弦楽のためのアダージョを聞く為に購入したのですが、他の曲も良い感じです。
値段も特別高い訳ではないので買って損はしないと思います。
☆待ちに待った音源がやっと発売された。イギリス近代音楽の常連ヴォーン・ウィリアムスや エルガーの音源は既にボックスセットなどで安価にどんどん発売されている中に、どういう訳 かことディーリアスに関しては全く発売されず、一体どうなってるんだと一人で憤っていた。 たまに出ることがあるとそれは他の作曲家と混合の発売だったりして、これはもうだめかなと、 半場諦めかけていた時にこのボックスが出た。全18枚組とはすごい数ではあるが、タイトル を見ていてそういえばディーリアスの生誕150年だったかとこちらもあらためて思い出した わけである。記念すべき年にも関わらず今の音楽界の現状を見て、ディーリアスにとって今年 は余り新録音に期待が持てない状況にあるのではないかなといっても間違いない。というのも 今まで支えていてくれたディーリアスの使徒ともいうべき指揮者がもう軒並み居なくなってる からなのだ。病気がちだったメレディス・デーヴィス、そしてChandos期待の星リチャード・ ヒコックスそしてディーリアス演奏に関しては地味だが安定した演奏を聞かせてくれた指揮者 ヴァーノン・ハンドリー、最後のディーリアンであるチャールズ・マッケラスまでも居なくな ってしまい、残っているのはNaxosとダットンレーベルのイギリス音楽(Epoc)で活躍している デビッド・ロイド・ジョーンズと新たにChandos所属になったアンドリュー・デーヴィスの二人 くらいになった為だ。全くさびしい生誕150年に希望も少なくなった時にこの嬉しいニュース が飛び込んできたのだ。古い録音ではあるがこのEMI企画はオールドファンには忘れ難い録音 が集められている。今では入手困難な内容も含まれておりLP時代からのディーリアスファンの方 にはこれ等の再発を永らく心待ちに待ち望んでいた方も多くおられる事だろう。 1950年代の終わり頃に英EMIレーベルがCBC(コロンビア)からサー・トーマス・ビーチャム を迎え彼のお得意のレパートリーをどんどん録音していったのだが、得意とするディーリアスに 関しも生誕100年に向けビーチャムの選曲の下に録音が開始されていた。ビーチャムにとって 新規まき直しともいうべきステレオ録音ということでビーチャムも相当力が入り計画を進めて いたのだが、結果として録音は惜しくもビーチャムは2.5枚分のディーリアスの録音だけを 残して記念すべきディーリアスの生誕100祭の前年に亡くなってしまた。支えの居ない生誕 100年祭はRPOの後継者のルドルフ・ケンペが急遽代役となったりして処理されて乗り切った ものの生誕100年祭以降はディーリアスへの関心は急速に失われていった。 しかしながら逆にビーチャムというディーリアス演奏の絶対的な権威者がいなくなったことで、 しばらくして新しい動きが見られるようにもなってきた。新世代の登場である。ビーチャムしか 出来なかったディーリアスの演奏の束縛から離れ、新たなディーリアス演奏を残したいという 動きだ。時も今やステレオ録音時代突入という事もあって企画されたのがここに入っているEMI 録音の数々なのだ。当時には既に頭角を現してきていた指揮者も居た。例えばハレ管のジョン・ バルビローリだが彼も来日前に惜しくも2.5枚のLPを残して亡くなってしまった。新時代の キャストはまず1960年のディーリアスの生誕100年祭で代役としてオペラ【村のロメオと ジュリエット】を演奏したメレディス・デービス。彼は同オペラの決定盤の録音を始めとして、 オペラ【フエニモアとゲルダ】や【レクイエム】そして【田園曲】【ヴァイオリン協奏曲】 【二重協奏曲】などの録音を残している。 