全く見当外れで殆ど哀れとしか言いようの無いレビューは無視した方が良いです。
これは映画ファンなら絶対に買いで必読の書です。
初版が世に出てから30年近く過ぎて質/量共にこれに比類する映画の教科書は存在しないでしょう。しかもこのボリュームでこの価格は儲けを度外視しているとしか思えない。
全てを一気に読破するのは無理ですし(その必要もないですけど)もしかしたら読み終えないかも知れないです。そのくらい圧巻の出来栄えです。
でも手元には是非置いておきたい。映画に対して何か不安がよぎったら開けばいい。
解決の手解きになってくれること請合いです。
当時は夢中になって聴いていました。 今でもアルバムは全て持っています。 独特の世界観、ふわふわしているようでしっかり足は地に付いている。 そんな彼女の楽曲が凝縮された1枚です。
北京出身の国民的シンガー、Faye Wongのベスト版。かつて粗製乱造作品が横行しており、ダサいと言われていたチャイニーズポップスに大革命を起こした歌姫。浮遊感のある独特のヴォーカルは、気品に満ちておりそれでいてスノッブさを感じさせないクオリティ。ソングライターとしての才能も相当なもの。加えて、東アジア、欧州、北米の音楽に精通した優れたバックアップ陣(Cranberries,Tori Amos,中島みゆき,Queen,U2,Bjorkなどのアレンジを知り尽くした)、アレンジャーを従えているため、実験性と商業的成功を同時に収めた数少ないシンガー。オリジナル作品に名曲が多いので、ベストはやや熱心なファンからは中途半端に思われている傾向。ただ質は物凄く高いので、導入辺には最適。
ジャケットの絵が魅力と伝えている。 色使い、カレン・モクのかわいらしさ。クールに決めてるレオン・ライ。 金城、フェイ、トニー。とにかくスターが盛りだくさんでしかも、めっちゃ魅力的! 売れてたスターもここ(王家衛)で売れたスターも王家衛マジックで光輝いている。 クリストファー・ドイルのハッピー&クレイジー(←誉め言葉)なカメラと変わり者ウォン・カーウァイ(王家衛)監督の独断編集のこの映画は香港の湿気を帯びた空気とドハデな色使いにファンタジーを与えた。 香港スターの新たな魅力を十分にみせてくれる。 「恋する惑星」とこの「天使の涙」を携えて、そうだ香港へ行こう!って気にさせてくれる。
本作は恋愛映画、そして青春映画の秀作です。 秀作…なのだけど私の感じたキーワードは‘未完成’でした。
例えば、ラストカットに突如登場するトニー・レオン…。身支度する姿がやたらとカッコいい。 ですが…本筋となにも関係がない。 正直キョトンとしました。 調べると本作は二部作の構想だったそうで…。 あそこは続編 (←『花様年華』や『2046』とは別) に繋がる部分なのだそうです。 トニー・レオンはその続編に登場する予定だったが、中断してしまった…ということらしいです。 つまり、本作は ‘未完成’なのです (すくなくともラストカットは)。
本作は‘未完成’…。 とすれば、完成度の低い作品なのか?…といえばむしろ逆です。 例えば、クリストファー・ドイル美しい映像。 濃厚な緑と青に支配された、湿気の多い映像は非常に艶やか。 観ているこっちも汗をかきそうなほど。 が不思議と心地よい映像美です。 音楽も耳に残ります。 それほど音楽の多い映画ではありませんが、時折かかるラテン系の音楽が印象的。 それに、会話自体がどことなく音楽的です。(フランス映画のように) 登場人物も魅力的。 彼等は他人を愛しますが、その意味を理解しない(出来ない)‘未完成’な若者です。 その愛はナルシズムに近いもの。 当然物語は(愛を理解出来ていない以上) 悲劇に終わります…。 だけど、その一見突き放したようにみえる文体に滲むロマンには酔わされてしまいます。監督は若者の姿に共感しているのでしょう (観客も)。 ウォン・カーウァイ節炸裂です。 マギー・チャン、アンディ・ラウ、そしてカリーナ・ラウ、そして、レスチー・チャン…人間的に ‘未完成’ であり、それゆえ悲劇に沈んでしまう魅力。 はまり役でした。 魅せられました (私は男なのに)。
実は本作、今回の廉価発売が初めての視聴でした。 ウォン・カーウァイ監督作としては初期の作品ということであまり期待していなかったのですが、すでに、スタイル (ウォン・カーウァイ節!?) は ‘完成’ していたのですね…。 驚きました。 そのスタイルは …詳細な説明や展開を省き、結論やそれをほのめかすカットだけを入れ ‘行間にある出来事や思いを観客が自身の感性で補完する’ ようにして観る (そのようにみせる) もの。 物語を‘語る’という意味からは ‘未完成’ とさえ言える。 それが ‘完成’している。 なんとも魅力的。 まさに、本作はみごとな ‘未完成’ の傑作です。 トニー・レオンの登場する不思議なラストカットはその象徴のように感じるのです。
|