映画にお決まりの「愛するモノの為に死す」という構図の陳腐さについてはコメントしようもないが、問題なのはそういった構図の映画を受容する現在の日本の文化状況だ。その傾向に不安を感じるのは私だけではないだろう。おそらく現在、必要なのは「同質の文化」の称揚ではなく、まさに、本作「戦場のメリークリスマス」で描かれているような「異なる文化」へのまなざしと受容であるというのに。
戦場のメリークリスマス [VHS]
この「戦場のメリークリスマス」は私が中学生の時にみた記憶がある。当時は坂本龍一の音楽への関心から足を映画館に運んだのだが、熱帯の重たい空気感とフィルムの色彩、音楽の美しさが印象的であった。ほぼ20年経過した今、改めて観直してみたが、多分に今日的な主題を持つ映画であると感じた。
本作は太平洋戦争末期における熱帯の島の捕虜収容所という閉鎖的な環境が舞台だが、そこでは過酷な戦争という環境において異なる文化的価値観(例えば、西洋と日本、キリスト教と国家神道、それらを背景としたセリアズの「罪」の意識とヨノイの「恥」の意識)を持った人々との対峙と葛藤が描かれている。この映画が優れているのは、その音楽や映像の美しさに加え、悲しい結果にもかかわらず異文化への理解を予感させるエンディングとなっている点であり、それを男女の愛情という月並みな枠組みに落とし込むのでなく、「文化の異質さと受容そのもの」を純粋に浮上させんがために、逆説的に戦争という価値観がぶつかりあうリアルな場とホモセクシャルな同性同士の交流が選択されたのではないかとさえ思える。この互いが異なる文化に立脚していても、それでも理解と受容は可能なのだというテーマはまさに今日的だ。
現在、日本では太平洋戦争時の映画が数多く制作されるようになっているが、同様に戦時中が舞台となっている「戦場のメリークリスマス」との質や内容の隔たりはどうであろう。昨今の戦争映画にお決まりの「愛するモノの為に死す」という構図の陳腐さについてはコメントしようもないが、問題なのはそういった構図の映画を受容する現在の日本の文化状況だ。その傾向に不安を感じるのは私だけではないだろう。おそらく現在、必要なのは「同質の文化」の称揚ではなく、まさに、本作「戦場のメリークリスマス」で描かれているような「異なる文化」へのまなざしと受容であるというのに。
Merry Christmas Mr. Lawrence - The Criterion Collection (戦場のメリークリスマス クライテリオン版 Blu-ray 北米版)
始めて見たときは、あのタイトルバックの音楽で一気に引きずり込まれ、今までこんなに泣いたことがないと言うほど泣きまくってエンドロール。この映画がなければ、今の巨匠北野は存在しなかった!
とにかく彼らの共通点は兵士であるということだけだったんですね。
そこに個人の感情は存在しないんです。だから敵国の将のローレンスに対しても、ハラは、憎しみと言うよりある意味尊敬の念を抱いている。でも戦時下ではそんなことに何の意味もない。
それが、セリアズの存在により、かき回されていく。優れた腕と美貌を持った兵士、セリアズ。(ディヴィットが若けりゃ文句は無かったのに!!ここがホモセクシャルだと言われる所以ですが、そんなに簡単な話じゃない!)俘虜収容所の所長のヨノイは、ハラと違って教養もあり、戦争に死に場所を求める生粋の軍人だけど、彼もまた、セリアズに対して尊敬の念を抱く訳です。
でも、『ジャック・セリアズ』とは、じつはただのきっかけにすぎなくて、彼らはお互いの心に感情という『種』を蒔き合うことになる。
例えそれが実を結ばない種であっても、お互いが兵士である前に人間同士であることに気づく瞬間があるわけです。しかし、残酷なことにお互いを理解しあう時間さえも戦争は奪っていくのです。
その、やるせなさ。たけしさんの最後の笑顔がすべてを物語っています。
戦場のメリー・クリスマス
あまりにも有名なテーマ曲。この曲を弾くためにピアノを習った。当時の教授はまだテクノなのでシンセの曲なんだけど、それが雪じゃなくて、熱帯の雨のような感じがしてなりません。でも個人的には2分弱のthe seedが一番泣けるかと…。
セリアズはその死によってヨノイの心に種を植えたんだと、あらためて感じる。
戦場のメリークリスマス [DVD]
言語:英語、日本語
字幕:英語
と表示されていますが
音声、字幕共にDVDプレイヤーで選択できません、1種類のみです
音声はオリジナルのみ(つまり、言語:英語、日本語)
字幕は日本語セリフ部分の英語字幕だけです(DVD機能の字幕では有りません。オリジナルの字幕です)
英語音声の日本語字幕も英語字幕もありません
人種差別な表現が有るので日本語版が絶版なのでしょうか?
大島渚のインタビュー(book)英語が付いています
内容は説明不要ですよね
教授とたけしの演技・活舌が悪いとか関係ない!
何度見てもラストシーン、スクリーンから はみ出る たけしの顔どアップは泣ける
原軍曹 「私の罪は他の兵士と変わらない」
ローレンス「勝利が辛い」
さんま曰く「世界が泣いたか知らんが俺は笑ろた」