ノスタルジーでこの作品に観る人にも、初めて甲斐バンドに触れる人にも分かりやすい選曲がしてある。
15年ぶりの完全復活ということを考えれば、妥当なラインナップと言えよう。
15年前の30代前半だったライブの王者としての彼らの瑞々しさはない。
しかし、40代後半にさしかかった大人としての艶がステージ全体に醸し出されている。
活動を本格的に再開した甲斐バンドの決意が伝わるライブ・DVDである。
Big Night~KAI BAND LIVE AT BUDOKAN 1996~ [DVD]
過去の名曲が次から次へと登場する、まさに甲斐バンド復活を飾るにふさわしいライブDVDです。以前のバージョンよりもギターを前面に押し出したアレンジを施された曲が多く、「甲斐バンドはロックバンドだ」という甲斐さんの無言の主張が感じ取れるライブです。聞きどころはやはり甲斐さんの絶唱が堪能できる「100万ドルナイト」でしょう。どんなに年月を経ようと甲斐よしひろの絶叫ボーカルは不滅だということを証明したライブです。
Kai Band Live In 飛天 [DVD]
新高輪プリンスホテル飛天の間で行なわれたこのライブは甲斐バンド活動再開を記念する意味合いも込められたライブでした。
往年の甲斐バンドサウンドを彷彿させる「トレーラーハウスで」、甲斐バンドの存在感の象徴「翼あるもの」、至高のラブソング「LADY」等、選曲も実に素敵でした。
松藤さんや一郎さん、大森さんもリラックスした雰囲気で演奏しており、これからの更なる活躍を期待せずにはいられない感動のライブでした。
現在はDVDのおかげで、こうした甲斐バンドの傑作ライブをさらに深く味わえるようになりました。このライブのビデオ版をご覧になられた方々にも、このDVD版はオススメです。高音質のおかげで実際今ライブを見ているような感覚を味わえるのですから。
HERE WE COME THE 4 SOUNDS [DVD]
甲斐バンドは異形のバンドでした。普通、バンドが解散する時は、売れなくなった、人気がなくなった、などが主な理由になりますが、甲斐バンドの場合、安定したレコードセールスに加え、バンドサウンドが頂点に達していたときの解散でしたので、その解散コンサートは迫力に満ち、ファンは熱狂しました。このDVDはその解散コンサートの模様を収めたもので、彼らの代表曲が次から次へと登場します。ツインドラムの重厚なサウンドに甲斐よしひろの叫びが重なり、ジャパニーズロックの頂点を極めたその圧倒的な音と声に胸がしめつけられます。こんな完璧な解散劇をやってのけたバンドは、後にも先にも甲斐バンドだけだと思います。迫力満点のライブをDVDの音質で楽しむ、絶対オススメの一枚です。