しばしば賛否両論と言われる作品だが、それもうなずける。
しかし、私は大好きだ。
レビューに個人的な好みを書くのはどうかと思うが、大好きだ。ジブリ作品、特に宮崎駿監督の作品にはいつも期待してしまう。
その完成度の高さ、一度や二度見ただけでは全てを掴むことが出来ないほどの世界観の深さ。監督は世界的に評価されるにふさわしい作品を世に送り出してきた。
そして、このハウルの城。
監督はこれまでも様々なかたちで「愛情」を描いてきたと思うが、ここまではっきりと「愛する歓び」を映し出した作品はなかったように思う。そこだけを掬ってみてもドキドキする物語だが、私は監督がこの「ハウルの動く城」に、それはそれは溢れて水浸しになってしまうほどの、様々なものを詰め込もうとした・・・その「衝動」にも似たものに感動を覚えた。
監督自身が消化不良、という記事を何かで読んだが、その通りなのかもしれない。しかし年を重ねるごとにどんどん増えていく作り手として伝えたいメッセージや創り出したい世界観を、ただ素直に詰め込んで出来上がってしまったのが「ハウルの動く城」なのではないだろうか。そしてそれこそが、この映画の魅力のを生み出している根源なのではないだろうか。「ハウルの動く城」は、余計な計算は抜きにして、自分でもその実態がわからなくなるほどに「何か」を突き詰めた作品に見えて仕方がない。
それは、少年のような衝動、あるいはハウルが使うような魔法に似たようなものなのかもしれない。
色々なものが詰め込まれたこの作品は、まさに映画に出てくるハウルの城みたいに、子ども、あるいはかつて子どもだった大人が観たら、わくわくしてしまうようなもので溢れている。
昔、魔法使いになりたいと思ったことはなかっただろうか?
宮崎駿監督とハウルは、わたしの憧れである。