最近ふと何年か前のフジロックに彼が出演した映像を観まして、トリオながら実にしっかりしたアンサンブル、かつアバンギャルドな演奏にいたく感激。早速近年の作品からトリオ作ら しき本作を購入。
肝心のトリオは3曲程度でがっかりでしたが、面子があの超絶変態ベースのレス クレイプールとTOOLのドラムと言う布陣!(liveは無名の姉弟らしい)まぁエイドリアン色が濃いので他の打ち込みと大差はないんですが、とにかく内容は彼の才能を嫌と言う程分からせる物に仕上がっています。80'Sクリムゾン的耽美ボーカル曲から、コンビネーションディミニッシュと思しき複雑怪奇なインスト、決して心地良い部類の音楽とは言えませんが、その音楽的情報量は尋常ではありません。好き嫌いは別として、フリップは疎かザッパの上を行く天才と言っても差し支えない、いや実は彼ら自身がエイドリアンの恐るべき才能を肌で感じとっていたんじゃないかとさえ思います。万人向けではないがギタリストなら何かを得られる良作です。
Terry Bozzio, Adrian Belew, Patrick O'Hearn がいた時期の最高のライブ・ビデオです。3時間にわたってザッパワールドを堪能できます。アメリカ盤はリージョン1なので購入に当たっては注意が必要です。
オリジナルのTHE WALLは、ギター、ベース、ドラム、ヴォーカル以外の様々な要素(オペラ、クラシック等)がミックスされ、完成度の高いアルバムをつくりあげています。
非常に解りやすく言いますが、ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルのみで元々創られている曲は、非常に聴き応えがあり、オリジナルより思わず「うお!?」っと固まってしまうほどのクオリティを感じさせます。Disk1、4. The Happiest Days Of Our Lives 、Disk2.6. Comfortably Numb 9. Run Like Hell 等・・・
ですが、それ以外のオペラ、クラシックを意識した楽曲群は、正直「こうなっちまったか・・・」みたいな感想を禁じ得ません。(やはり予算の関係でしょうか・・・・、ブラス、ストリングス、ピアノ、コーラスの部分が、ものすごく脆弱で無機質で、「うーん?」って感じです。)
ですがこんな大作を、(元々ここまで偏執狂的なつくりの作品)を1から10まで再現しようという試みには、感服しました。
数あるカバーアルバムでも、ここまでオリジナルに属したものは、私は聴いたことがありません。オリジナルの「THE WALL」を聴きまくってて、何か違った感じの「THE WALL」が聴きたいなって方は、聴いてみて損は無いと思います。
逆に、「オリジナルの良さ」を再確認する意味でも、この作品を聴いてみる価値はあると思います。(音と音とのミクロレベルの微細なかけ合わせ方によってしか、新しい「音」は生まれないという事実はやはり本家「ピンク・フロイド」にしか確認できないでしょうし、あのSEと演奏の絶妙の駆け引きは決して他人には真似できないものです・・。)
ちょっと思ったんですが、ヴォーカルに「切迫感」が足りない気がします。
オリジナルは、やはり「壁の内側から搾り出されるような(何とかしてくれ!!)オーラ」を常に感じさせるクオリティですが、この作品は、何か・・要するに「なぞってる感じ」ですね。
それでもこのアルバムには、かなり楽しませてもらってます。
オリジナルと交互に聴くと、常に新たな発見があって、宝探しみたいな感覚で鑑賞することもできておもしろいです。
最初はKING crimsonの様な音楽を想像していたのですが ひと通り聴いた時は、肩すかした感じでした。
しかし、聴く度にブリューならではのサウンドが有り。 基本的に聴きやすいメロディーの中に、ポップに歌い上げる。しかし、その中にザッパ、トーキングヘッズなどで培われた独特なサウンドも有りました。
ブリューといえばやはりこの1stですね。当時インタビューで「99%フィードバックをコントロールしている」というだけあって多彩なサウンドをひきだしています。お馴染みの動物の鳴き声からモンスターまで実に変化にとんだサウンドを愛器ストラトキャスターを、叩いたり、ネックベンドしたりしてつくりだしています。(1)はファズギターが炸裂!!といった感じですが、全然耳障りでないドライブ感溢れる名曲です。確か、昔シングルカットされたはず....。この人のこの時点までの音楽遍歴がよくあらわれていますね、でも基本はポップなおじさんです。ギターはジミヘン発ザッパ経由といった感じ...。この人とアート・リンゼイがギター奏法の概念を広げたと思います。何度でも耳を傾けてしまう良質なアルバムです。名盤!!
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