ブレストの乱暴者 (河出文庫)
フランス語で「クレル」とはすなわち「乱暴」という意味で、「クレル・ド・ブレスト」はずばり「ブレストの乱暴者」と直訳されてよかったと思う。
さて、ストーリーだが、やはりジュネ、言語やレトリックにおいて実験的だ。50年前に書かれた小説だとはやや信じがたい。
クレルの生き様は愚かだが、どこか涙をそそわれる哀しみがそなわっている。己の愛情がどうしても相手に伝わらない・・・だからクレルは殺人を犯すのだ。
そして、殺人を犯したとして、クレルは救われるか・・・結局、殺人によっても、いや、どんなことであっても、クレルは救われない。
その厳然たる事実に打ちのめされた。恐ろしい小説だ。
なお、本作は、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーによって映画化されている。
乱暴者(あばれもの) [DVD]
マーロン・ブランド演じる"ジョニー"が率いる暴走族が、平和な田舎町に現れ、対立するグループが居合わせて大騒動に発展します。
とにかく若きマーロン・ブランドの魅力が炸裂しています。暴走族のヘッドというカリスマで、もちろん喧嘩が強く権力にも動じないのですが、田舎娘キャシー(メリー・マーフィ)の無垢な魅力に心を動かされたり、不思議な繊細さが見事に出ていて、やはりジェームス・ディーンと並ぶ若きスターだったんだなぁと感じました。
ところで、この作品を見たきっかけは、何とビートルズです。対立する暴走族のヘッド、"チノ"との喧嘩のシーンで、「ジョニー、みんなお前を待ってたぜ、ビートルズも待ってたぜ」というセリフがあって、この映画を見たジョン・レノンが「ビメ?トルズ」をバンド名に選んだという説があるのです。やっと見られました!
乱暴者(あばれもの) [DVD]
マーロンブランドの魅力のみでもっていると言って過言ではない。お馬鹿なチンピラの日常を平板に描いたストーリーには共感もなければ深いテーマも見出しにくく、特に考えさせるものはなかった。ただ、50年代初めのアメリカのバイカーズファッションとマーロンブランドのかっこよさが唯一の見所か。
子猫が読む乱暴者日記 (河出文庫)
街を歩いている時の悪態をつきたい相手と心の中で悪態をついている自分を外から見たらこの小説みたいになるんじゃないかと思う。
内気で陰気な青年とコントラストをなす単純で元気のよい若者、
若者を指導するオシャレな中年女、根拠のない自信、
突然始る暴力の衝動と破壊、
人を苦しめるためだけに作られたシステムと社会、
悪臭、ポルノ写真至上主義、
花や小鳥や小動物への愛情、
これらの要素が合わさって物凄い迫力が生まれる。
ブレストの乱暴者
フランス語で「クレル」とはすなわち「乱暴」という意味で、「クレル・ド・ブレスト」はずばり「ブレストの乱暴者」と直訳されてよかったと思う。
さて、ストーリーだが、やはりジュネ、言語やレトリックにおいて実験的だ。50年前に書かれた小説だとはやや信じがたい。
クレルの生き様は愚かだが、どこか涙をそそわれる哀しみがそなわっている。己の愛情がどうしても相手に伝わらない・・・だからクレルは殺人を犯すのだ。
そして、殺人を犯したとして、クレルは救われるか・・・結局、殺人によっても、いや、どんなことであっても、クレルは救われない。
その厳然たる事実に打ちのめされた。恐ろしい小説だ。
なお、本作は、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーによって映画化されている。