原作のほんわかとした穏やかな感じよりは、読んでいて「楽しいなぁ」とか「可愛い…」と思える1冊。
湯音が原作よりも弾けていて可愛らしい。
アリス嬢が登場してくる割合が原作よりも多めになっています。
どの作家さんも絵が綺麗なので「武田日向さんの絵じゃないのか…」と思われる方も読んで失敗したと思うことはないかと。
評価は十分満足できたので☆5つです。
絵は細かいし、綺麗です。時代的にもとても好みです。
…が、どうもそれだけです。
綺麗と可愛いだけで、読み物としては物足りませんでした…。
全体的な評価が高いので1、2巻まとめて買いました。なので私が期待過剰だったのかも。
ぽつりぽつりと配置されている設定にいちいち期待をして読み進めましたが、結局今の
ところストーリー自体には特記すべき面白さが見当たりませんでした。
ユネはとても健気ですが、何だかただの愛玩動物のようです。
元ネタ作品は知らないのですが、スリーブの出来やデザインなどを見て一目ぼれして購入。結論から言うと、すばらしいの一言でした。
スリーブそのものの出来は、まあまあ良かったと思います。
2つ買ったのですが、全部大きさはピッタリ揃ってましたし、たまに端っこに、製造段階でカットしたときに残ったであろう銀色の糸っかすがこびりついていることもありましたが、つまんで剥がせる程度のもの。普通のキャラスリ程度の耐久性はあるのだと思います。
特に気に入ったのはデザインで、全体的に『黒!』といった雰囲気が、デュエルマスターズやMTGなど、各種「色」を持つカードゲームに存在する黒いデッキの雰囲気に合っていて良いですね。背景の本棚が淡く光っていて幻想的な様相を醸し出し、タイトルロゴもその雰囲気を壊さないようできている。せっかく絵の雰囲気は良くてもど派手なタイトルロゴで雰囲気をぶち壊してしまうことの多いキャラスリーブでこれはポイント高いです。
また最近は多いですが、額縁(?)っぽい装飾が施されているのも絵柄と合っていて尚良い。デザインは◎です。
ただ、欲を言えば表面(中のカードが見える面)もその雰囲気を壊さずに黒で突っ切ってほしかったですが(表面は銀色です)。
いずれにせよ、元ネタ作品のファンでなくとも、“特に黒使いの人は”購入して損はないと思います。個人的感想、参考になればさいわいです。
6作目『GOSICK V ベルゼブブの頭蓋』の明確な続巻である今巻は、
海に孤立した修道院から脱出した主人公ふたりが乗った列車の中で幕を開ける。
ひとつのコンパートメントに乗り合わせた面々が、その場限りの名前を名乗り、
お互いに自己紹介をする。皆一様に何かを隠し、その演じる役名は…
自分の誕生日を探す黒髪の少女<孤児>、お忍び旅行中の温和な中年の婦人<公妃>、
攫われた妹を探す貴族風の青年<木こり>、溺れ死んだ男の体を乗っ取ったという大男<死者>、
そして、金髪の天才美少女ヴィクトリカこと<灰色狼>と、そのまぬけな崇拝者一弥の<家来>。
―人間が咄嗟に吐く嘘には、本人の意思に反して、何かしらの真実が含まれる―
<孤児>がうっかり落とした赤い箱。それを皮切りに、それぞれの思いを乗せて
列車オールド・マスカレード号は、夜を走り抜ける…
さて、今巻ばかりは何故こんな構成にしたのか、理解に苦しむ。
事件が起きるまでを第一部とし、容疑者3人の証言と、犯人が己の証言を回想する第二部、
エピローグで締め、という形式になっているのだが、この最後の回想がまずい。
3人の証言で本人・周囲の描写を一切排して、語りだけで読まされたあと、犯人が確定。
その犯人が自分の証言を回想する形で、つまり証言と全く同じ文章のところどころに
「心の中の声」を入れ込んだ文章を、読者は再び読まされるのだ。
これは、例えば漫画であれば「絵ではなく台詞だけで説明する」という最悪のパターン。
そして、既刊でも度々書いたが、簡単な単語をひらがなで書く―所謂「ひらく」語句が多過ぎ。
「うつくしい」等は、その語句の持つ意味を強めたい故であろうが、
この作品にはこの言葉が余りにも多用されるため、言葉の印象自体が薄まってしまう。
p180〜などは、「かんじんの」「おもしろかった」「ほんものの」「おそるべき」「ちいさく」
「ちくしょう」「だいじょうぶ」「ぜったいに」「おどろくほど」「いっぱい」…キリがない。
冒頭から暗喩比喩を駆使した、この作者らしい装飾の多い文章に何とも不釣り合い。
また、p186「無事に帰ってはこまい」…こまい? 帰ってはきまい、では?
どちらにしろ「来まい」にしておけば良かったのではないか?
そして毒殺のトリックは、被害者が苦しみ出した時点の伏線で早々と見抜ける程度であるのに、
長々と引っ張り過ぎ。登場人物の正体も、同じ。とにかく簡単過ぎる。ヒントが多過ぎる。
そんなこんなで唯一良かった点は、主人公ふたりのお互いへの気持ちがランクアップしたところ。
名付けようのない感情から、はっきり愛情へと変わり、かけがえのない存在として意識する。
そこに出てくる「正しい弱さ」という表現が、作者が年若い読者に一番伝えたい言葉ではないかと思う。
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