I Lost My Head-the Chrysalis Years (1975 to 1980)
ジェントル・ジャイアント(以下GGと表記します。)の作品を「フリー・ハンド」までは所持しているけれど、あとのアルバムはちょっとね…とお考えだった人にぴったりのコンピレーション。「フリー・ハンド」「インタビュー」「プレイイング・ザ・フール」「ミッシング・ピース」「ジャイアント・フォー・ア・デイ」「シヴィリアン」の6枚をCD4枚組にまとめています。70年代の後半、ロックの地図が大きく変わり、いわゆるアート・ロックの流れがすたれ、ポップで簡潔な音が求められるようになりました。GGの音楽を、複雑で難解なものと見なす向きもありますけれど、本来彼らは英国的なユーモアをポップ・ミュージックの中に表現することを使命としていたと思います。「ミッシング・ピース」以降の3枚は、GGのポップスの完成形とも言えるものです。
「フリー・ハンド」は、GGの創作ピークに当たる作品。複雑な作曲、アレンジとキレのある演奏が素晴らしいです。タイトル曲は、ふられた男が、俺はフリー・ハンドだ、と強がってみせます。「インタビュー」は、複雑な構成をそのままにし、ポップ・ミュージックに挑戦した作品。タイトル曲は、インタビューに答える形で、GGの活動を総括してみせています。 I Lost My Headは、またもやふられた局面を歌っています。中世音楽風の導入が、後半ものすごいヘビーロックに。「プレイイング・ザ・フール」は、GGの現役期に唯一発表されたライブ。北米、ヨーロッパを精力的にツアーしていきながら人気を高めた彼らの本領を発揮。「ミッシング・ピース」は、パンクのリズムを入れ、シンプルかつエモーショナルな作曲にチャレンジした作品。「ジャイアント・フォー・ア・デイ」は、音楽をあえて消耗品に例えてみせるコンセプト。「シヴィリアン」は、活動の本拠地をアメリカに移しての制作。消費社会を皮肉を交えてテーマにしています。
未収録曲の収録は、Disc1の8. 1976 Intro Tape から。9. Just the Same、10. Free Hand 、11. On Reflection がジョン・ピール・セッション。12. Give It Back と13. I Lost My Head が7インチ・シングルのバージョン。Disc4の11. Thank You と12. Words from the Wise が7インチ・シングルのバージョン。
Giant on the Box [DVD] [Import]
2004年に発売された同タイトルdvdに、アメリカのテレビ局VH1による2005年のインタビューを追加収録した再発盤。収録内容はgerman tv 1974, us tv concert 1975, szene 1974, baroque&roll, photo gallery, vh1 classics hangin' with 2005, replay intro となっている。ボーナスでgerman tv 1974, us tv concert 1975の音声トラックのCDが付いています。
英国を代表するインテレクチュアル・プログレ・バンドでありながら、ライヴパフォーマンスは謎に包まれていた。メンバー全員がマルチプレイヤーという驚愕の楽器持ち替えパフォーマンスにより、難解でありながらもドラマティックな楽曲を見事にライヴで再現している姿が、手ごろな価格で手に入るのは嬉しい。
リージョンフリーですので、国産プレイヤーで再生可能。
Free Hand: CD/DVD Edition
2003年から28年前のアルバム。前作品=『In a Glass House』という傑作を出した時点でもうこれ以上の作品は無理だろうと思ったが彼等はさらなる充実作品をリリースした。ロックがCreative、Imaginative,チャレンジ精神を持っていた時期の輝きのような作品。このアルバムのすごいところは、複雑で入り組んだ構成+ものすごく高いミュージシャンシップ+中世音楽のアイディアを注入することをしているのに『コマーシャルなフックも』部分部分にあるのでキャッチーに聞けるという芸当である。バンド全体のコンビネーションとソングライティングセンスが高い次元で結合した歴史に残るアルバム。最近は日本のバンド=KENSOを繰り返し聴いているのだが、ジェントルジャイアントの残してくれた遺産はケンソーというバンドの中にもきちんと生きている。この2つのバンドを比較して聞いてみるとさらに面白い事実に気付くことになるであろう。ノーブルな雰囲気(気品、優雅さ)+野性味が同居していることが誠に興味深い。
10点中9点
Gentle Giant
1970年、GENTLE GIANTの1stアルバムです。
英国出身のバンドで、6人編成。
パートは、Vo, G, B, Dr, Key 以外に、Violin, Percussion, Sax, Trumpet, Recorder, Celloと、実に多彩です。
音楽は、Rock, Folk, Jazz, Classic etcを、上手くブレンドし、万華鏡のように変化していきます。
いわゆる、プログレッシブ・ロックなのですが、
60's終盤・70's初頭にあったような、ブリティッシュ・ジャズ・ロックという色合いも強いです。
多彩な音楽性を有しつつも、
Jazz的な知性、サイケ系なフィーリングを用いている為か、「統一感のある」「ドタバタ感が無い」アルバムになってます。
1stにして、「完成した器」を感じさせられます。
このバンドの特長は、
・ 英国よりも、米国で人気がある。
・ 欧米では、PINK FLOYD, KING CRIMSON, YES, EL&P, GENESIS etc並みに、人気がある。
・ DREAM THEATERやFLOWER KINGSに影響を与えた。 。。。という点です。
また、アルバム枚数を重ねるごとに、感性が鋭くなっていきます。
このアルバム単体でいくと、名盤「☆5」だと思いますが、
バンドの流れとしては「まだまだ、これから」なので、一応「☆-1」しました。
「60'終盤・70's初頭あたりの、プログレ、ブリティッシュ・ジャズ・ロックが好きな人」に、オススメします。
(PINK FLOYD、KING CRIMSON、ELP etcの1stを好む人は、Check!です。)
ちなみに、日本では、評価・好みが、割れます。
(英国よりも、「米国で人気のプログレ」ですから。。。何となく分かりますよね?)
Gg at the Gg: BBC Sight & Sound in Concert [DVD] [Import]
昨年出たDVDも驚きでしたが、今回は更に映像もクリアで、メンバー間の楽器持ち替えもあり、ファンは必見です。キング・ビスケットのライブCDに乗っかっている写真と同じ白いツナギのような服を着ていたり、ドラマー氏はいつも同じ野球帽だったり、プログレっぽくないですが、あくまで演奏で勝負。演奏はほんとに難しい曲を軽々と演奏していていつもながら脱帽です。