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黒住憲五、この名前に興味を持たれた方には作品の内容をあれこれ論じる必要はないでしょう。そこに関しては「名作」この一言で充分だと思います。
ただ、今回CD化されたこの盤をお聴きになられた方はお気づきと思いますが、音質は正直、良好とは言えません。
 私自身、かなり気になり、もしかしたら不良品ではないかと直接メーカーに問い合わせました。
 答えとしましては、まずマスターテープの劣化ということだそうです。ただこれは、古い作品をCD化するうえで仕方のないこと言えるでしょう。
 ふたつ目の理由として、一部音源のマスターが紛失しており、直接アナログ盤から音を拾ったため、ということでした。
 確かに数曲の冒頭で盤に針を落とした時のノイズが確認できますし、音がヨレて聴こえる部分もかなりあります。
 実は、過去に何度かCD化の依頼をいただいた時も、そのような理由から完璧な音源が提供できないということでお話をお断りしていたそうです。
 まぁ、それでもこうして手軽に聴けるようになっただけで御の字。良くぞ英断していただけたものだとメーカーさんにも大拍手です。
 音質の劣化もヘッドフォン、大音量で聴くと気にはなりますが、普通にステレオのスピーカーから流して聴く分には問題ないかとも思われます。
 
 
 
 
   
昔、テープでめちゃくちゃ聞きました。透き通った声と、ドライブにぴったりのメロディー!
いつまでも色褪せないですね。
 ただ、紙ジャケなのと元の音源からのせいでしょうか、音質はイマイチな気がしたので☆4にしました。
 
 
   
金澤寿和氏を筆頭とし、信頼出来る方々のリコメンドは参考になる本かと思います。
 ただ、いくつか言うとすれば、『良くも悪くも選者の趣味』があるということは確かです。
 つまり、載せられているアルバムすべてが、
 金澤氏のお気に入りというわけでもないようです。
 よくよく読むと、『OO氏はこういう系統が好きだな』と
 解ってきます。
 それを解ったうえで、活用するのが一番かと思います。
 無論、その1人1人のカラーの違いが、
 多彩なものを紹介できている側面もあるので、否定はしていません。
 ただそう言った点での多少の残念なところというか、難しいところは、
 LIGHT MELLOWという名前で表現しているが、
 『ライトなだけ』『メロウなだけ』という作品も多く含んでいる点です。
 例えば、角松敏生のAll is Vanityはメロウですが、
 ライトではなく重い作品ですし、
 しばたはつみのLOTS OF LOVEも寺山修司の詩に歌を乗せた
 深い作品です。確かにメロウではあっても。
 他にも、斎藤誠氏のようなややフォーキーな音楽も入っています。
 逆に、探すとライトだがメロウではないものもあります。
 これは活用の際に注意したほうがいいかもしれません。 もういくつかあげれば、比較的最近の発売にも関わらず廃盤表記になっていない廃盤(在庫切れなだけかもしれないが)
 があったりと注意しなければならなかったり、
 越美晴の作品のように、CD化されていたのに未CD化になっていたりと
 データが甘い部分もあります。
 とはいえ、昔の日本の素晴らしい音楽に目を向けさせてくれる名著であることは間違いありません。
 何だかんだ言っても、いい音楽を見つけるのに
 かなり役に立つガイドであることは事実です。
 
 
   
 前作の名盤「PILLOW TALK」から、16年ぶりのリリースとなったアルバム「DAYS OF WONDER」このアルバムを聴くと、華やかな80年代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。
 しかし、古臭さはみじんも感じられません。すんなりと、心に響いてきます。
 メロウで心地よいハイトーンボーカルは、未だ健在です。驚くほど変わっていません。
 アルバムのタイトルになっている、DAYS OF WONDERは名曲lusiaをリアレンジしたものです。
 AOR好きにはたまらない完成度の高いアルバムであることは、間違いありません。本当の大人がじっくり聴けるアルバムです。
 それにしても。。。現在進行形の健全なラブソングを歌うより、いけない恋を切なく歌うほうが黒住憲五には似合ってる、と思うのは私だけではないはずです。
 
 
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