ピアノ
クラムボンのイクコちゃんってイメージでしたが、クラムボンを離れての初のソロアルバム。
作詞、作曲ともクラムボンメンバーを離れての構成で、クラムボンファンの人も違和感なく、初めて聞く方もなごやかに、楽しめる曲です。
ソロだから、と肩に力が入りすぎることもなく、適度にゆるやかな、いいかんじ。
おやすみの日に、ピクニックにいく車の中でかけていたい、そんな一枚です。
ぶらんこ乗り (新潮文庫)
ぶらんこのり、を読み終えてすぐに行ったスキー、
ナイトスキーのリフトに乗ると、
夜のぶらんこで過ごしていた「弟」の気持ちがわかる気がした。
この世からちょっとはずれてしまいそうな不安定な空中で
ヒット曲の音が遠ざかる、スピーカーとスピーカーの間の、
その感覚が不思議でもう一度と、なんどもなんどもリフトに乗った。
読んでから、なんどもなんども思い出す。魔法の本。
ある一日
以前、『みずうみ』でひどく感動したのを思い出す。
3つの物語がパラレルで走るんだけど、実は全部つながっている。
最後の物語は、いしいしんじと園子さんの悲しいエピソードで
途中から胸が痛くなるんだけど、ラストの1ページがすごく素敵な終わっていて大好きな作品だ。
そして、まさにその続きが今作。
いしいしんじの「ごはん日記」でもよくわかるけど、
園子さんの偉大さが良くわかる。
本当に、同じ赤ちゃんを持つ母として心から尊敬します。
みずうみ (河出文庫)
「みずうみ」をテーマにした三章節からなる物語。
一番幻想的な第一章は、水とともに生きる村人達を描いた作品だ。文章の終わりにかけごえがつく冒険的な文体だエオー。村で生まれた赤ん坊は、手足が動くようになるとみずうみへ落とされる。すいすいと泳ぎはじめた子は村に残される。沈んでしまった子は成人する頃になったら、村から出て行かなければならない。そして、泳ぐでもなく沈むでもなく、水と溶け合うように眠りながら浮かんでいる子は、眠り小屋へとはこばれて、そのまま眠り続ける人になるのだ。そして時が来て、眠れる人達に変化が起こることをまるで子守唄のように描きあげている。
第二章は、眠れる人のつながりであるタクシー運転手の話である。月に一度、コポリ、コポリと体中からわきあがってくる水を放出しなければ日常生活を送れない。
第三章もそうだ。眠れる人の末裔がここにも息づいている。アメリカやキューバと松本でのそれぞれの物語が展開されていく。松本のカラス城であったり、知っているところがでてくるとそれだけで嬉しい。全体を通してのキーワードは、「コポリ、コポリ」「帳」「ジューイ」。