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デッドマン【字幕版】 [VHS] ニール・ヤングのギターの音色にのせて、ジャームッシュのモノクロのウエスタン。
カラー映像ももちろん素晴らしいジャームッシュだが、ロビー・ミューラーと組んだモノクロ映画はほんとに美しい・・・。

【初回限定生産】ラム・ダイアリー ブルーレイ&DVDセット (2枚組) [Blu-ray] ハンター・S・トンプソンとジョニー・デップが交わした約束が、十数年の時を経てフィルムに結実した。しかも16ミリという実にニクい方法で。
ダメ男たちの破天荒な生き様が、カリビアン・ブルーの空とラム酒のような夕景の中でサンバを踊る。
バカルディを道連れに、本作にどっぷり浸ろうじゃないか!

1960年。プエルトリコにやって来たジャーナリストのポール・ケンプ(J・デップ)。グラサンで隠した目は酒びたりで真っ赤っ赤。ケンプは雇われた新聞社のろくでなし仲間 ― ヤル気のないカメラマン、ボブ(マイケル・リスポリ)とヒットラー信者のジャンキー記者、モバーグ(ジョヴァンニ・リビシ)と意気投合?してハチャメチャやりたい放題のお騒がせな日々。
そんなケンプに近づく謎の実業家、サンダーソン(アーロン・エッカート)。金をちらつかせ、リゾート開発のために有利に働く記事を書けとにじり寄る。金はもちろん欲しいが、ケンプのハートをわしづかみにしたのは、サンダーソンの婚約者、シュノー(アンバー・ハード)だった。
カリブ海に美女と金と酒とオンボロ車・・・人生を狂わせるにはもってこいの役者が揃って、さあどうするデップ!?

原作はゴンゾー・ジャナリズムの旗手、ハンター・S・トンプソン。と言ってもさすがに『ラスベガスをやっつけろ』ほどクレイジーではないが(笑)、やっぱりハチャメチャぶりに爆笑してしまうのだ。まずケンプは、新聞社がホテル代まで払って呼び寄せた人材なのに、酒のボトルの飲みすぎがかさんで、ホテル禁止。社の同僚の部屋に居候するように命じられる。この同僚の無気力カメラマン、ボブの部屋がまたオンボロで、水道から水は出ないし、テレビもない。
「テレビはあるって言ったじゃないか!」とケンプが食って掛かると、「の、ようなもんだと言ったろ」と指差した先には向かいのお部屋のテレビ。ってことで二人並んで双眼鏡でテレビ鑑賞。
さらに居候の先客はアル中でジャンキーの “ 廃人目前記者 ” モバーグ。ラム酒の蒸留に使うフィルターを頂いてきて、それを嬉々として絞る。「こいつはアルコール度数470度だ」
ボブの唯一の趣味は、飼っているニワトリでの闘鶏。しかし、一流闘鶏師の鶏が登場すると、とっと退散してしまう割り切りぶり。
閉店まぎわの店に入ってボブが「ステーキ食いてえ」と言うと店員は「もう厨房は閉まりました」ボブは「いいから持って来い」とからんで警察を呼ばれ、パトカーとカーチェイスの挙句、例のラムの原酒で警官に向ってジョニーが人間火炎放射器!これはもう爆笑。やっぱりクレイジーでした。
で、法廷で「警察官に向って火を噴いたのは本当か」と問われると「火の前に警察官が現れたんです」・・・どういう言い訳か。部屋に戻ると、二日酔いで水を飲みたくても水道は故障。冷蔵庫には酒しかない。と、そんなジョニーの目の前に、水をなみなみと湛えた・・・金魚鉢が(笑)!いやその水は・・・飲まない方がいいと思うよ、ジョニー!!

ラスベガスをやっつけろ』のように、恐竜みたいな奴らがのし歩いたりはしないが、ある意味、こちらの方がリアルにトンプソンの生き方を投影しているのかもしれない。ジョニーが演じるケンプの姿には、いちいちトンプソンのイメージが重なってしまうのだ。

この原作はトンプソンが若い頃に書いたが、出版されることもなく地下室に眠っていたものを、トンプソンの親友でもあったジョニー・デップが発見して、二人でワイワイ騒ぎながら読み返しているうちに「映画にしよう」という話になったという。
しかし'05年にトンプソンは拳銃自殺してしまう。本作は、トンプソンとの十数年越しの約束をかなえた、デップ入魂の映画なのだ。
「僕には、色々な局面で彼が言いそうなことがわかる。彼のことをよく知っていたから」
ケンプというキャラクターがトンプソン自身の分身だという事は、トンプソン本人も語っている。
そして、「'50年代の絵葉書のような映像を探していた」と語るブルース・ロビンソン監督は、16ミリで撮影する事を決める。フィルムが映画から消え去ろうとしているこの時代に、実に粋な挑戦じゃないか。

酒びたりでダメ人間のケンプは、やがて実業家サンダーソンの、弱者から搾取しようとする帝国主義的な考えに疑問を持ち、逆に告発の記事を書こうと決心する。折しも、ケンプが雇われた新聞社は赤字経営がたたって閉鎖。しかし、負け続き人生のケンプやボブたちは、最後の記事を印刷するための費用を捻出するために、起死回生の勝負に出るのだった・・・!

トンプソンの人生を描いたドキュメンタリー『GONZO ならずものジャーナリスト ハンター・S・トンプソンのすべて』と併せて観ると、面白さ倍増間違いなし。
ラスト、燃えるような夕焼けのカリブ海にヨットで漕ぎ出して行くジョニーは最高にカッコイイ。
酔いどれ男の人生の相棒は、やっぱりタイプライターとラム酒なのだ。

ジョニー・デップ フォトバイオグラフィ (ShoーPro books) ジョニーを深く知るための、良書だと思いました。

生い立ちから現在に至るまで、バンド時代のこと、恋愛遍歴と結婚歴などのプライベートな部分、映画デビューからメジャーになっていく経緯が、非常に詳細に掲載されています。
写真も美しく充実していて、出演した作品にまつわるエピソードも今まで知らなかったこともよく書かれてありました。
保存版ともいうべき、資料的価値の高い一冊。

これはおすすめします。
読みごたえのある本です。

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