氷の世界
このCDは、井上陽水のサードアルバムで
す。シングル「夢の中へ」をリリースし、大
ヒットを受けてのアルバム。当時では珍しい
ロンドンレコーディングが行われた作品です。
この作品は日本レコード史上空前の大ヒット
となり1973年12月17日付でオリコン
1位を獲得してからというものの113週間、
2年3ヶ月もの間オリコントップ10内にラ
ンクインし続け、135万枚以上の(当時)
売り上げた作品です。
『氷の世界』は、「氷の世界」、「心もよ
う」、「帰れない二人」などが収録されてい
ます。
ライヴ・イン・ハトヤ
噂には聞いていましたが、今回初めて拝聴する事が出来ました。いやぁ、凄いですね!最高の名盤(迷盤!)です!!口上でのタモリさんもメチャクチャ、暴言のオン・パレードです!構成についてはショックでした。“こういうアルバムもあるんだなぁ…”と衝撃を受けました。ギャグ盤な筈なのにバカに出来ないのが歌です。全曲素敵です。ハトヤのテーマから始まり、優柔不断音頭までどれも素敵です!伊東鳩子さん(笑)も聴かせてくれます。名曲でした!とにかく買って損なしです。“ちょくそ”する気になりません(笑)!!
漫画に愛を叫んだ男たち
この本では、高校時代の著者と赤塚不二夫との初めての出会いから、共に漫画家をめざした修行時代、人気爆発した赤塚のブレーンとしての多忙な年月を経て、2人の別れまでが描かれる。遠景に手塚治虫を、その手前にトキワ荘に集った若者たちを主とする漫画家たちを配して展開する、著者と赤塚と漫画との錯綜した愛の物語は、読ませる。
タイトル通り、主要登場人物はほとんど男で、漫画家というのは男女とも、それぞれホモ・ソーシャルな世界を作り上げてるんだなァ、と思った。ただ、それでは水野英子の立場はどうなるのかと、少々気にかかったが。
名声を得て交友関係を広げ、酒量も増え、タレント的な活動の比率を膨れ上がらせていく赤塚。昔からのスタッフが次々と去っていく中で、著者は赤塚の傍らに留まり続ける。しかし「手塚治虫の死、そして赤塚との訣別」と題された終章、その最後の最後で、別れは唐突にやってくる。漫画を愛し、漫画の堕落を呪詛しながら酒びたりの日々を送った恩人・寺田ヒロオの死。その死に触れながら、自分の酒への依存を力なく語り、ヨロヨロと製氷機に歩み寄ってまたチューハイを作りにかかる赤塚を目にして、著者はそのままスタジオから立ち去るのだ。この唐突であっけない別れは、痛切。
ところどころ、著者の言葉遣いの誤りは気になった。「同士」を一貫して「同志」と記したり、「そんな藤本の杞憂は見事に当たってしまったのである」(p152)のような雑な日本語は、著者の文章に微妙な底上げ感・水増し感を漂わせている。そこがもう一つ、この本を額面どおりに受け取れない理由でもある。
最後に、個人的には「この昭和四十六年は、藤子不二雄の『毛沢東』連載で始まった年だったが」(p195)という一節が強く印象に残った。インパクトあったんだろうな、少なくとも業界では。この藤子作品は「劇画 毛沢東伝」として現在復刊されている。
パロディ漫画大全
■トキワ荘通勤組として異才・長谷邦夫(ながたに・くにお)氏は、1970年前後『COM』『プレイコミック』等にパロディ漫画を数多く発表した。それらは曙出版の『アホ式』『バカ式』『マヌケ式』『絶対面白全部』、実業之日本社の『少年マネジン』等の新書判に収録され刊行されているのだが、既に絶版。探そうとすれば古書店で探求するしかなかった。しかもどれも古書価がべらぼうに高く、よほどの愛好者以外は手が出せるものではなかったのだ。それが、このたび水声社社長の英断で、長谷パロディ作品を完全網羅した形で、決定版が刊行された。この頁数、この充実度でこの値段は安い。そして装丁は戸田ツトム。素晴らしい、ひたすら素晴らしい。ただただ感謝、ああ幸せ!
あるマンガ家の自伝 桜三月散歩道
■著者はトキワ荘メンバーの一人で今74歳。赤塚不二夫を長年支え、自身もパロディ漫画で熱狂的なファンを持つ。幅広い好奇心をバネに、マンガ界はもちろんのこと、柴野拓美や星新一や筒井康隆等SF作家、詩人、山下洋輔や坂田明等ジャズ奏者、タモリ、井上陽水、佐々木守等との驚異の交友関係が綴られる。これはもはや長谷邦夫による戦後文化史だ。01年3月の北島町創世ホール講演会(四国徳島)のことも詳しく語られているぞ。