一方でイギリスで【レクイエム】を再演するなど台頭してきた合唱指揮者のチャールズ・グロ ーブスを起用して、決定盤といわれる【人生のミサ】、【海流】【シナラ】【高い丘の歌】 【生命の踊り】【日没の歌】【アラベスク】、オペラ【コアンガ】【パリ】【おとぎ話】 【北国のスケッチ】【夏の歌】などを録音。しかし、やがて病気でグローブスやデービスなどが 次々と体調を崩して続行がだめになっていくとやっと起用されたのがヴァーノン・ハンドリー。 彼を使って劇音楽【ハッサン】全曲、と管弦楽曲などをLP二枚分録音などしている。 ついでにといっては失礼だがヒコックス(EMI時代)も一部参加している。 そうこうしているうちにこのプロジェクトは自然解散となったのだが、今回の録音はステレオ 録音によるディーリアスシリーズを世の中に問うた記念すべきシリーズの総集編ともいえる。 ステレオ初期のビーチャムの録音も全部ではないが含まれていて、サージェントの指揮した チェロ協奏曲(デュプレの名演)も含まれている。惜しくも亡くなった巨匠バルビローリ の遺作とでもいうべき名演【アパラチア】なども含まれているのがうれしい。 しかし幾分オールスター的なまとめ方にならざるを得ず、多少中途半端な編成になっているのが 気になってしまうが。これは曲によっては絶対この人の演奏でないと、というファンもいる為、 絞りきるのは難しいところだったのだろう。何よりも曲目の重複を避けるためだろうかそれぞれの 指揮者に花を持たせるべく選曲されており、完璧なディーリアス全集を望む方にはやはり過去の CDをこつこつ集めていただく他はない。最終的にはこのEMIのプロジェクトは未完で終わって しまったのだが、理由はいろいろあろうが、CDの時代になったことによるマイナーレーベルの 台頭によるものと、この時期には新興レーベルからマッケラス(Argo)やフェンビー(ユニコーン) などの演奏が矢継ぎ早に発売されたことにもよる。 BBC放送録音などからもノーマン・デル・マーによるディーリアスのオペラ3作も発売された。 これは是非再発していただきたい録音だ。 今回のボックスで特に歓迎すべき再発はM・デーヴィスによる【二重協奏曲】とヴァーノン・ハン ドリーによる劇音楽【ハッサン】全曲だろう。落穂ひろい的に購入しても十分お釣りおつりがくる 価格には非常に満足できる。ワンセットは手元に置いておきたい。(余計なことだが、、)
追記:ディーリアンとして、先程述べたBBC放送録音によるノーマン・デル・マー 指揮による ディーリアスの3つの歌劇【イルメリン】【赤毛のマルゴー】【魔法の泉】の復活を望む。 SonyとしてもCBS時代のビーチャムのディーリアスの録音集大成のセット物は再発を望む。 そして英ユニコーンレーベルにあるディーリアスシリーズ。 この中にはエリック・フェンビーの遺産というタイトルで発売された印象深いジャケット のすばらしい2枚組のものがある。(是非オリジナルで再発を望む)でなければ7枚組の セットでも可。 又英Chandosのディーリアス(故ヒコックスと故ハンドリーのもの)も再発されることを 切に望む。生誕150年ですから無理して欲しいとファンとしては切に望む。今の世の中 あと50年は生きられる保障がないから、、、
音楽はとてもよく名所によくあっています。ナレーションが無いので、音楽も同時に楽しむことができます。仕事を終わった後に30分癒しの音楽で旅行気分に浸っています。ただ、画質はあまり良くないので、それを期待している人には不向きかも。
