内容については、沙村広明がこういう内容を描くならこんなもんだろう、というのが感想です。 だって「人でなしの恋」の後だから、衝撃という点ではさほど。
沙村広明ってこんなこと描く奴だったのか!サイテー!という人も多いみたいですが、チョット待って。 「無限の住人」を思い出して下さい。それも第1話。 気に入った女をぶっ殺して、その生首を肩に植えつけるっていうド変態が出てるじゃないですか。 沙村広明を初めて知ったのは「無限の住人」でという人が大半でしょう。 それが最初からコレですよ。昔からこうだったんですって。
でもまあ、人を選ぶ内容なのは確かだし、予備知識なしで読んじゃった人は運が悪かった。 運のせいでアナタは悪くない。でも、沙村広明も悪くない。 残忍で冷酷なお話というのは、「物語」の定番のひとつですから。
通算6枚目。人間椅子のアルバムでは、0thと言われるインディーズ盤の次に入手困難な作品でしたが、この度『無限の住人』のアニメ化に伴って再発されることが決定。先日「踊る一寸法師」も再発されたので、これで人間椅子の全カタログがいつでも入手できるということになります(また、どうも「ペテン師と空気男」が入手困難になりつつあるみたいですけど)。
さて、このアルバムの内容ですが、人間椅子のカタログ中では最も日本らしさを意識したサウンドで(当たり前か)、人間椅子らしさとはズレた曲も何曲か入っていますが、全体的に曲のクオリティはかなり高いです。まさに全曲が名曲でしょう。"莫迦酔狂ひ"のドゥーム感覚も凄いですが、(なぜか)スペイシーな"宇宙遊泳"の味なんて、彼らが並みのハードロックバンドじゃないことをひしひしと感じさせてくれます。そしてラストは攻撃的にして耽美的な"黒猫"で締め。左右多重録音によるアイオミ風味たっぷりのギターソロの快感といったら・・・・・・あぁ。
ちなみに、今回の再発ではボーナストラックの追加等はありません。
作者のインテリジェンスをひけらかしたいという欲求に若干のクサさは感じる。
スノッブっつの?
でも「やべぇ、俺今カッコつけてるなぁ」と思いながらもカッコつけ通すのも大事だと思うんですよ。
そういうことが言いたいわけですよ僕は!
それしかないんですよ僕は!(こんなにハマる表現だとは思いもよらず)
漫画的画面構成もセリフのリズムもさすが、という感じですしね。
20代半ばに真剣に付き合っていた彼女との辛い別れから それ以降は恋愛に臆病になり、いい加減な女遊びを繰り返す毎日。 ただ独り身の寂しさを埋め合わせるだけの行為。
そして気付いてみれば30代に突入。
愛読している"無限の住人"が佳境を迎えていることもあり 「次なるものを」と沙村広明氏の他の著書を検索した結果 この作品を知るに至りました。
同氏の作品であり ここでの評価が高かったことも手伝ってとりあえず購入。
読みはじめは 同氏相変わらずの笑い要素にニヤニヤw しかし読み進めていくうちに 思春期・青年期の心理を絶妙に描写した物語の中へ引きずり込まれ 湧き上がる、とても懐かしい感情。 誰かを強く想う時に生じる、胸にキュっとくる独特の感覚。 理性よりも感情が先走り それは時として苦く、そして心地好く胸に響く。
ベッタベタのありきたりなラブコメ(?)なのに 不感症気味だった自分はすっかり同氏の術中にハマってしまい 学生時代に失くしたものを再発見した気分になりました。
恋愛に情熱を注いでた頃の自分を思い出させてくれた同氏に 素直に「ありがとう」と伝えたいです。
「おひっこし」「ハルシオンランチ」に比べると、ギャグ要素が少なめ。
どの短編も完成度は高いのだが、上記の2作に比べると印象が薄い。
しかし、画力もネタもファンには満足いくものだと思う。
しかし、確実に読み手は選ぶ作品である。
健全な少年漫画に親しんでいる人間には、ほとんど面白さは理解できない。
友人には勧められないけど、BOOK・OFFには売らずに本棚に置いておきたい漫画だと思う。
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