シューマンの指 (100周年書き下ろし)
前半は、シューマンの音楽論が延々と続き、辟易しましたが、“永嶺修人”には興味津々。
この本の中核を成す曲、シューマン≪幻想曲ハ長調≫もインターネットで検索し、聴いてみました。
ミステリーという括りに、疑問を持ち始めたころ、物語は思わぬ展開を見せ、ページをめくる手も早まりましたが、このオチは如何なものなのか。
私は、フェアではないと思うのですが……アリでしょうか?
シューマン:ピアノ協奏曲&ヴァイオリン協奏曲
ベートーベンの5番「皇帝」に対して、シューマンのピアノ協奏曲は「女王」とも呼ぶ人もいる・・・・。という言葉にのって購入しました。ピアノはアルゲリッチ、ヴァイオリンがクレメール、指揮がアーノンクールでこの価格とくれば、勢いでつい・・・。シューマンらしいロマンチックで詩情にあふれた2作品です。とくにピアノ協奏曲の第一楽章はアルゲリッチらしい奔放でいて、ロマンの香り漂う名演奏だと思います。
音楽と音楽家 (岩波文庫 青 502-1)
ヨーロッパには、ピタゴラス学派を初めとして音楽を言葉で表現する長い伝統がある。また、さまざまな形式や、舞曲の類も発達させてきた。この書は、ロマン派作曲家シューマンが、音楽ジャーナル「音楽新報」に発表したものから邦訳されたものである。
最初ピアニストのシューマンが、薬指の機械練習で酷使しいためてしまい、作曲に専念する事になったのは有名である。また、いいなづけクララ ヴィークとの結婚を父親に反対され、まず法律家になるまで勉強したのも有名であるが、それほどの知性の人であった。
音楽新報は、シューマンが始めたジャーナルで、ロマン的評論で先輩そして後輩を紹介し、広く周知させている。ロマン派と呼ばれる作曲家の中で、彼の作品はことさらロマン的である。音楽評論では、ベートーベン崇拝の伝統を打ち立て、シューベルトの天国的な浄福の世界を再発見し、ショパンの天才をたたえ、ベルリオーズをドイツ楽壇に紹介し、メンデルスゾーンの清新な新古典主義の評価の基準を与え、「愛の音楽家」としてのリストの本質を掘り当てるなどしている。ロマンティックな美文調であるが、ヨーロッパの長い伝統に根ざした本格的なロマン的音楽評論となっている。
音楽する人は、音楽とは関係ない分野での活動、いわば人生すべてが大切である。この書は、音楽学生や、クラシック音楽を愛聴する人の必読書であると言える。
参考:
シューマン:交響曲第4番
フルトヴェングラー 音と言葉
音と言葉 (新潮文庫)
クララ・シューマン 愛の協奏曲 [DVD]
ブラームスやシューマン(今年は生誕200年らしいが)という余り普段は聞かない作曲家の曲のすばらしさを再確認することができました。ライン、ピアノ協奏曲(ブラームスとシューマン)ってこんなにすばらしい作品でしたっけ。また余り史実に詳しくなかったので或る程度、歴史の勉強にもなりました。ただシューマンの病気については詳しいことはほとんど言及されていないようです。また印象ですが、これはドイツ語で喋っている映画なのでしょうか?俳優はハンガリー系の名前が多いし、口もなんとなくドイツ語ではないような印象を受けましたが?