大人の感覚で見たらこの映画は面白くない。
馬鹿! としかうつらないだろう。
ビックリして感動して・・ ^^
とかく このテーマの映画は
興味本位でスキャンダラスな扱いに終わったり、
大人の考えが 優先して
世の中とのギャップに悩んだりすることになって
なんとなく、悲しい事件としての話になってしまうのが常のはず。
ところが この映画は 最古まで大人が介在しない。
大人の知らないところで、
子供同士の結束の中で 生んでしまう。
生まれてしまう。
大人は後から気付く。
後から、世の中殿ギャップをどう埋めるか騒いだり
自分たちのこころの落ち付け方を探す。
でも 子供たちは違う。
最初はびっくりして、 そのまま受け入れる。
子供が生まれるという事実を 素直にここに取り込む。
そんな 子供たちが なぜか すがすがしくさえある。
そうなんだぁ。
赤ちゃんは 世の中の考え方なんて関係ない。
そんな単純な事実を 突きつけられる。
はるなちゃんの顔が 子供に見えたり、母親に見えたり。 (笑)
こんなとき、女のほうがつよいんだなぁ。
こんな小学生でも。 (笑)
「秘密基地」をテーマにした短編集ですが、頭の悪い大人が考える子ども像、というか、特に本人にリアリティーのあるエピソードがないのに、テーマに合わせようと不完全燃焼で終わってしまっている作家が多いように見え、読んで面白いものは本書の3、4割程度だと感じました。これだけ豪華な顔ぶれなのに、少々残念です。
所々に挿入される、ノリきれずに書いたであろう文章も全て読む気になりません。単純に、無理に描かされている感がして、作家本来の力を発揮できていない作品がほとんどだと思いました。
本書に収録されている作品で満足のいくもの、それ単体で本が出ていてもおかしくないクオリティーだったものは、黒田硫黄、ギリギリ いがらしみきお くらいです。漫画業界を研究しているような方や、収録されている作家の本を常に2冊ずつ買うような大ファンでない限り、この本はお薦めできません。
作者得意の音楽もの、今回は楽器だけに頼らない現代音楽がテーマ
主人公の朔は楽譜は読めないが野生的な音感の持ち主で、様々な音楽を経験していく。
川の流れや日本庭園が奏でる音楽、音のない音楽などディープな音楽世界の表現は、鳥肌ものです。
天道徹三郎の指揮の下、日ごとに演奏に磨きを掛けていく中央交響楽団の面々。しかし、天道が過去に起こした詐欺事件が発覚し、それが元でオーケストラは空中分解してしまいます。
そんな状態からメンバーが再結集までの過程がこの巻の見せ場の一つですが、天道の音楽に魅せられた者、天道によって音楽家として再生できた者、天道に懐疑的な者など、それぞれ天道に対する感情や事情が違う者たちが「音楽は嘘をつかない」という確信のもとに再び集まってくる様子は実にドラマチックな演出で描かれていると思います。
そしてもう一つの見せ場がストーリーのクライマックスでもあるコンサートの場面で、第一夜でオーケストラが天道の指揮でそれまでにない音楽の次元へ上っていく様子を見せつける描画の妙は爆発にも似た迫力を感じます。続く第二夜では更に読む側に予想の付かない展開を見せてくれますが、ここは敢えて何も書きません。実際に手に取って、最後まで一気に読んでください。
とにかく、主演の二人が上手い。
アイドル的な演技ばかりが目立つ日本映画界で、ここまで魅力的な演技が観られるのは良い。
台詞に表れない細かい心の揺れを、分かり易く、しかもわざとらしくなく自然に伝えている。
この上手い役者を二人揃えたのは大正解だろう。特に成海璃子は、役者として「神童」だと思ってしまうほど。
だが脚本と音楽が駄目すぎる。
まず脚本は、作品として破綻している。伏線が回収できていないばかりでなく、何が起こったかを説明したり、その背景を匂わせたりということすらできていない。原作から数エピソード抜き出しただけのように思える。無用なキャラクターも多い。原作を読んでいないと分からないが、原作を知っている人にはつらいという結果になっている。
音楽は、主人公のテーマソングがイージーリスニングになっている。
音大でうたがピアノを弾いて学生が聞き入るシーンがあるが、こんな曲、誰も立ち止まらないどころか、音大生なら軽蔑するだろう。せっかくなんだから、原作のバルトークなりショパンなりを活かせば良かったのでは。
というわけで、役者の演技を観るだけでも、価値はあると言える。演技だけなら★★★★★だが、作品としては★。中間をとって★★★。
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