カリガリ博士【字幕版】(淀川長治 名作映画ベスト&ベスト) [VHS]
ドイツ表現主義の流れにあって、その映画化として成功している。というよりこの作品は舞台装置に表現主義が見られるからすばらしいわけではなく、不思議な不安感がストーリー全体を貫いており、ドキドキはらはらスリル満点の作品であって、昨今のサスペンスなどとは比べものにならない深い世界を含有している。精神病院を舞台に展開するのも興味深い。
カリガリ博士の子どもたち―恐怖映画の世界
本書はホラー映画の流れと分類を古典から詳しく分析した古典的な名著である。多くの恐怖映画作品が有機的に結びつけられて説明されており説得力がある。安っぽい映画ライターが書いた本も悪くはないが、本書をガイドブックとして古典作品に挑戦してみるのもよいだろう。もちろん新しい作品は紹介されていないが、著者の視点は古びてはいない。
カリガリ博士 新訳版 [DVD]
古い映画に偏見はない。
アンダルシアの犬を常に絶賛してる。
この作品は今回初めて見たがあまり感じるところがない。
それでもチェザレが目を開けるカットは不気味だし、
女を襲うところで音がガーンと大きく鳴って驚かす所など今日のホラーに影響を与えている。
ただ夢遊病者を自由に操つれることが、ス−パーマンになったかのような万能感と解釈されてる点に違和感がある。
チェザレ=夢遊病者は特殊な能力を持ってるわけでなく普通の人なのだ。
怪力があるのでなく空も飛べず消える訳でもない足も速くないただのおっさん。
殺人したいなら自分でやるほうが投資が少なくて済む。
要人でない普通の人を殺すのはいともたやすい。
殺人の難しさは自分が裁かれることから逃れる難しさにある。
状況証拠があまりに多くチェザレに殺人を命じるなど常識では考えられない。
どんでん返しで変形夢落ちということだがもうちっとなんとかして欲しい。
カリガリ博士 [VHS]
~あらすじ とある精神病院。患者アランが語り出す物語。カーニバルにやって来た、カリガリ博士が眠り男チェーザーレによる興行を行い好評をえるのだが、博士の真の目的とは。。
もともとは数時間在ったものを劇場向けに67分にカットされたものという。完全版は見ていないが、このカットは絶妙ではないかと思う。
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初めてみる人は背景の書割り(背景画)にも注目してもらいたい。表現主義による背景には、水平な直線がなく必ず傾いていたり曲がっていたりする。その視覚効果が幻想的な世界を構築する。カリガリ博士の手袋も印象的だ。~
カリガリ博士 [DVD]
超名作!表現主義に触れるならば、この作品が良いでしょう。
全ての映画の異様な美しさはこの作品から来ているといってもいいでしょう。
退廃美の原点です。ホラー映画の親といってもいいでしょうか?
チェザーレが異様なんです。表情とか普通じゃなくて不気味です。
(チェザーレなんか、スラッシャーホラーの原点的存在といえるかもしれません)
建物とか、空間が全部歪んでいて、観ているこちら側を不安にさせます。
光と影を巧みに使い、とくに影の深みが素晴らしいです。
全体を深い闇が支配しています。
舞台美術やあらゆる芸術ジャンルに影響を与えているようです。
全てが歪みきった狂気の沙汰です。
是非、もっと綺麗な映像で観てみたいです。