小学館版学習まんが 八田與一
災害列島の日本を無視した「コンクリートから人へ」などというスローガンの煽りを受けて、建設技術を学ぶ若い人が減少しているらしいのですが、情けないことです。
過去の日本の技術者を紹介したとても優れた本です。なお、この本が台湾の人により監修されたこと、そして日本と台湾で出版されたことを心から感謝します。
この本に接した両国の子供たちが未来に向けて成長されることを願います。もちろん、土木建設に従事する人を含め多くに大人たちにもお薦めです。土木学会推薦図書にすることを薦めます。
台湾を愛した日本人(改訂版) -土木技師 八田與一の生涯-
凛として誇り高く、恥を知り、行儀と礼儀を知り、身の程を知っていた、
あの時代の日本人はどこへ行ったのでしょう。
と、いうのはまあ、祖父母世代からの受け売りであって、かと言ってなあ。
と苦笑いしてしまうような、かの世代の人達の姿も、辛うじて記憶にある世代です。
理由なき男尊女卑思想のいばりんぼ爺様、女には教養は要らないと、本気で言ってのけていた婆様。
ああいう方々が大多数だったろう時代を、最早戦後でない世代としては、手放しで礼賛は難しい。
ですが。
この時代でなければいなかった、誇り高い、いえ、気高い人格の持ち主の、これは記録だと思います。
自らに恥ずべき事は断じてせず、口には出さずに大きな目標を遂行する。真に偉大なる日本男児。
ああ、今、こういう人はどこにいるんでしょう。いや、いるか。情報として出てこないだけで、
きっと沢山いる。もう少し軽やかになって、悩んだり愚痴ったりしながらも、どこかで頑張っている。
八田氏の銅像を現地の方々が守って下さっていたという事実と、奥様の最後には、孫どころか
曾孫世代ながらも涙が出ます。氏の功績と人生を、日本人は記憶しておくべきだと強く思います。