この録音はディーリアスをこよなく愛したバルビローリの2枚半の録音を 集成したものでこれ以外には英ダットンのCDを併せて彼のディーリアス集 が全てそろう。 録音の古い順に解説していくと最初の録音は3曲(イルメリン前奏曲、 夏の歌、楽園の歩み)だがバルビローリの泣き節が圧倒的でヒスを起こす 程(イルメリン前奏曲)、夏の歌はそれこそ最高の名演(これを聴くと 他の演奏は全て平凡に聞こえてしまう程) 次は夏の庭園にてをはじめとするディーリアスが隠遁してロワン河湖畔での川遊びの情景がうかぶような名演ぞろい。カリンダ舞曲がとっても面白い。 劇音楽ハッサンのセレナードが原曲どおりテノールのソロでうたわれるのが うれしい。 そして、ある雑誌で自分の葬儀の際にはこの曲をかけて欲しいとまで いわせた「時節はずれのつばめ」(ディーリアスのフロリダ時代の回想とも いうべきメロディーがでてくる)原曲は弦楽四重奏曲で弟子のフェンビー がアレンジしている。 最後はバルビローリの生前最後の録音でまさしく最後にふさわしい曲 アパラチアだ。この曲の良さを理解させてくれた最高の演奏、 このように聴きどころにあふれたアルバムでまさしくディーリアスファン だけにとどまらない名演集といえよう。
ビーチャムのディーリアスが新しく再発されたので投稿してみた。提言は ・演奏者の思いを知る ・曲目の演奏順について イギリスにおけるディーリスの擁護者でありその音楽の普及に努力した サー・トーマス・ビーチャムが残したステレオ録音の集大成。LPにして 3枚分をCD2枚に収めたもの。生前の作曲者からその作品解釈を託され ほどの信頼関係にあったビーチャム。 作曲者の生前から病に倒れて亡くなってからもディーリアスの音楽の普及 に努力を惜しまなかった。晩年エリック・フェンビーがディーリアスの 助手として働き始めてからはイギリスでディーリアス作品で固めた ディーリアスフェスティバルを開催するなど、作曲者の最大の擁護者で あった。 SPからステレオ時代1950年代後半までディリアスの作品の多くを 熱心に録音に行なっていた。第二次大戦で時間をロスしてしまったのと モノラル時代からステレオに変り始めていた時代に対応すべくCBSから EMIに移ってディーリアスの作品を録音し直し始めたが、このアルバムの 内容を録音したところで病に倒れ、作曲者の生誕100年祭を目前に この世を去ってしまった。 このステレオ録音の特徴はそれまでビーチャムが録音を残してなかった 作品が含まれている。その中にはビーチャム自身がこだわってきた初期の 作品が含まれている。彼自身が実際に演奏しながら手を加えてきたもので、 【フロリダ組曲】【そり乗り】【夏の夕べ】【マルシュ・カプリース】など。 又永年愛奏してきた作品 【ブリッグの定期市】、【春はじめての郭公を聞いて】【河の上の夏の夜】 【丘を越えてはるかに】【イルメリン前奏曲】などの小品も含まれている。 さらに【日没の歌】に関しては、生涯で3回も録音をトライしていたが 最後までその発売を禁止していた。モノラル録音2回と英SOMMレーベルの もの(SOMMのものはディーリアスの亡くなった1934年のリーズフェス ティバルでアラベスクと一緒に演奏されたもののテスト録音)EMIのものは 面白いことにモノラルとステレオ録音の二種類発売されていた。 気をつけたいのは。ビーチャムの意図を知るためにもオリジナルLPの曲順で 再生されることを望みたい。好きなものから聞いていくやりかたは曲の印象 を大いに変えてしまうことにつながるのではないだろうか。コンサートの プログラミングとは演奏者にとって必死に考えるはずである。ところがCDで 聞く際にはリスナーはそれをも気分で変えてしまう暴君にもなり得てしまう ので注意したいかなと。最近はメーカーの方でも勝手に組み合わせを変えて 発売してくるので聞き手に知識があればよいのだが、わからないとメーカー が演奏者に代わって勝手にプログラミングするわけだからこれは困る。 曲順を明記することが親切なのではないかと思うが如何。LPがオリジナルの ケースは慎重に演奏者の意図を尊重して聞きたい。
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