アフリカ民俗音楽が世界的なムーブメントを巻き起こした時期があった。TOTOの4thアルバム然り。だが、渡辺貞夫氏はそんな流行に上滑りすることなく、この潮流をがっちり受け止め、彼独特の才能で丁寧に咀嚼した結果「オレンジ・エキスプレス」が生まれたのだろう。サックスそのものの音はけっこうウェットな音だと思うのだが、本アルバムはどちらかと言えばドライな空気を感じさせ爽やかな聴き味。とくに冒頭曲「オレンジ・エキスプレス」はそうそうたるプレイヤーが名を連ねたにせよ、まさに名曲名演。このノリの良さはCMでも人気を博した渡辺貞夫氏の人柄と重なって忘れることのできない一曲だ。
何年もの間、オークションやら、中古CD屋さんやら、探しに探した渡辺貞夫のランデブー、ついに再販ですね!
ほっとしたと同時に、脱力感。。。だいたい、殆どの渡辺貞夫のラインナップを、廃盤にしていること自体、ワーナーさん、どういうこと?って感じでした。
無くしちゃったけど、忘れられない一枚でした。
二月が楽しみですー!
一曲目の“Say You Love Me”は隠れた名曲といえるのではないでしょうか。自然な旋律、必要最低限なアレンジ、当時誰かのカバーかと思いきやパティ・オースチン自らが作曲したものとわかり驚いた記憶があります。 また、ここでのデヴィッド・マシューズのアレンジはかなり控えめな印象を受けます。所々彼らしいアレンジが見受けられますが、全般的に無駄なソロもありませんし、ヴォーカルをフューチャーしたアルバムだから当然なのかもしれませんね。 スタッフのメンバーが多く参加しているせいもあり、なんだか「スタッフ+パティ」という感じがします。 次作のデイヴ・グルーシン編曲による“ハバナ・キャンディ”と聞き比べてみるのもおもしろいと思います。
<Ginseng Woman>と<Multiplication>を2CDin1にしているのはいいのですが、なんとジャケットも合体させちゃっています。普通は元のジャケットを単に二つ並べるだけだと思いますが、こんなのあり?って感じです。初めてこのジャケットを見た人は、恐らくそのことに気付かないでしょう。でもよく考えると、畳の上にウサギが6匹いるのも変ですよねえ。CBSの誰が担当したのか知りませんが、面白いことをするもんです。
1983年作。フュージョンが衰退しだした頃の作品。初期のような瑞々しさはなくなってしまったようだが、曲によっては良いものもある。オーケストラ・アレンジでデイヴ・マシューズが3曲、ジョニー・マンデルとドン・セベスキーがそれぞれ1曲づつ担当している。私が気に入ったのは「WISHFUL THINKING」と「TAKE IT FROM THE TOP」の2曲。「WISHFUL THINKING」は初期ブルーノート時代の曲調ですね。『ハートストリングス』辺りに収録されていても違和感がないような曲。「WISHFUL THINKING」はデイブ・マシューズがアレンジしたビッグバンドサウンドに乗って軽快に演奏される曲。こちらはデイブ・マシューズ名義で発売された『デルタ・レディー』辺りに収録されていても良いような曲。この2曲はフュージョンのよき時代の残り香がします。
おっさんになった私のナツメロっていうのはフュージョンなんだな。少年時代にFM雑誌を片手にラジカセでエアチェックをしていたのはフュージョンが多かったし。ビートルズ世代ではないし、海外のロックも多くのバンドが解散してしまって、ZEPがかろうじて残っていたぐらいの時代。そんな頃に音楽に興味を持ち出した世代がハマッタのはフュージョンだったから。この作品はリアルタイムでは聴いていなかった作品だったが、やっぱり懐かしい感じがしますね。ここから先はナツメロ感覚では聴けない感じになってしまいます。
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