メソポタミア文明入門 (岩波ジュニア新書)
メソポタミア文明はティグリス川、ユーフラテス川流域に生まれましたが、ティグリス流域のほうが農耕に適していたようです。降水量が年に200mm以下では天水農業ができないためBC5500頃には潅漑文化をもっていた地域もあります。シュメール人、アッカド人の時代BC2500前後ころに文明が大きく進展しました。楔形文字は表音文字で、これが、メソポタミアの国々の共通文字となりました。有名なハンムラビ法典はBC18世紀の判決集で4番目に古い法典ですが、厳罰主義で、被害者の社会階層によって報復ないし賠償のされ方がかなり異なります。また、性別で言えば男性に有利で女性に不利です。
でも、メソポタミアの文明がギリシア、ローマの文明に大きな影響を与えたのは間違いありません。
神話ではアトラハーシスの方舟の話がありますが旧約聖書のノアの方舟とよく似ています。
神話や物語は全般的に、ストーリーの原因、結果に整合性がなかったり、誰を指すのか分かりにくかったりで面白みに欠けます。
そういえばメソポタミアの風土に、ゲド戦記の「影との戦い」を思い出しました。
四大文明 第二集「メソポタミア~それは一粒の麦から始まった~」 [DVD]
まず1から5巻までホントに素晴らしい。こういうものはDVDでなければならないと痛感する。劣化の無い画像と音に作品の品質がストレートに伝わってくる。
一番考えたのは第2巻のメソポタミア文明。イラクの大地から旧約聖書に出てくる門が出土するシーン。現物は今ベルリンにあるようだが、イラク戦争の落とした爆弾が大地に眠るこれほどの宝も、盗まれていった財宝以上に破壊してしまっただろうと思い、本当に残念だった。
こんな戦争するべきでなかったと思うのは僕だけだろうか。
メソポタミア文明 (「知の再発見」双書)
メソポタミアの
歴史だけでなく、発掘の歴史、
そして、発掘当時の写真、絵などもあり非常にいいです。
戦争により、紛失したものもあるかもしれません。
いまでは、写真だけがのこるのかも。
シュメル―人類最古の文明 (中公新書)
あくせくした世界から、心だけでも何処かに飛んで行きたい人。でもエンデのお伽噺には、ついて行けない大人。
自分探しに迷い、ルーツを「大昔」に見つけたい人生の考古学者。
もっとお気軽に、話の種が欲しいけど、トリビアでも、由緒正しい蘊蓄で、周りを楽しませたい苦労人。 こんな人達には一押しの本です。
全編が、発掘された粘土板や印章を読み取った情報に基づいて書かれています。研究法が、信頼感を与えてくれます。我々は、批判の眼を閉じ、ひたすら紀元前の世界を見物する気楽な観光客になれます。
構成もよく考えられており、丹念に時間をかけた仕事であることが、感じられます。説明図も豊富で、シュメルの社会・文化の全体が俯瞰できるように周到に書かれています。
読み終わって、想像より早く都市文明があったことに驚かされました。「世界最古」という魔語だけで、日本で断片的に紹介されてきたシュメル情報の不十分さが指摘されており、勉強になりました。
欲を言えば、民族の内面性理解の鍵となるムシュフシュの図像を、もっと見たいと思いました。
また全体に図像が小さく、細部の説明には、もう少し大きい方が、親切だと思いました。
Oxford大学が、シュメル文書を編集・翻訳し公開しているHPが本書で紹介されています。 PC端末に向かっているシュメル人が見れます。古代文明と現代文明のコラボを考えた「PC板読み」に祝福あれ!
高校生には志望分野でもお勧めかもしれません。こんな愉快な連中のいるトコは滅多にありません